作者「始まりませんよ~それでは本編へどうぞ」
SIDE 美波
「う・・ん・・・」
「あっ姉さん、気がついた?」
「・・・海人・・・っ!海人!大丈夫!?怪我はない!?」
「平気だよ。それより姉さんこそ大丈夫?顔が真っ赤だったけど・・・」
・・・そうだ!ウチ、アキに・・・キキキキ、キスをされて・・・
「姉さん?」
海人が心配そうにウチの顔を覗き込んでいる
「ウチは平気よ。心配してくれてありがとう」
そう言って海人の頭を撫でると海人は目を細めて気持ちよさそうな顔をした
う~ん・・・可愛いなぁ♪
なんでこんなに可愛いんだろう?←ブラコン
SIDE OUT
SIDE 海人
「さて、島田も目を覚ましたことだし、飯でも食いながら作戦会議をしよう。明久、秀吉、姫路、ムッツリーニ、そして島田姉弟は屋上に集まってくれ」
雄二君に呼ばれた
姉さんはアキ兄さんと手を繋いで顔を赤くしながら出て行った
周りを見渡すとみんなももう屋上に向かったようだ
僕も慌てて教室を出た
「おっ、海人やん」
「あっ、英雄君!」
「そういや振り分け試験休んだんやったな。運が悪かったな~」
「まぁ仕方ないよ。英雄君はどこのクラス?」
「Eクラスや。てっきりFやと思っとったんやけど・・・海人がF行ったから繰り上がったんかもしれんなぁ~」
おっと紹介が遅れたね
彼は中島英雄君、ウチの野球部の四番バッター
茶髪にピアスと野球部らしくない風貌だが、実力は部内一
他の名門校に行っていないのが不思議な位の逸材だ
「おい海人、何やって・・・お前はたしか野球部の中島だったか?」
「せや、自分は?」
「Fクラス代表の坂本雄二だ」
「よろしくな~」
軽く挨拶を交わす雄二君と英雄君
英雄君はとってもフレンドリーで誰とでも仲良くなれる
ただ一つ悪い癖が・・・
「坂本君、島田君、どうしたんですか?」
姫路さんがトテトテとこちらに向かってくる
・・・瞬間、英雄君の目が輝く
はぁ・・・またか・・・
「美しいお嬢さん。俺と一緒に結婚を前提に子作りしませんか?」
「え?ええええっ!?」
「必要な階段を飛越えやがった!?」
英雄君が姫路さんの手を取り、爆弾発言をし、雄二君がツッコんだ
この女好きの性格さえなければモテると思うんだけどなぁ・・・
「あ、あの、ご、ごめんなさい!」
こんなふざけた告白なのに丁寧に断る姫路さん
律儀な子だ・・・
「おおぅ、振られてもうた・・・海人~慰めておくれ~」
「あはは、少しは自重しなよ」
「無理!」
「即答!?」
「可愛い子と付き合いたい、これは男として当然の考えや!」
「まぁそれはわかるけど・・・」
「・・・変わった奴だな・・・」
隣にいた雄二君が呆れたように呟く
「ちなみにな~坂本君」
「ん?」
英雄君は雄二君の頬に手を当て・・・
「俺、男でもイケるクチやねん」
(ズザザザザっ!)←顔を真っ青にして後退りする雄二君
「冗談や、まぁ海人みたいな可愛い子ならありかも・・・」(チラっ)
「ゆ、雄二君!姫路さん!僕、先に行ってるね!」
「ま、待て!俺をこんな変態の元に置いていくな!」
「ま、待ってください!」
逃げ出した僕に雄二君と姫路さんも慌ててついてくる
「いや~海人はやっぱりからかいがいがあるな~」
背後から英雄君の声が聞こえた気がするが振り向くことなく屋上に向かって走り去った
そして屋上に到着
「あっ、やっと来た・・・って、なんで息を切らせてるのよ」
「き、気にしないで・・・」
「あ、ああ、世の中には知らなくていいことがたくさんあるんだ」
「ぜぇ・・・ぜぇ・・・」
僕達は息を切らせて屋上に到着
姫路さんに至っては走り疲れて死にそうになっている
「と、とにかく作戦会議だ。海人、開戦は午後一時だったな」
「うん」
「それじゃ、お昼にしよう。はい、美波、海人」
「あっ、うん」
「ありがとう」
アキ兄さんからお弁当を受け取る僕と姉さん
「む?なぜ明久が二人の分の弁当を持ってきておるのじゃ?」
「美波と交代で作ることになっていて、今日は僕の番なんだよ」
「アキの料理って凄く美味しいのよね・・・ウチも負けてられないわ!」
「あはは、姉さんの料理も美味しいよ」
「ふふ、ありがと♪」
「僕は作ってもらってばかりで申し訳ないけど・・・」
「まぁ海人は野球部の練習があるし、仕方ないよ」
「そうそう。二人分も三人分も同じようなもんだし、気にしなくていいわよ」
二人とも優しいなぁ
そんなことを考えながら弁当の蓋を開けた
「おっ、確かに美味そうだな」
「よかったら少し食べてみる?いいよね?アキ兄さん」
アキ兄さんが頷いたのを見てみんながおかずを一口ずつ食べた
「おっ!こりゃ美味いな!」
「美味しいのじゃ」
「・・・美味」
「美味しい・・・なんか自信無くしちゃいます・・・」
「くっ、また腕を上げたわね・・・ウチも負けてられないわ!」
みんながそれぞれ感想を述べる
「あ、あの!明日、私のお弁当の味見をしてもらえませんか?」
「味見?」
「はい!私、もっと料理が上手になりたいんです!あっ、みなさんもぜひ」
「俺達もいいのか?」
「・・・楽しみ」
「なんか悪いのう」
姫路さんの料理か・・・ちょっと楽しみだな♪
・・・でも・・・なんだか嫌な予感がするのはなんでだろう・・・?
「そういえばなんでDクラスなの?目標はAクラスなんでしょ?」
「お前な・・・今の状況でAクラスに勝てるわけないだろ?」
アキ兄さんが尋ね、雄二君が呆れたような表情を浮かべる
「でも海人も姫路さんも美波もいるし、僕だってそれなりに・・・」
「じゃあお前ら四人、学年末試験の順位を言ってみろ」
「3位です」←姫路さん
「18位だったかな?」←僕
「49位よ」←姉さん
「52位だったかな?雄二は?」←アキ兄さん
「35位だ。これでわかったろ?この中でAクラスの上位陣とまともに戦えるのは姫路と海人ぐらいなもんだ。それに・・・姫路より上にいる二人が曲者なんだ」
姫路さんより上・・・つまり主席と次席の人だね
「一人はAクラス代表、霧島翔子。こいつは見たり聞いたりしたことは決して忘れない。だから今、学年主席の座にいる」
なるほど・・・記憶力がいいんだね
「そしてもっと厄介なのが北条智也。こいつは去年一年間一度も五位以下になっていない」
北条智也君・・・僕と同じ野球部に所属している生徒だよ
「?でもそれなら霧島さんの方が成績は上でしょ?なんで北条君の方が厄介なの?」
「たしかに成績だけならそうだが、一番厄介なのはこいつの指揮能力の高さ、そして『人の才能を見抜く才能だ』こいつは常に最も効率のいい方法をとってくる。正直、頭脳戦じゃあこいつには敵わねえ」
たしかに・・・智也君は野球部の方でも選手兼監督をしており、チームの司令塔だ
作戦も全部智也君が考えている位だ
「元神童の雄二でも勝てないの?」
「ああ、ただでさえ戦力に差があるのにそれを適材適所に配置してくるんだ。普通にやったら勝ち目はねえ。第一、お前と姫路は途中退席と無記名で点数は0点だろうが」
「あ、そっか・・・でも勝ち目がないってことはAクラスは諦めるって事?」
「そんなことはない。Aクラスを倒す」
「さっきと言ってることが違うじゃないか!」
「俺は『普通にやったら』勝てないと言ったんだ。作戦はある。それよりもまずはDクラスを倒すぞ。いいか、俺達は最強だ」
どうやら雄二君には作戦があるらしい
でも・・・もし僕達が勝ったらAクラスの人達は・・・
「?どうしたのよ海人?浮かない顔して・・・」
「あ、いや」
「ま、お前のことだ。『もし僕達が勝ったらAクラスの人達にあの教室を押し付けることに・・・』とか考えてんだろ?」
「う、うん。Aクラスにも身体の弱い人はいるだろうし、もし体調を崩したらって思うと・・・」
「ふふ、海人は優しいわね。さすがウチの弟だわ」
姉さんが微笑みながら僕の頭を撫でる
・・・ちょっと恥ずかしい
「安心しろ、その辺も考えてある。Aクラスの設備は知っているだろう?Aクラスには他にも、設備の修繕などの為に多額の予算が用意されている。俺たちが勝利した後、この予算でFクラスの教室の改善を行えばいい。『設備修繕用の予算』とは言っているが、『他のクラスの設備を直してはいけない』なんて一言も言ってないからな」
なるほど・・・それなら・・・
「それに、お前だって好きな女の子を最低クラスに落とすなんてしたくないだろ」(ヒソヒソ)
「ゆゆゆゆ雄二君!!なななな何言ってんのさ!?」
「ど、どうしたの海人!?顔が真っ赤だよ!?」
「ちょっと坂本!ウチの弟に何吹き込んだのよ!」
「くくっ、大したことじゃねえよ。さ、そろそろ教室に戻るぞ」
そう言って僕達は教室に戻って行った
・・・・・・あれ?そう言えばDクラス戦の作戦は?
英雄「ちょっと待ったや!俺の出番これだけかいな!?」
智也「おい作者、俺の出番はまだか?」
作者「智也はAクラス戦でしっかり出てきますので・・・」
智也「ならいい」
英雄「俺は!?なぁ俺は!?」
作者&智也「「うるさいぞバカ」」
英雄「酷い!」
作者「次回も頑張ります」