バカとテストとウチの弟   作:グラン

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犯人は・・・白いパンツの女だ!by明久




↑前書きに書くことが思いつかなかったww


第五十六問 海人の行方は・・・

  SIDE 明久

 

 

翌日、僕達はスケジュール通り自習をしているのだが・・・

 

 

「・・・海人、戻って来ないね・・・」

 

「島田も来ないのじゃ・・・」

 

「昨日あんなことがあったからな・・・顔を出しにくいんだろ」

 

 

二人の姿が見えない事により重い空気が流れる

 

 

「みなさん、おはようございます・・・ふぁ・・・」

 

「あ、姫路さんおはよう。随分眠そうだね?」

 

「えっと・・・美波ちゃんの夜泣きが酷くて・・・」

 

「・・・ごめん。姫路さんにまで迷惑かけちゃったね」

 

「い、いえ!気にしないでください!それより海人君は・・・?」

 

 

姫路さんの問いかけに僕は首を振る

 

 

「そうですか・・・あ、あの、吉井君、美波ちゃんは凄く反省してるので・・・その・・・」

 

「大丈夫。もう怒ってないから」

 

 

僕がそう言うと姫路さんはホッと安堵の溜息を漏らす

友達想いの優しい子だ

 

 

「それで美波は?」

 

「えっと・・・保健室で休んでます」

 

「そう・・・」

 

 

多分、海人と顔を会わせにくいんだろう

あとで様子を見に行こう

 

 

「問題は海人だね。ホント、どこに行ったんだろう?っていうか昨日はどこで寝たんだろう?まさか野宿・・・」

 

「それなら問題ない」

 

「あっ、北条君」

 

 

僕の呟きにいつの間にか後ろに来ていた北条君が答える

 

 

「問題ないってのはどういうことだ?」

 

「俺の部屋は人数の都合上5人部屋に4人しかいなかったんだ。布団も余りがあったからこっちで寝泊まりさせたよ」

 

(・・・北条君と同室・・・羨ましいですぅ~・・・)

 

 

そっか・・・じゃあ風邪をひく心配はないな

まずは一安心

 

 

「それから、お前らに用があるって奴を連れてきた」

 

「失礼しますわ」

 

「き、君は清水さん!?」

 

 

北条君の後ろから清水さんが現れた

なんだろう・・・?

またなにか言いがかりを・・・

 

 

「・・・昨日は申し訳ありませんでした」

 

 

・・・と、思ったら急に頭を下げて謝ってきた

 

 

「美春が煽るような言い方をしたばっかりにお姉さまとお兄様を仲違いさせてしまいました」

 

「その言い方だともう俺達の事を疑ってないと言ってるように聞こえるが?」

 

「・・・どうやらあなた方にあのカメラを仕掛けるのは不可能のようなのですわ」

 

「?なんで?僕が言うのもなんだけど、ムッツリーニなら出来そうだけど・・・」

 

「うーん・・・腕とか技術とかそういうの以前の問題なんだよね~」

 

 

と、そこに話に割り込んでくる二人の少女

一人は霧島さん、もう一人は・・・工藤さん・・・だったっけ?

 

 

「ボク達は早く到着して、色々歩き回ってたんだけど、女子風呂には鍵がかかってたんだよ。通常の鍵とチェーンと南京錠の二つほどね。で、さっき先生に確認したんだけど、開錠したのは高橋先生で、開けた時間は最初の入浴者が入る直前。つまり、ムッツリーニ君達がカメラを仕掛ける時間はないってわけ」

 

「ピッキングの可能性は?」

 

「ん~ないとは言い切れないけど・・・それでもボクはムッツリーニ君が犯人じゃないことは確信してるよ」

 

「・・・根拠は?」

 

「押収された小型カメラ。用意したのは素人だよ。湯煙が多い脱衣所に仕掛けるのに曇り止めの類は何もしていない。電池はほとんど空っぽ。おまけにテープを入れ忘れてる」

 

「なるほどな・・・カメラに詳しいムッツリーニがこんなミスをするわけがないってことだな」

 

「そういうこと」

 

「っていうか翔子、お前は風呂場が施錠されてるって知ってたのに俺らを疑ったのか?」

 

「・・・頭に血が昇ってうっかりしてた。ごめんなさい」

 

「あ、いや・・・責めるつもりじゃないんだ・・・」

 

 

霧島さんに素直に謝られ、雄二は戸惑っている

 

 

(ね?素直に謝ったら許してくれたでしょ?)

 

(・・・)(こくっ)

 

 

なるほど・・・工藤さんの差し金か・・・

 

 

「一体誰が犯人なんでしょう?」

 

「今の理由だと男子生徒に犯行は無理だよね」

 

「あれ?それだと犯人は女子ってことになるよ?女子が女子の更衣室を盗撮なんて・・・」

 

「「「「「・・・」」」」」(ちらっ)

 

「だから美春ではありませんわ!!」

 

 

工藤さんの言葉に全員が清水さんの方を見た

 

 

「清水が犯人という証拠はない・・・が、犯人じゃない証拠もない。それは工藤、姫路、代表にも言えることだ。結局手がかりが少なすぎるな」

 

「ふっ、北条君、実は犯人の特徴は掴んでいるんだ」

 

「なに?」

 

「犯人は・・・白いパンツの女だ!!」

 

 

 

   ☆しばらくお待ちください☆

 

 

 

「まったくお前らは・・・そんなことばかりするから疑われるんだろうが!」

 

 

北条君に事情を説明した結果お説教され、僕と実行犯(ムッツリーニ)の頭上にはトリプルアイスクリームが出来上がっている

 

 

「大体、そいつが犯人だとして、それは何日前の情報だ?毎日同じ下着を履いているわけでもあるまいし・・・」

 

 

・・・言われてみればたしかにそうだ・・・

くっ・・・それじゃあこの情報はもう役に立たないじゃないか!

 

 

「しかし島田に好意を寄せる女子ねぇ・・・まぁこっちでも調べておく。他にも気づいたことがあったら教えてくれ」

 

「うん。ありがとう。あ、海人はどこに行ったか知らない?」

 

「木下が勉強を教えてたぞ。なんでも、古典を教わる約束をしてたらしくてな(第二十四問参照)まぁまだ顔を会わせにくいだろうし、そっとしておいてやれ。それより、島田の様子を見に行って来たらどうだ?そろそろ昼休憩の時間だしな」

 

 

北条君がそう言うと同時にお昼のチャイムが鳴った

 

 

「そうだね。ちょっと行ってくるよ」

 

 

僕は勉強道具をしまい保健室に向かった

 

 

 

 

 

 

「えっと・・・あ、ここか」

 

 

保健室に到着

そしてドアを開ける

 

 

「失礼します」

 

 

・・・誰もいない?

周りを見渡すとベッドが二つ

一つはカーテンが閉まっている

ここかな?

 

 

「美波?」

 

 

カーテンを開けるとそこには美波が眠っていた

顔を見ると目の周りが赤く腫れていた

そういえば姫路さんが夜泣きが酷かったって言っていたな・・・

それじゃあまり寝ていないはずだし、起こすのも可哀想だな

でも、早く海人と仲直りしてほしいし・・・

仕方ない、メモを残しておこう

えっと・・・うん、これでよし!

ホント、携帯が無いって不便だなぁ

そんなことを考えつつ、僕は美波を起こさないように保健室を後にした

 

 

  SIDE OUT

 

  SIDE 海人

 

 

今は休憩時間

僕は保健室・・・の、近くで隠れていた

 

 

『あ、吉井君。美波ちゃんは?』

 

『寝てたから起こすのも可哀想だし、メモを置いてきた』

 

『そうですか・・・』

 

 

そんな会話をしながらアキ兄さんと姫路さんは去って行った

そっか、姉さんは今、寝てるのか・・・

・・・ちょっとだけ様子を見に行こうかな?

べ、別に心配なんてしてないんだからね!

 

そして僕は周りに誰もいないことを確認してから保健室に入る

カーテンが閉められたベッド・・・ここかな?

カーテンを開けて見ると案の定、姉さんが眠っていた

目の周りは赤く腫れている

きっと泣いていたんだろう

・・・ちょっと言い過ぎたかな・・・

いや!このまま放っておけばエスカレートする一方だ!

いい加減ガツンと言わないと・・・

でもやっぱり可哀想かも・・・

いやいや・・・

 

 

※絶賛葛藤中※

 

 

「う、ん・・・」

 

「!!」

 

 

姉さんが起きる!

僕は顔を会わせにくいので慌てて保健室を出た

 




やっぱりお姉ちゃん大好きな海人君でした

次回も頑張ります

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