バカとテストとウチの弟   作:グラン

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常夏の目的が明らかになります
さて、はたして彼らは敵か味方か・・・



PS 

モンハン4発売により更新が遅くなるかも・・・
まぁ最低でも週一で更新しますけど・・・

それでは本編へどうぞ


第四十一問 常夏コンビの目的

  SIDE 明久

 

 

「「「「試獣召喚」」」」

 

 

四人共召喚し、召喚獣が現れた

さて、点数は・・・

 

 

☆日本史☆

 

2-F 吉井明久 305点

   &

2-F 坂本雄二 326点

   VS

3-A 夏川俊平 297点

   &

3-A 常村勇作 309点

 

 

点数はほぼ互角・・・

とはいえ正直厳しい

この中で召喚獣の操作に一番慣れていないのは雄二だ

相手は三年生だから、僕達より一年間長く召喚獣を使っている

おまけに相手の装備は剣、雄二の装備はメリケンサック

リーチが違い過ぎる

でも・・・それがどうした?

諦める?ありえないね。僕達が勝たなきゃみんな悲しむんだ

だから・・・勝ってみせる!

 

 

「雄二!」

 

「おう!オラッ!」

 

 

雄二は点数の低い夏川先輩の召喚獣に体当たりした

 

 

「夏川!」

 

「おっと、行かせませんよ。あなたの相手は僕です」

 

 

そして僕は常村先輩の前に立ちはだかる

 

 

「てめぇ・・・一対一で俺に勝てると思ってるのか?」

 

「勝ちますよ。僕は・・・負けられないんだ!」

 

 

そして剣と木刀がぶつかり合う

点数も操作技術も互角なので一進一退の攻防が続く

ただ・・・僕は観察処分者だ

フィードバックの痛みがじわじわと僕を襲う

痛い・・・苦しい・・・頭がくらくらする・・・

もう・・・だm・・・

 

 

「アキ!!」

 

 

観客席から聞きなれた声がする

この声は・・・美波?

 

 

「頑張ってアキ!負けないで!」

 

 

そうだよ・・・ついさっき諦めない、負けられないって言ったばっかりなのに何諦めてんだ僕は!

目は覚めた。頭も冴えている

後はタイミングを見て『あの作戦』を・・・

今だ!

 

 

「うおおおおおおお!!」

 

 

僕は木刀を構えて突撃した

 

 

「やけくそか?そんな攻撃当たるかよ!」

 

 

僕の攻撃を常村先輩が避けた

・・・計算通りだ!

 

 

「「な、何!?」」

 

 

僕の攻撃は・・・『夏川先輩』に当たった

そして常村先輩は『雄二』の攻撃によって吹っ飛んだ

二人はそれぞれ自分の相手しか見えてなかったようだが、彼らはちょうど背中合わせの状態になっており、それを僕と雄二が挟む形になっていたのだ

そして僕と雄二はそれぞれ自分の対戦相手に攻撃を仕掛けるフリをして互いの対戦相手を背後から攻撃したのだ

ずっと四人が一直線になるように狙ってたんだよね

 

 

「くそっ!まだだ!まだ終わってねえぞ!」

 

 

常村先輩は戦死したが、夏川先輩はまだ点数が残っていた

 

 

「俺は負けられねえ!負けられねえんだよ!!」

 

 

そう叫びながら夏川先輩は突っ込んできた

その必死な様子を見て、どうやら彼は何かを背負っているのだとわかる

・・・でも・・・

 

 

「・・・あなたが何を背負っているかはわかりません。でも・・・僕達も負けるわけにはいかないんです。ごめんなさい」

 

 

そう呟いてカウンターを決めて勝敗は決した

 

 

『勝者、吉井、坂本ペア!』

 

「ちくしょう!くそ・・・くそぉぉぉ!」

 

 

地面に拳を打ちつけて悔しがる夏川先輩

この人は・・・一体何を背負って戦っているんだ?

わからない・・・わからないけど・・・

僕は退場した二人を追った

 

 

「お、おい明久!」

 

 

雄二も後ろからついてくる

 

 

「待ってください!」

 

「・・・んだよ?まだなんか用かよ?」

 

 

不機嫌そうに返してくる先輩

でも、これだけは言わないと気が済まない

 

 

「・・・お二人が何かの目的で戦っていることはわかりました。でも美波や木下さんを誘拐したり海人をボコボコにして腕を折ろうとしたのはいくらなんでもやり過ぎだ!」

 

「な!?ちょ、ちょっと待て!」

 

「お前、今、なんて言った!?」

 

「え?えっと・・・美波や木下さんを・・・」

 

「そこじゃねえ!島田をボコボコにした?腕を折ろうとした?なんだよそれ・・・そんな話聞いてねえぞ!」

 

 

慌てふためく二人

・・・嘘をついているようには見えない

でも、どういうことだろう?

 

 

「やっぱりそういうことでしたか・・・」

 

「北条!なんでここに?」

 

「それよりも北条君、やっぱりってどういうこと?」

 

「先輩方が教頭に協力する動機についてずっと考えていたんだ。進学の推薦は二人ともすでに取っているから違う。ならば金か?しかしお二人が金に困っているなんて聞いたことが無い。そこで俺はある仮説に辿り着いた」

 

「仮説だと?」

 

「ああ・・・二人が教頭に騙されているという仮説だ」

 

「「なっ!?」」

 

 

北条君の言葉に二人が驚きの声をあげる

 

 

「バカな!俺達は確かに学園長室を盗聴した録音テープを聞いたぞ!?退学処分を言い渡す学園長の声と、泣き出しそうな声で返事をする島田の声を・・・だから俺達は・・・」

 

「・・・教頭に『学園長を追い出し、自分が新たな学園長となる。そしたら海人の退学処分を白紙に戻してやるから協力しろ』ってところですか?」

 

 

無言で頷く二人

 

 

「やはりそうでしたか・・・ですが残念ながら教頭は自分が学園長になっても海人の退学処分を撤回する気はないでしょう。島田美波と木下優子を誘拐し、海人に暴行を加えた連中から土屋が聞き出した情報によると、やはり黒幕は教頭、依頼内容は『召喚大会に参加している吉井、坂本、島田姉弟の始末、一人につき10万出す』と言ったそうです。そう、海人も始末しろと言っているんです。つまり教頭は海人を救う気なんてこれっぽっちもなかったわけです」

 

「そ、そんな・・・」

 

「それじゃあ俺らは何のために・・・」

 

 

がっくりとうなだれる先輩たち

えっと・・・ここまでの話をまとめると先輩たちは海人を守るために動いてたって事?

あれ?でも・・・

 

 

「ちょっと待って!先輩たちは海人の事を恨んでるはずじゃ・・・」

 

「「「はぁ?」」」

 

 

先輩たちどころか北条君まで疑問符を浮かべている

 

 

「なんで俺らが島田を恨むんだよ?」

 

「だ、だって海人がエースになって、夏川先輩はエースの座を降ろされたって・・・」

 

「おいおい、降ろされたもなにも、夏川は自分からエースの座を島田に譲ったんだぜ?」

 

「へ?」

 

「お、おい常村」

 

「別に隠すことじゃねえだろ?実力はどう見ても島田の方が上。でも、顧問の先生は上級生だからという理由で夏川をエースに、島田を補欠にしようとしていたんだ。それを聞いた夏川は顧問の元に行って『島田には才能がある。エースとして登板させて経験を積ませるべきだ』と言って自らエースの座を降りたんだ。全く・・・お前がちゃんと『エースはお前しかいない!』って言わないからだぞ?」

 

「んな恥ずかしい事言えるか!!」

 

 

夏川先輩は顔を真っ赤にして叫ぶ

ってことは、二人が海人の事を恨んでるって言うのは全部勘違い?

 

 

「そ、そんなことより!お前らが大会に必死ってことは何か島田を救うための策があるって事だよな?」

 

「ああ。と言うより、海人の退学処分の通達は俺と明久を召喚大会に出場させるための口実だったんだ。もう海人の退学処分は撤回されたよ。あとは俺達が優勝して教頭を追い出せば万事解決だ」

 

「それ、あの不良たちの証言じゃダメかな?」

 

「難しいだろうな。シラを切られたら終わりだ。警察に突き出したところで、学園の教頭の証言と素行の悪い不良の証言、どちらを信用するかなんて目に見えている」

 

 

それもそうか・・・

 

 

「そっちは任せてくれ、俺達にアテがある」

 

 

夏川先輩がそう言った

っと、そうだ

 

 

「あの、先輩方、さっきは事情も知らず失礼な事言ってすいませんでした!」

 

 

僕は二人に頭を下げた

 

 

「気にするな、理由はどうあれお前らのクラスの出し物の邪魔をしたんだ。謝られても困る」

 

「でもそれは海人の為・・・」

 

「だったら一つ命令だ。・・・勝てよ」

 

「は、はい!もちろんです!」

 

「じゃあな、こっちはこっちでやることができたからもう行くぜ」

 

 

そう言って先輩たちは歩き始めた・・・

 

 

「ちょっと待った先輩方、一つ聞かせてくれ。なんで海人の為にそこまでするんだ?学園長に刃向ってんだ。下手すりゃ退学になる。なのに何故・・・」

 

 

が、雄二が引き留めそう尋ねた

すると先輩方は・・・

 

 

「「先輩が後輩を守るのに理由なんているかよ」」

 

 

そう言って歩き去って行った

あの二人・・・いい人達だったんだなぁ・・・

 

 

「っと、雄二、霧島さん達の試合が始まるよ。応援に行こう」

 

「翔子達なら問題ないと思うが・・・まぁ念のため見ておくか」

 

 

まぁ確かに霧島さん達が負けるとは思えないな・・・

でも・・・何でだろう?

何だか嫌な予感がする・・・

 

 

  SIDE OUT

 

  SIDE 智也

 

 

吉井と坂本が会場に向かって歩いて行った

さて・・・

 

 

「土屋、そこにいるな?」

 

「・・・ああ」

 

 

柱の陰から土屋が現れた

 

 

「例の件はどうだ?」

 

「・・・順調だ、問題ない、任せておけ」

 

「頼むぞ」

 

 

竹原教頭・・・お前は俺の仲間に手を出したんだ

ただで済むと思うなよ

 




常夏は味方でした
ちょっとカッコよく書きすぎたかな?
さて、北条は竹原に何をするつもりなんでしょうね~

次回も頑張ります

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