バカとテストとウチの弟   作:グラン

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バカテスト・中級編

Q.このメンバーにはある法則があります


一番センター 松山
二番レフト 水戸
三番ショート 宇都宮
四番キャッチャー 大津
五番ファースト 高松
六番ピッチャー 前橋
七番セカンド 山形
八番サード 松江
九番ライト 金沢


わかるかな?


第九十問 再会

  SIDE 瑞希

 

 

みなさんこんにちは

この小説では出番が少ない姫路瑞希です

え?愚痴じゃないデスヨ?

今日も私は美波ちゃん達と一緒に野球部の応援に来ています

今日は準決勝なのであと二回勝てば甲子園に出場できるそうです

北条君達はここまで頑張って来たのできっと勝てますよね?

 

 

「あっ!中島夫人が来たぞ!」

 

「中島夫人!こちらへどうぞ!打席が良く見える特等席です!」

 

「誰が中島夫人よ!!」

 

 

顔を真っ赤にして怒っているのは中島夫人こと小山友香さん

そういえば小山さんと中島君は先日正式にお付き合いすることになったそうです

中島君のあの大勢の前での告白は凄かったですね

 

 

「全くもう・・・」

 

「小山さん、おはようございます」

 

「おはよう。暑いから水分補給はこまめに取らないとダメよ」

 

 

ブツブツと言いながら私の隣に座る小山さんに挨拶をすると体の弱い私の事を気遣ってくれました

優しい人ですね

 

 

『おーい友香!』

 

「小山さん、中島君が呼んでますよ?」

 

「放っておいていいわよ」

 

『友香!愛してるで!』

 

「やかましい!さっさとウォーミングアップしなさい!」

 

 

顔を真っ赤にして怒鳴る小山さん

でもその表情は少し嬉しそうです

 

 

「あはは、ラブラブだね小山さん」

 

「ち、違うわよ!アレは英雄が勝手に・・・」

 

 

工藤さんがやってきて小山さんを弄り始めました

小山さんは恥ずかしそうです

やっぱりちょっと羨ましいです

私も

北条君にあんな風に・・・

・・・無いですね。絶対に言いそうに無いですね

いつか告白したいとは思っているのですが未だに勇気が持てません

というより、北条君って恋人はいるんでしょうか?

そういった噂は全く聞かないのでいないものと思っていましたが、よく考えたらあれだけカッコイイんですからいてもおかしくないですよね

 

 

「ん?姫路さん?どうしたの?ちょっと辛そうだけど・・・」

 

「え?あ、いえ、なんでもないですよ」

 

「そう、瑞希ちゃん、身体が弱いんだから無理しちゃダメだよ」

 

 

小山さんと工藤さんが心配してくれました

お二人とも優しいですね

まぁ今はそのことは置いておいて応援に集中しなくちゃいけませんね

今日の対戦相手は喜多川高校

体育科のある体育会系の学校です

力の強そうな人たちが多いですけど、大丈夫なんでしょうか?

 

 

  SIDE OUT

 

  NO SIDE

 

 

こちらは喜多川ベンチ

 

 

「いいかお前たち!野球はフルスイングだ!三振など気にするな!とにかく打って打って打ちまくる!それがウチのスタイルだ!」

 

 

『一番センター松山君』

 

 

ピッチャー島田が振りかぶって投げる

 

 

『ストライーク!』

 

 

大きな風切り音を鳴らし、バットは空を切る

 

 

「よしよし、いいぞ。おそらく島田はそんなに気が強い性格ではない。あの強振で萎縮するはずだ」

 

 

喜多川高校の監督は勝利を確信した

しかし・・・

 

 

  ※一時間後※

 

 

「そんな・・・そんなバカな・・・」

 

 

絶望する喜多川高校監督

マウンド上には島田海人

 

 

「「「「「「あと一人!あと一人!」」」」」」

 

 

観客席からはあと一人コール

現在は九回表ツーアウトランナーなし

打順は『三順目の九番打者』

つまりノーヒットノーランまであと一人だ

そして・・・

 

 

『ストライーク!!バッターアウト!!ゲームセット!』

 

 

大記録を残し、試合は終了した

 

 

  SIDE OUT

 

  SIDE 北条

 

 

「お疲れ様、絶好調だったわね」

 

「智也君のリードや先輩たちの守備のおかげだよ」

 

「凡打ばっかりだから守備が楽で助かるぜ」

 

「ま、喜多川のあの作戦は速球派投手にこそ有効ですからね。海人みたいな変化球投手だとやりにくいでしょう。ボール球もガンガン振ってくれましたし・・・」

 

「英雄君も絶好調だったよね。五打数五安打なんてさ」

 

「友香が見に来とるからな~ええとこ見せたいやん」

 

 

英雄も小山と付き合ってから他校の女子生徒をナンパしに行かなくなった

まぁこっちとしては楽で助かるが

 

 

「おーい!トモ!」

 

「ん?智也君、呼ばれてるみたいだよ」

 

「ああ、久しぶりだな・・・『シュウ』」

 

 

俺は声のする方へ振り向きながらそう言った

声の主が星凰学園の新藤秀一だということはすぐにわかった

なぜなら俺の事を『トモ』と呼ぶ奴は二人しかいないからだ

 

 

「悪い、先に行っててくれないか。俺もすぐに行くから」

 

「うん。わかったよ」

 

 

俺の言葉に海人が返事をし、全員そのまま先に歩いて行った

 

 

「試合、見てたぜ。アイツ、いい投手だな」

 

「ああ・・・すまないな、シュウ。俺はお前との約束を・・・」

 

「気にすんな。俺は嬉しいんだぜ。『あんな事』があったのにお前が再び野球を始めてくれてよ」

 

 

会話を聞いていてわかったかもしれないが、俺とシュウは同じ中学で野球部ではバッテリーを組んでいた

そして二人で甲子園に行って日本一になろうと約束していた

しかし、『ある事件』により、俺は野球を続ける気力を失い、別の高校に進学したのだ

 

 

「じゃ、試合頑張れよ」

 

「ああ、勝ってお前たちと決勝戦だ!言っとくが手加減はしねえぞ」

 

「ふっ、それはこっちのセリフだ」

 

 

そう言うとシュウはベンチの方に歩いて行った

さて、俺も観客席に向かうか

 

 

「・・・あれからもう二年も経つのか・・・早いものだな」

 

 

俺は鞄から一枚の写真を取り出し、それを見ながらそう呟く

そこには俺とシュウ、そして『   』の姿が写っていた

 




そろそろ野球編ばかりで飽き飽きしているでしょうから準決勝はサクサク終わらせましたww


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次回も頑張ります

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