バカとテストとウチの弟   作:グラン

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「ようやく私の出番ですわ!!」

by ツインドリルの同性愛者


第四問 宣戦布告

  SIDE 海人

 

 

学年で最も成績のいいAクラスへの宣戦布告

無謀過ぎる提案だ

 

 

『勝てるわけない』

 

『これ以上設備を落とされるのは嫌だ』

 

『姫路さんと付き合いたい』

 

 

最後のは置いておいて・・・どうやら他のみんなも同意見らしい

 

 

「そんなことはない。俺が勝たせてみせる」

 

『できるわけない』

 

『何を根拠に・・・』

 

「根拠?根拠ならあるさ。今からそれを証明してやる」

 

 

周りを見渡しながら雄二君がそう言う

 

 

「おい康太、姫路と島田のスカートを覗いてないで前に来い」

 

「は、はわっ!」

 

「ちょ、ちょっと!」

 

 

慌ててスカートの裾を抑える姉さんと姫路さん

そして・・・

 

 

「美波のスカートを覗くなんて・・・死ぬ覚悟はデキテルネ?」

 

「・・・ご、誤解」(ブンブン)

 

 

黒いオーラを出しながら、土屋君の首を絞めるアキ兄さん

 

 

「あそこで首を締め上げられてるのが土屋康太。あの有名なムッツリーニだ」

 

 

雄二君がそう言うとみんながざわめき始めた

 

 

「姉さん、ムッツリーニって何?」

 

「・・・海人、世の中には知らなくていいことがたくさんあるのよ」

 

「??」

 

 

何なんだろう?

あだ名みたいなものかな?

 

 

「姫路のことは説明する必要はないだろう。皆だってその力は知っているはずだ」

 

「え?わ、私ですか?」

 

「ああ、ウチの主戦力だ。期待している」

 

 

なんたって学年順位一桁だもんね

 

 

「そして島田姉弟だっている」

 

 

ん?僕も?

 

 

「二人ともAクラス並みの実力の持ち主で、姉の方は数学でトップクラス、弟は英語が学年一位だ」

 

「おぉ、彼女は先ほどの・・・」

 

「「「「「女神様!!」」」」」

 

「僕は男だってば!!」

 

 

全くもう・・・

 

 

「演劇部のホープ、木下秀吉だっているし、当然、俺も全力を尽くす」

 

 

周りが『勝てるんじゃないか?』って雰囲気になってきた

士気は最高潮

そして・・・

 

 

「それに吉井明久だっている」

 

 

・・・一気に下がった

 

 

「その反応、どうやら知らないらしいな。なら教えてやる!こいつは観察処分者だ!」

 

『それってバカの代名詞じゃなかったか?』

 

「たしかに・・・な。だが明久は変わった。成績もAクラス下位程度はある。それに観察処分者の召喚獣は物理干渉能力を持っていて教師の雑用をできるようになっている。そのため他のやつより召喚する機会が多く馴れているから召喚獣の細かい操作が可能なんだ。つまり、学年で一番召喚獣の操作が上手いというわけだ」

 

 

雄二君が言い終えると再び勝てるんじゃないかという雰囲気になった

 

 

「では、まずは手始めにDクラスと戦うぞ!全員ペンを持て!出陣だ!」

 

『『『『『『おおっーー!!』』』』』』

 

「よし、誰か、宣戦布告をしてきてくれ!」

 

(しーん)

 

 

辺りが静まり返る

みんな行きたくないのかな?

仕方ないなぁ・・・

 

 

「みんな行きたくないみたいだし、僕が行ってくるよ」

 

 

そう言って僕は教室を出た

 

 

  SIDE OUT

 

  SIDE 雄二

 

 

「お、おい!ちょっと待・・・」

 

 

海人が行っちまったか・・・

なるべく主戦力は隠しておきたかったんだが・・・

 

 

『お、おい、女神様が行ってしまったぞ!』

 

『大丈夫なのか?』

 

『下位勢力の使者って酷い目に合うよな?』

 

『拉致、監禁、拷問、処刑・・・』

 

「か、海人!」

 

 

Fクラスの連中の言葉を聞いて島田が立ち上がる

っていうか誰だ?物騒な事言ったやつは!?

 

 

「・・・雄二。マズイことがわかった」

 

「どうしたムッツリーニ?・・・・・・・なんだと!?明久!島田を止めろ!」

 

「え?」

 

「Dクラスには清水美春がいるらしい」

 

「りょ、了解!美波!行っちゃダメだ!危ないよ!」

 

 

明久が慌てて島田を止める

 

 

「離してアキ!このままじゃ海人が・・・」

 

「・・・仕方ない!」(チュ♪)

 

「ムグッ・・・」(パタッ)

 

 

明久が島田を抱き寄せてキスをすると、島田は顔を真っ赤にし、気絶した

相変わらず初心な奴だ

前と比べてだいぶマシになってきたが不意打ちだとこうなる

 

 

「ナイスだ明久」

 

「清水さんに会わせると美波が暴力事件を起こしかねないからね」

 

 

今の会話でわかるように島田は清水の事を嫌っている

なんでも、清水が海人を蹴り飛ばしたのが原因らしい

理由は・・・あの同性愛者の事だ、島田に近づく男を排除するとかそういうことだろう

 

 

「海人は大丈夫かな?」

 

「多分大丈夫だろう。海人に手を出すとファンクラブの連中が黙っていないからな」

 

 

海人は美形の上に成績優秀、運動神経も良い

おまけに野球部のエースということもあって人気が高い

ファンクラブ(非公認)もできている位だ

Dクラスの連中もうかつに手出しはできないだろう

さて、作戦を考えねぇとな

 

 

  SIDE OUT

 

  SIDE 海人

 

 

ここがDクラスか・・・

緊張するなぁ

 

 

「失礼しまーす」

 

「あ、あなたは島田海人!」

 

「あっ、清水さん。こんにちは」

 

「こ、こんにちはですわ」

 

 

なぜかビクビクしながら僕に挨拶を返す清水さん

どうしたんだろう?

 

 

「Dクラス代表はいますか?」

 

「代表は俺だけど、何か用か?」

 

 

近くにいた男子生徒が反応する

 

 

「えっと、我々FクラスはDクラスに宣戦布告します」

 

 

Dクラスの人達がきょとんとしている

あれ?何か間違えたかな?

 

 

『ふざけんな!』

 

『最低クラスの分際で舐めやがって!』

 

『やっちまえ!』

 

「え?わわっ!」

 

 

数名の生徒が僕に向かって襲いかかって・・・

 

 

「お待ちなさい!この方に手を出してはいけませんわ!」

 

「清水さん、どういうことだい?」

 

 

清水さんが僕を庇うように立ちはだかり両手を広げた

その様子を見たDクラス代表が問いかける

 

 

「代表、この方は『あの』島田海人ですわ!」

 

『な、なんだと!』

 

『あの野球部のエースの・・・』

 

『手を出せば絶壁少女が襲いかかってくるという都市伝説が・・・』

 

『ファンクラブの連中を敵に回すことになるぞ』

 

 

Dクラスの生徒がヒソヒソと話しあっている

 

 

「し、失礼した。開戦は午後一時からでいいかな?」

 

「あ、うん。それじゃあよろしくね」

 

 

そう言って僕はDクラスを後にした

危ないところだったなぁ・・・

清水さんに感謝しなくちゃ・・・

そんなことを考えながら僕は教室に戻った

すると・・・

 

 

「?姉さんはどうしたの?」

 

 

姉さんが何故か顔を真っ赤にして気絶していた

 





次回も頑張ります

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