バカとテストとウチの弟   作:グラン

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ここで如月ハイランド編完結・・・の予定でしたが、思いついたネタを追加していたら長くなりそうなのでもう一話追加
次回で如月ハイランド編を終えます
それに伴い、前話、前々話のサブタイトルを変更しました
更新が遅くなって申し訳ございません
それでは本編へどうぞ


第七十四問 進展

  SIDE 海人

 

 

僕と優子さんは観覧車のゴンドラに乗り込んだ

 

 

「わぁ・・・すごい景色。綺麗ね」

 

「うん、綺麗だね」

 

 

優子さんは興奮しているのか、立ち上がって外を眺めている

楽しんでいるようで何よりだ

そして僕達のゴンドラが頂上に辿り着こうとしたその時・・・

ゴンドラが急停止した

 

 

「きゃ!」

 

「危ない!」

 

 

僕はバランスを崩した優子さんに手を伸ばす

すると・・・

 

 

(ムニュ♪)

 

 

なにやら柔らかいものが右手に・・・

・・・ハッ!!

 

 

「ごごごごごごめん!!!」

 

「う、ううん!海人君は悪くないわよ!アタシがちょっとはしゃぎすぎたから!」

 

 

僕の右手が触れたもの

それは優子さんの胸だった

僕は慌てて離れて優子さんに謝る

っていうか・・・

 

 

(二人で遊園地)

 

(観覧車で二人っきり)

 

((これはデートと呼ばれるものでは・・・?))

 

 

※今頃気付く鈍感二人※

 

 

「「・・・」」

 

 

き、気まずい・・・

そんなことを考えていると観覧車は再び動き出した

 

 

「う、動いたね」

 

「そ、そうね。誰か降りるのに失敗したのかしらね」

 

「そうかもね」

 

 

観覧車の中では未だ気まずい空気が続いていた

 

 

  SIDE OUT

 

  SIDE 美波

 

 

「あ、動き出したね」

 

「思ったより早かったわね。失敗だわ」

 

 

ウチの計算では狭い密室で二人っきりで閉じ込められて吊り橋効果を得られるはずだったのに・・・

ちなみに観覧車の電源を落としたのはこっそり忍び込んだ土屋だ

 

 

「・・・いや、どうやら効果はあったみたいだよ」

 

 

アキが観覧車から降りてきた二人を見ながらそう言った

ウチもそちらに視線を移すと海人と優子の顔は赤く染まっていた

ふむ・・・何かあったみたいね・・・

それにしても・・・あの二人、ぎこちなくて初々しくていいわね♪

 

 

  SIDE OUT

 

  SIDE 海人

 

 

観覧車から降りた僕達は無言で歩いていた

やっぱりさっきの事怒ってるかな?

不可抗力とはいえ女の子の胸に触ってしまったわけだし・・・

・・・うん、やっぱりちゃんと謝らないとダメだよね

 

 

「ゆ、優子さん」

 

「な、なに?」

 

「さっきはその・・・本当に(きゅるぅぅぅ)」

 

 

台無しだ・・・

こんな時にお腹が鳴るなんて

たしかにもうお昼だし、お腹も空いたけど・・・

 

 

「・・・ぷっ!」

 

「うぅ・・・」

 

「お腹も空いたし、ご飯でも食べに行きましょ」

 

 

優子さんはクスクスと笑いながらそう言い、僕は無言で頷いた

 

 

(ふぅ、アタシってば何意識してるのかしらね。今日はただ友達と遊びに来ただけだっていうのに・・・)

 

 

  ※数分後※

 

 

「むぅ・・・」

 

「もう、悪かったってば」

 

 

あの後、お腹が鳴ったことがおかしかったのか優子さんにクスクスと笑われ続けていた

 

 

「ほら、オムライスを一口あげるから機嫌直しなさいよ」

 

 

そう言って優子さんは自分の食べているオムライスを掬い・・・

 

 

「ほら、あーん」

 

「ふぇ!?」

 

 

僕に近づける

これって関節・・・

 

 

「え、えっと・・・」←戸惑っている

 

「?・・・っ!!」←気付いたが引っ込みがつかなくなっている

 

 

フリーズする僕と優子さん

ま、まぁせっかくくれるって言うんだし、好意を無にすることもないよね

決してやましい気持ちはナイヨ?

 

 

「あ、あーん・・・」

 

 

差し出されたスプーンに口を近づけ、オムライスが口に入ろうとしたその時!

 

 

「おぅ、海人に木下姉、楽しんでるか?」

 

 

雄二君の声が聞こえ、僕達は瞬間的に離れる

 

 

「ゆゆゆゆゆ、雄二君!」

 

「だ、代表!!」

 

 

動揺した僕達はオロオロしながら視線をそらす

 

 

(ヒュン!)

 

 

ん?風?・・・って

 

 

「あれ?雄二君は?」

 

「何言ってんのよ?そこに・・・あれ?」

 

 

僕達は周りをキョロキョロと見渡すが姿が見つからない

 

 

「まぁそのうち戻ってくるでしょ。それより代表たちもご飯でしょ。一緒に食べましょ」

 

「・・・うん」

 

 

霧島さんはそう返事すると僕に近づき・・・

 

 

(・・・邪魔してごめんなさい)

 

(んなっ!べ、別にそんなんじゃ・・・)

 

 

霧島さんは僕の反応を見てクスッと笑った

それにしても雄二君はどこに行ったんだろう?

 

 

  SIDE OUT

 

  SIDE 明久

 

 

『さぁぁぁかぁぁぁもぉぉぉとぉぉぉ!!!よりによってなんてところで邪魔してくれてんだクォラァァァ!!!』

 

『み、美波!落ち着いて!口調が変わってるし雄二が白目向いてるし子供が泣き出してるから!』

 

 

現在の状況、マスコットキャラクターのオレンジの狐が赤ゴリラの首を締め上げ、それを青とピンクと緑の狐(僕、姫路さん、秀吉)が止めているというシュールな光景だ

なんとか美波を止めることに成功はしたものの雄二は気絶してしまった

 

 

「どうしましょう?このまま坂本君が戻らないと霧島さん達が不信に思いますよ?」

 

「秀吉、雄二に変装とかできない?」

 

「さすがにこの体格差は無理じゃ。それに雄二に変装して霧島を騙せるとは思えぬし、なによりあそこには姉上がおるしのう」

 

 

あぁ、そういえば木下さんには秀吉の変装は通じないんだった

・・・そうだ!

 

 

「だったら雄二達に例のウエディング体験をしてもらうってのはどうかな?それなら霧島さんだけを呼び出せるし、準備で時間が稼げるし不信にも思われないよ」

 

「ちょっと待ちなさいよアキ!あれは海人と優子に・・・」

 

「二人があの状態じゃあギクシャクして成功は難しいよ。それに・・・美波、体験とはいえ海人の結婚式を見たら絶対泣くでしょ?」

 

「そんなこと・・・」

 

「ない?」

 

「・・・泣くかも」

 

 

ふふ、やっぱりブラコンだなぁ

 

 

「仕方ないわね・・・こうなったのもウチの責任だし・・・」

 

「よし、決まりだね」

 

「それにしてもお主たちはよいのか?このウエディング体験も別にお主らがやっても・・・」

 

「それはいいのよ。アキとは本物の結婚式を挙げるし」

 

「そうそう、それに企画に頼らなくても僕は充分幸せだし」

 

「ウチも幸せよアキ」

 

「美波・・・」

 

「はいはいごちそうさまなのじゃ」

 

「仲が良いですね。憧れますぅ」

 

 

さて、作戦開始だ

 




海人→ラッキースケベ
優子→海人を少し意識
雄二→KY
美波&明久→バカップル

次回も頑張ります

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