バカとテストとウチの弟   作:グラン

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遅れました
増税の影響で仕事が忙しい
なにもかも政府が悪いww


第七十六問 女マネ

  SIDE 海人

 

  ※Aクラス※

 

 

「北条君、この問題の解き方なんだけど・・・」

 

「ああ、ここは・・・」

 

「北条、アンケートの集計が・・・」

 

「わかった。後でやっておくからそこに・・・」

 

 

む・・・ ←たまたま通りかかった

 

 

  ※野球部部室※

 

 

「なぁ北条、ここの練習メニューなんだがこっちの方が・・・」

 

「そうですね。検討してみます」

 

「智也、テーピングの予備ってどこやったかいな?」

 

「部室の奥の戸棚の中だ」

 

 

・・・むむ・・・

これは・・・なんとかしないと・・・

 

 

  SIDE OUT

 

  SIDE 優子

 

 

「はぁ・・・」

 

 

授業が終わりアタシは本屋さんまで本(BL)の新刊を買いに行ったのだが・・・

なぜだろう?全く興味が持てない

結局、買う気にならずそのまま家に向かって歩いている

 

 

「・・・海人君、今頃部活中かしら・・・」

 

 

・・・ハッ!!

まただ・・・

最近ことあるごとに海人君の事を考えている

なんでかしら?←超鈍感

 

まぁそれはさておき、ここ最近のアタシの生活態度ときたら・・・

家に帰ってゴロゴロ

お菓子を食べながらゴロゴロ

ご飯を食べてゴロゴロ

そして就寝

・・・太る・・・きっと太る

このままじゃいけないわ!何とかしなくちゃ・・・

 

 

「ん?」

 

 

あれって海人君よね?

あ、そっか。試験週間だから部活は早めに終わったのね

にしても元気がないわね?

どうかしたのかしら?

 

 

「海人君」

 

「・・・」

 

 

あれ?聞こえなかったかな?

 

 

「海人君!」

 

「・・・」

 

「海人君ってば!」

 

「・・・」

 

(プチっ)

 

「てい!」←後頭部全力チョップ

 

「痛っ!優子さん?なにするのさ?」

 

「なにするのさ?じゃないわよ。ずっと呼んでるのに無視するんだもん」

 

「え?ホントに?ご、ごめん!考え事してたから・・・」

 

 

考え事・・・悩み事かしら?

 

 

「ふーん。で?なに考えてたの?」

 

「え、あ、いや、たいしたことじゃ・・・」

 

 

海人君はちょっと困ったような表情を浮かべる

話しにくい事なのかしら?

でも、この子は大変なことでも一人で抱え込むからな

前科もあるし(清涼祭編参照)

ここは意地でも聞き出さないと

 

 

「その表情・・・さては悩み事ね。お姉さんに話してみなさい♪」

 

「お姉さんって、優子さんは同い年・・・」

 

「む・・・どうしても話さないっていうならこっちにも考えがあるわよ」

 

「ど、どうする気?」

 

「如月ハイランドでアタシの胸を触ったこと、全校放送でバラすわ」

 

「全てお話します」

 

 

全く、最初から素直にそう言えばいいのよ

え?それは脅迫?ナンノコトカシラ?

 

 

「さて、じゃあそこの喫茶店にでも入りましょ。アタシもちょっと相談したいことがあったし、ちょうどいいわ」

 

 

そしてアタシは海人君の手を引き(無理矢理)喫茶店に入った

 

 

  ※数分後※

 

 

「なるほどね。北条君の負担が大きいからどうにかならないか?ってことね」

 

「うん。部活のこともAクラスのことも色々やってるみたいだから、いつか倒れちゃうんじゃないかと思って・・・智也君は人にものを頼まない人だし、頼んだら断らないし、多分誰かを頼ったりしないと思うから」

 

「・・・それ、アンタが言う?」

 

 

アタシはジト目で海人君にツッコむ

でもまぁ気持ちはわかるわね

北条君ってしっかりしてるし、頼りになるお兄さんって感じだからついつい・・・

 

 

『ねぇ北条君、ここ教えてくれるかしら?』

 

 

・・・あれ?

 

 

『あ、北条君、ちょっと手伝ってくれない?それからアレとソレと・・・』

 

 

・・・ヤバっ、思い返してみたらアタシって一番、北条君にあれこれ頼んでるかも・・・

 

 

「優子さんみたいにしっかりした人ばっかりだったら安心なんだけど・・・って、優子さん?どうしたの?」

 

 

コテンっと首を傾げる

・・・見ないで・・・そんな純粋無垢な瞳でアタシを見ないで・・・

 

 

「と、とにかく!Aクラスの方は代表や他の人に話して北条君の負担が少なくなるようにするわ」

 

「ホント?ありがとう!」

 

 

海人君は嬉しそうに笑う

ふふっ、相変わらず優しいわね

 

 

「あとは野球部の方ね」

 

「うん、多分先輩たちは言えば協力してくれると思うけど、三年生は次の大会が最後だから・・・」

 

 

なるほど・・・

練習に専念してもらいたいわけね

 

 

「僕が手伝おうとすると、『こっちは俺に任せて海人は投球に専念してくれ』って言われるし・・・」

 

「要するに戦略、練習メニューの作成に雑務(スコアブックの記入や備品管理など)も北条君がやっていて、部員の数が少ないからそっちに人手を割くことができないと?」

 

「うん」

 

 

とはいえ野球部内のことじゃあアタシはどうすることも・・・

・・・ん?待てよ・・・

これはちょうどいいんじゃ・・・

 

 

「話はわかったわ。アタシに任せなさい」

 

「え?優子さんに?」

 

「なに?信用できないって言うの?」

 

「そ、そうじゃなくて・・・どうするつもり?」

 

「まぁそれは明日のお楽しみってことで。さ、そろそろ帰りましょ」

 

「う、うん。って、あれ?優子さん、何か相談があったんじゃ・・・」

 

「ああ、いいのいいの。もう解決したから」

 

「???」

 

 

さてと、さっそく帰って準備しなくちゃ

 

 

  SIDE OUT

 

  SIDE 海人

 

 

翌日、僕は授業が終わりグラウンドに急ぐ

そういえば優子さん、『明日のお楽しみ』とか言ってたけどどういう意味なんだろう?

 

 

「よし、みんな、ちょっと集まってくれ」

 

 

そんなことを考えながらグラウンドに出ると普段はいない顧問の先生が来ていて僕達に声をかける

 

 

「今日から一人、マネージャーをしてくれることになった生徒を紹介する」

 

 

マネージャー?大会前のこの時期に?

・・・って!!

 

 

「木下優子です。よろしくお願いします」

 

 

・・・はい?

 

 

  SIDE OUT

 

  SIDE 美波

 

 

授業が終わり、ウチはアキの観察処分者の仕事が終わるのを待っている

 

 

「ごめん美波、おまたせ」

 

「気にしなくていいわよ。さ、帰りましょ」

 

 

そう言って鞄を手に取り、教室を後にする

 

 

「そういえば秀吉から聞いたんだけど、木下さんが野球部のマネージャーを始めたんだって」

 

「え?そうなの?海人からは何も聞いてないけど」

 

「海人も多分知らないんだと思うよ。『ビックリさせたいから黙ってて』って言ってたらしいから」

 

「へぇ・・・」

 

 

海人ってばどんな反応してるかしら

ちょっと気になるわね

 

 

「ちょっと様子を見に行ってみない?」

 

 

そう言ってウチとアキは野球部のグラウンドへ

 

 

「ん?今度は吉井に島田か?」

 

 

グラウンドに着くと北条君にバッタリ遭遇

・・・ん?

 

 

「今度は?」

 

「ああ、さっきは木下弟が来てな。『姉上の様子を見に来たのじゃ』と言ってな」

 

 

木下も何気にシスコンね

 

 

「どうせお前らも木下が女マネやるって聞いて興味持って見に来たんだろ」

 

「まぁね。で、どうなの?」

 

「あいつには一番厄介な仕事を頼んだんだが効果はバツグンだな」

 

「へぇ・・・何を頼んだの?」

 

 

アキがそう聞くと北条君は向こうを指差す

 

 

『こらー!海人君!練習メニューの球数は投げ終わったでしょ!ちゃんと休憩に入りなさい!!』

 

『い、いや、もう少しだけ・・・』

 

『ダメよ!身体を壊したらどうするの!野村君も付き合ってないで止めなきゃダメでしょ』

 

『す、すいませんッス!』

 

 

「あの練習狂(海人)の見張り」

 

「「あぁ・・・」」

 

 

そりゃたしかに効果抜群だ

海人ってば頑張り過ぎるところがあるものね

ああやって優子が見張ってくれるなら安心だわ

 

 

『全く・・・って!こらソコ!!練習中に女の子をナンパしない!友香に言いつけるわよ!!』

 

『そ、それだけは勘弁や!』

 

 

・・・まるで風紀委員ね・・・

でもまぁ優子もイキイキしてるし、海人もなんだかんだで楽しそうだし、よかったわ

 

 

「さて、俺も練習に戻るか。じゃあな」

 

 

そう言って北条君は去って行った

 

 

「じゃあ僕達も帰ろうか」

 

「そうね」

 

 

頑張ってね海人

心の中でそう呟いてウチはグラウンドを後にした

 




やっちまった・・・
海人の見張り役に優子をチョイス!
この後の展開で必要だったもので・・・

次回も頑張ります

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