バカとテストとウチの弟   作:グラン

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ようやく強化合宿編のメインの部分に到達
最近スランプ故に更新が遅れて申し訳ない
書く内容は決まっているのになぜか筆が進まない

それでは本編へどうぞ


第六十四問 大型モンスター

  SIDE 海人

 

 

「さぁ今日はどうしようか?」

 

 

イベント二日目の午前の部

僕は隣を歩く工藤さんに相談する

 

 

「ん~やっぱりチャンスタイム狙いじゃない?まともに戦っても上位陣に追いつけそうにないし・・・」

 

 

まぁそうなるよね・・・

 

 

「じゃあ安全策を取りつつチャンスタイムになったら上に移動でいいかな?」

 

「うん、それで行こう」

 

 

これが最善策だ!

そう思っていた

しかし・・・

 

 

  ※午前の部終了※

 

 

「・・・失敗したね・・・」

 

「まさか何のイベントも起こらないとはね・・・」

 

 

なんと午前の部は何が起こるでもなくそのまま終了

これは完全に予想外だ

 

 

「でも、どうやらこの展開を予想できなかったのはボク達だけじゃないみたいだよ」

 

 

工藤さんがタブレットPCでランキングを表示させる

ふむ、見たところ他のチームもあまりポイントが伸びていない

どうやら僕達と同じでイベント狙いだったようだ

 

 

「でもまぁこれは本格的にマズイね」

 

「時間ももうないし、どうしようか?」

 

「「う~ん・・・」」

 

 

頭を悩ます僕と工藤さん

 

 

「まぁとりあえずご飯を食べに行こうよ。腹が減っては戦は出来ぬって言うし・・・」

 

「そだね」

 

 

そう言って僕達は食堂に移動

 

 

「あ、海人君」

 

「・・・工藤愛子」

 

「あ、ムッツリーニ君に姫路さん」

 

「珍しい組み合わせだね?もしかして二人がペアなの?」

 

「・・・ああ」

 

 

さて、さりげなく情報を・・・

 

 

「・・・情報収集しても意味がないぞ。俺達は39位だ」

 

「・・・すいません。私が怖がったばっかりに・・・」

 

 

なるほどね。怖がりの姫路さんはモンスターが怖かったのか・・・

なにはともあれ、姫路さんと康太君の勝ちはなさそうだ

 

 

「二人ともご飯まだでしょ?よかったら一緒にどう?」

 

「・・・俺はかまわない」

 

「私もです」

 

「じゃあ行こうか」

 

(よかったね工藤さん。康太君と一緒にランチだよ)

 

(か、海人君!)

 

 

昨日の仕返しに工藤さんをからかう

そして四人で昼食をとった後、僕は工藤さんとこの後の方針について話し合う

 

 

「どうしようか・・・」

 

「このままだと勝ち目はないよね・・・」

 

 

ポイント差があるからまともにやっても勝ち目はない

さてさて、どうしたものか・・・

 

 

(pipipi)

 

 

「「ん?」」

 

 

この音はたしかイベントのお知らせが来た時と同じ音だ

工藤さんがタブレットを操作し、僕も隣から覗き込む

 

 

『大型モンスター出現!!倒せば一気に大逆転の大チャンス!先着一組のこのチャンスを手にするのは誰だ!』

 

 

「先着一組か・・・これは厳しいかなぁ・・・」

 

「待って、海人君、これ・・・」

 

 

工藤さんがタブレットの一部を指差す

 

 

『出現場所はこのフィールドのどこかにある洞窟の中!さぁ、探し出せ!』

 

 

僕と工藤さんは顔を見合わせにやりと笑う

僕達にはその場所に心当たりがあったからだ

そして僕達は昨日見つけたあの場所に移動した

 

 

「見て海人君!やっぱりここで間違いなさそうだよ!」

 

 

工藤さんが洞窟を指差しながらそう言った

たしかに昨日は立ててあった『立ち入り禁止』の看板は無くなっている

でも・・・

 

「・・・」

 

「?どうしたの?海人君?」

 

「なんかおかしくない?なんで僕達以外誰もいないの?」

 

「さぁ?きっとみんな気付いていないだけだよ」

 

 

ホントにそうかな?

『洞窟』って時点で壁沿いのどこかにあることは誰にでもわかる

だったら何組か来ていてもおかしくないんだけど・・・

 

 

「まぁいいじゃん。それより早く入ろうよ。早い者勝ちなんだし、急がないと誰か来ちゃうよ」

 

「そうだね」

 

 

気になる点はいくつかあるけど、気にし過ぎてせっかくのチャンスを逃すのはもったいない

僕と工藤さんは洞窟の中に入って行った

 

 

「ちょっと暗いね」

 

「うん、足元に気をつけてね」

 

 

道がデコボコで少し歩きにくい

そんなことを考えながらしばらく歩いていると広間に到着した

そこは松明が灯されていて明るかった

周りを見渡すが・・・

 

 

「・・・何もいないね」

 

「ここじゃなかったのかな?でもこれだけ大掛かりなものを作っておいて・・・」

 

 

僕がそう言ったその時・・・

ズシンズシンと何かの足音のような音と地響きが聞こえる

 

 

「地面が揺れてる・・・?それにこの音は・・・」

 

「海人君!あそこ!」

 

 

工藤さんが指差したのは上

そこには大きなゴーレムのような召喚獣が立っていた

そしてその召喚獣はそこから飛び降り、僕達の目の前に着地した

それと同時に凄い地響きと土煙が巻き起こる

 

 

「これが大型モンスター」

 

「で、でかい・・・」

 

 

この召喚獣は凄く大きい

僕の身長の三倍以上はある

 

 

「これを倒せばきっとたくさんポイントがもらえるね♪」

 

「そうだね。頑張ろう!」

 

 

そう意気込む僕達

そしてモンスターの点数が表示され・・・

 

 

ブラックゴーレム 総合科目 999999点

 

 

「「・・・は?」」

 

 

何あのでたらめな点数!?

ほぼ100万点!?

僕と工藤さんの点数を合わせてもせいぜい6千~7千

点差にしておよそ150倍

こんなの勝てるわけがない!

混乱する僕達

しかし召喚獣はそんなのお構いなしに攻撃を仕掛けようとする

奴が狙うのは工藤さん

狙いを定め大きな拳を振り上げ・・・・

 

 

「あ・・・れ・・・?」

 

 

そこで僕はある事に気付いた

召喚獣の拳が当たった壁が少し崩れたのだ

そういえば・・・なんでこの召喚獣、足音があるんだ・・・?

・・・まさか!

 

 

「工藤さん!危ない!」

 

「え?きゃ!」

 

 

僕は工藤さんを思いっきり突き飛ばす

そして奴の拳が工藤さんの居た場所に振り下ろされ・・・大穴が開いた

やっぱり物理干渉能力・・・

工藤さんはそれを見て青ざめている

 

 

「工藤さん!大丈夫!?」

 

「う、うん。助かったよ。ありが・・・痛っ!」

 

 

 

工藤さんは立ち上がろうとして顔を歪ませる

どうやら足を捻ってしまったようだ

心配だけど今はそれどころじゃない

このままじゃ二人とも・・・

 

 

「どうしよう・・・」

 

「そうだ!緊急通信!」

 

 

工藤さんは思い出したようにタブレットPCを取り出す

これは学園長がカスタマイズして緊急時に通信できるようになっているのだ

しかし・・・

 

 

「なんで!?なんで繋がらないの!?」

 

 

工藤さんは必死にボタンを押しているが全く応答がないようだ

もしかして・・・僕がさっき突き飛ばした時に壊れたのか?

・・・こうなったら仕方ない

 

 

「工藤さん!僕が時間を稼ぐからその隙に逃げて!」

 

「だ、ダメだよ!逃げるなら二人で・・・」

 

「そうしたいところだけど、どうやら逃がしてくれそうにないよ。大丈夫、工藤さんが脱出した頃を見計らって僕も逃げるから」

 

「で、でも・・・だったらボクが戦うよ!僕の方が点数も高いし、その方が・・・」

 

「その足じゃあの悪路を走れないでしょ。いいから逃げて。僕は大丈夫だから・・・」

 

「・・・わかったよ。すぐに助けを呼んで来るから!」

 

 

そう言って工藤さんは足を引きづりながら走り出す

それを見た召喚獣が工藤さんに狙いを向ける

 

 

「させるか!」

 

 

奴が工藤さんに攻撃する前に僕は自分の召喚獣で蹴りを決める

すると奴はこっちを向き、工藤さんは逃げることに成功した

 

 

「来いよ化け物。お前の相手は僕だ!」

 




海人がピンチ!
どうなってしまうのか!?

次回も頑張ります

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