この事件の真相は一体・・・
まぁ気付いた人も何人かいるでしょうけどね
それでは本編へどうぞ
SIDE 海人
僕達は隣の部屋に移動(秀吉君の縄は解いた)
そこでしばらく待っているとドアが開いた
そして入ってきたのは・・・
「「「「「学園長!?」」」」」
アキ兄さんと雄二君と英雄君、それに学園長だった
「さぁ諸悪の根源!海人に謝るんや!」
「英雄、少し黙れ」
「話は聞かせてもらったよ・・・巻き込んでしまってすまなかったね」
そう言って学園長は僕達に頭を下げた
なんで僕達に頭を下げるんだろう?
巻き込む?何の話?
「さて、説明してもらうぞ」
「ああ・・・とは言っても、北条と坂本は大体わかっているんじゃないかい?」
「ええ、まずおかしいと思ったのは海人の退学処分についてです」
「暴力事件を起こしたから退学・・・それのどこがおかしいの?」
「ここは試験校で問題が流出するとマスコミに叩かれ、最悪の場合、廃校になりかねないんだぞ?なのにわざわざ事件が外に漏れる可能性が高い方法を選んでいる。罰を与えるなら、停学や観察処分者に任命でいいはずだ。そして決め手はこれだ」
そう言って、智也君は一冊のスポーツ雑誌を取り出す
「吉井、そこの折り目がつけてあるところ読んでみろ」
「えっと・・・『文月学園の守護神、島田海人に直撃インタビュー』・・・凄いじゃないか海人!」
そういえばなんか記者の人が来て色々聞かれたような・・・
「なるほど・・・そりゃたしかにおかしいな」
「へ?なんで?」
「考えてみろバカ久、海人は雑誌の取材まで受けた有名人だぞ?その海人が退学処分になりましたなんて言えると思うか?」
「そうだ、そして次に俺と英雄に学園長が海人の退学を言いに来たことだ。こういうことは普通、顧問を通して言うものだ。にもかかわらずわざわざグラウンドまで足を延ばして言いに来た」
「『島田海人は退学だから、新しい投手を決めておくんだよ』・・・とか言っとったなぁ」
「最後に坂本と吉井にチケットの回収を依頼したことだ。二人とも成績は低くはないが、頼むならAクラスの俺や木下(姉)に頼めばいい」
「確かに、そっちの方が確実ですし、海人君の退学を撤回するって言えば引き受けますよね」
言われてみれば色々おかしい所があるな・・・
「ここからは俺の仮説だが、何か理由があって、坂本か吉井を優勝させなければいけなくなった。しかし、二人は大会に出る気はなかった。そこで学園長は海人に目を付けた。海人が退学になると聞けばお前たちは絶対に動くからな。しかしここでも問題が発生した」
「問題?」
「海人が誰にも話さず、一人で抱え込んでしまったことだ。それで焦った学園長は俺と英雄の所に海人の退学を知らせに来た」
えっと・・・
「つまり・・・始めから海人君を退学にする気はなかったってこと?」
「・・・その通りさ。全部北条の言った通りさね。この大会、どうしてもアンタ達・・・正確には吉井に優勝してもらわないといけないのさ」
「?なんで明久なんだ?」
「・・・もう一つの商品である腕輪に不具合があったんだよ。教師に試させて問題なかったから出品したんだが、後で調べてみると一般生徒には使えないことが判明したのさ。一般生徒が腕輪を使用するとサーバーに負荷がかかり過ぎて他の召喚獣にも影響が出て暴走してしまうのさ。しかし観察処分者のサーバーは物理干渉能力を付けることもあって他とは別になっている。だから観察処分者の吉井ならサーバーの負荷に関係なく使用できるのさ」
なるほど・・・それでアキ兄さんに・・・
「・・ざけ・・な」
「?アキ兄さん?」
「ふざけるなこのクソババア!!」
アキ兄さんが急に叫び、僕達はみんな驚いている
「退学って言われて海人がどれだけ苦しんだと思ってるんだ!誰にも相談できずに一人で抱え込んで・・・しかもその理由がてめえのミスの尻拭いだと!?ふざけるなよ!人を駒扱いしやがって!生徒を大事にしねえ奴に教師を名乗る資格はねぇ!!」
「もはや言葉は不要よ!殺るわよアキ!」
「せや!妖怪退治や!」
「あ、アキ兄さん!姉さんも英雄君も落ち着いて!」
学園長に殴りかかりそうになっている三人を僕は必死に止める
「三人とも落ち着け、ここでババア長を殴っても何も変わらん」
「だって・・・可哀想じゃないか・・・僕達はともかく美波は大勢の前で恥ずかしい思いをして、海人なんて腕を折られそうになって危うく大好きな野球ができなくなるところだったんだよ?」
「そうかい・・・あいつらはそこまで手段を選ばなかったのかい・・・本当にすまなかったね」
そう言って学園長は再び頭を下げた
「学園長、あいつらと言うのはやはり・・・」
「ああ、おそらく竹原だよ」
「・・・あいつらを問い詰めたところ、どうやら金で雇われたらしい」
「ムッツリーニ!戻ったのか!」
声のする方を向くと、ドアの傍に康太君が立っていた
「・・・しかも複数の生徒が竹原に加担している可能性が高い」
「・・・Bクラスの世古と緋堂も計画について知っているみたいだった」
「となると根本が絡んでいるのはほぼ間違いないな」
「ちっ!しつこいキノコやな」
「まぁなんにせよ、今日は解散だな。吉井と坂本は明日に備えておいてくれ。それと学園長、二つほど要望があります」
智也君は学園長の方を向いてそう言った
「なんだい?」
「一つは海人の退学処分の撤回です」
「それはもちろんさね。辛い思いをさせてすまなかったね」
「い、いえ!気にしないでください」
「そしてもう一つは・・・こいつを車で送ってもらえませんか?さっきからフラフラしているので・・・」
そう言って智也君は僕の頭をポンと手を乗せる
「その位ならお安い御用さね」
「そ、そんな!僕なら大丈夫です!」
(ツンッ)←智也君が僕の脇腹を突く音
「~っ!!」
「それのどこが大丈夫なんだ?いいから送ってもらえ」
「そうしなよ。他のみんなは僕達が順番に送って行くからさ」
「それに大丈夫だとは思うがあの不良どもが仕返しに来るかも・・・」
「・・・その心配はない。『奴ら』に通報した」
・・・?奴ら?
※一方その頃※
「会長!E班が一丁目の交差点でターゲットを発見しました!」
「でかしたぞ!A、B班は正面から、C班は右方、D班は左方から回り込め!絶対に逃がすな!女の敵は・・・」
「「「「「我らの敵!!」」」」」
街中を疾走する死神の格好をした集団と必死に逃げ回る不良たちの姿が目撃された
※再び海人サイド※
あの後、僕と姉さんと葉月は学園長に車で送ってもらい、家に帰宅した
そして夕食を簡単に済ませ、僕はお風呂に入っている
「うわ・・・あざになってるよ・・・」
僕は脇腹の辺りを擦りながらそう呟いた
父さんと母さんが出張中でよかった・・・
こんな姿を見られたら転校させられちゃうからね
来週には帰ってくるけど、その頃にはだいぶマシになっているだろうし、練習中にボールが当たったって言えば誤魔化せるだろう
(ガラッ)
ん?誰か入ってきた?葉月かな?
そう思いながら振り返ると・・・
「海人♪背中流してあげるわ」
「ななな、何やってんのさ姉さん!!」
・・・姉さんがタオルも巻かずに入ってきていた
つまり全裸だ
「何慌ててるのよ。姉弟なんだから別にいいでしょ」
「と、年頃の女の子がそんなことしちゃダメでしょ!僕なら大丈夫だから出て・・・っ!!」
「ほらほら、そんな状態じゃあ身体が洗えないでしょ?いいからそこに座りなさい。ウチが洗ってあげるから」
こうなったら姉さんは引かない
僕は渋々(なるべく姉さんの方を見ないように)椅子に座った
すると姉さんは僕の背中をゴシゴシと洗い始めた・・・が、途中で急に手が止まった
?どうし・・・
(ギュ)
不意に後ろから手が伸び、僕の首に腕が巻きつく
そして背中に当たる柔らかい感触
これは・・・
「姉さん!何を・・・「グスッ」・・・っ!」
姉さんは・・・泣いていた
後ろから僕を抱きしめる姉さんの手はカタカタと震えている
「・・・怖かった・・・」
姉さんはそう呟く
考えてみれば当然だ
見知らぬ男たちの前で服を脱がされて・・・もしかしたらもっと酷い事をされたかもしれないんだ
「姉さん、もう大丈夫だよ。怖かったよね?何もできなくてごめんね」
僕は姉さんの手を握ってそう囁いた・・・が
「違うの!ウチが怖かったのは・・・海人がまた野球できなくなってあの頃みたいに笑わなくなるんじゃないかって事!もう・・・あんな海人、見たくないから・・・」
姉さん・・・まだあの時の事を・・・
「姉さん、あの時は本当にゴメン。心配掛けたよね?でも、僕は大丈夫。姉さんやアキ兄さん達がいるから、何があっても平気だよ」
僕は姉さんの手を更に強く握ってそう言った
っと、その時・・・
「お姉ちゃんズルイです!葉月もお兄ちゃんと一緒にお風呂に入るです!」
葉月が乱入してきた
「?お姉ちゃん、泣いてるですか?」
「・・・ううん、泡が目に入っただけよ。さて、それじゃあ三人で一緒に入りましょ」
「はいです!」
そしてそのまま僕達は三人でお風呂に入り眠りについた
これは余談だが、翌日、目を覚ますと、僕の両腕には葉月と姉さんが装着されていた
これまでも話の節々に出てきている『あの頃』というフレーズ
海人の過去に一体何が・・・?
まぁそれはいずれ書く過去編にて
さて、明久と美波のお風呂でイチャイチャを期待していた皆様、期待に添えず申し訳ないww
美波「そ、そんなことするわけないでしょ!!・・・でも・・・アキが望むなら・・・」(ゴニョゴニョ)
はいはいご馳走様ww
さて次回は清涼祭二日目に突入!
はたして大会はどうなるのか・・・
次回も頑張ります