バカとテストとウチの弟   作:グラン

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本日もなんとか更新です


第二問 自己紹介

SIDE 海人

 

 

「姉さん・・・」

 

「気にしてないわ」

 

「僕の・・って、早いよ!まだ何にも言ってないのに」

 

「どうせ『僕のせいでFクラスになってごめんね』とか言うつもりだったんでしょ?何度も言うけど、ウチはAクラスに行くことより海人の体調の方が大事なの」

 

「でもアキ兄さんと別のクラスに・・・」

 

「別に一生の別れってわけじゃないんだし、気にしなくていいの。それに、海人一人だけFクラスに行かせたりなんかしたらそれこそウチは一生後悔するわ」

 

「姉さん・・・」

 

「ほら、Fクラスが見えてき・・・」

 

「・・・」

 

「「廃屋?」」

 

 

ハモった

僕達の目の前にはボロボロの山小屋のような部屋が・・・

でも『2-F』って書いたプレートが貼ってあるし、どうやらここがFクラスのようだ

 

 

「・・・ごめん・・」

 

「な、何言ってんのよ!こういう教室も斬新でいいじゃない」

 

 

姉さんは必死に明るく振る舞おうとしている

 

 

「と、とにかく中に入りましょ」

 

「そ、そうだね」

 

 

そして扉を開けた

 

 

「さっさと座れ!この蛆虫野郎!」

 

 

赤い髪の少年にいきなり罵倒された・・・瞬間、姉さんは勢いよくその少年に近づき、アイアンクローを掛けてそのまま片手で持ち上げた

 

 

「坂本、いきなり蛆虫呼ばわりとはいい度胸ね」

 

「ぐああああ!!、ち、違・・・お前じゃなくて・・・」

 

「へぇ、ウチじゃない?じゃあ海人?ウチの可愛い弟を罵倒するなんて・・・アンタ、死ぬ覚悟はデキテルワネ?」

 

「がぁああああ!!、ちが・・・誤解・・・」

 

「まぁまぁ姉さん、落ち着いて」

 

 

  SIDE OUT

 

  SIDE 明久

 

 

ちょっと遅れちゃったな・・・美波はもう来ているかな?

そんなことを考えながら僕は教室(廃屋)のドアを開けた

するとそこには・・・

 

 

「がぁああああ!!、ちが・・・誤解・・・」

 

「まぁまぁ姉さん、落ち着いて」

 

 

雄二にアイアンクローを掛けながら片手で持ち上げている美波の姿

なにこれ?どんな状況?

美波もみんなも僕が入ってきたことに気付いていない

・・・そうだ。先にこっそりと中に入って美波と海人を驚かせよう

そうと決まれば席選びだね

美波は海人の隣に座るだろうから・・・よし、あそこにしよう

僕はこっそりと席について顔を見られないように教科書を見ているフリをして顔を隠した

ふふ、美波の反応が楽しみだなぁ♪

 

 

  SIDE OUT

 

  SIDE 海人

 

 

「むぅ・・・二度目はないからね!」

 

 

なんとか姉さんを宥めることに成功した

 

 

「ふぅ、雄二君、大丈夫?」

 

「あ、ああ、助かった・・・」

 

「で、席は?」

 

「決まってない」

 

 

・・・自由だね

 

 

「じゃあ僕はここ」

 

「ウチは海人の隣にするわ」

 

 

僕は空いている席に座り、姉さんは僕の隣に座っ・・・

・・・んん?目の錯覚かな?

姉さんの逆隣に座っているのは・・・

 

 

「?どうしたのよ海人?ハトが水鉄砲喰らったような顔して?」

 

「それを言うなら豆鉄砲ね。って、そうじゃなくて姉さん後ろ振り返ってみて」

 

 

頭に?を浮かべながら振り向く姉さんするとそこには・・・

 

 

「あっ、やっと気づいた。おはよう、美波」

 

 

姉さんの恋人のである吉井明久が座っていた

 

 

「ア、 アキ!?なんでここに・・・」

 

「なんでって、僕もFクラスだからね」

 

「な、なんで!?今のアンタなら調子が悪くてもBクラス辺りは固いはずじゃ・・・」

 

「美波が休みだって聞いたから全科目無記名で出しちゃった。僕は上位クラスに行くことより美波と一緒にいる方が楽しいからね」

 

「アキ・・・」

 

「美波・・・」

 

 

顔を赤くする二人

・・・二人の世界が出来上がっている

仲の良いカップルですね

 

 

「おーいお前ら、イチャついてないで前を向け、HRが始まるぞ」

 

 

雄二君の声に姉さんとアキ兄さんはハッっとなり顔を真っ赤にして俯いた

前をみるといつの間にか担任と思われる先生が来ていた

 

 

「えー、おはようございます。担任の福原慎です。設備に不備があれば申し出てください」

 

 

不備しかないと思うけど・・・

 

 

「先生、俺の座布団、ほとんど綿が入っていません」

 

「我慢してください」

 

 

・・・聞いておいて変えてくれないんだ・・・

 

 

「僕のでよければ交換しようか?」

 

 

不備を申し出た生徒と座布団を交換した

 

 

「先生、俺の卓袱台の脚が折れてます」

 

「木工用ボンドが支給されてますので自分で直してください」

 

「あっ、僕のでよければ・・・」

 

 

卓袱台も交換した

 

 

「先生、窓が割れていて寒いんですけど・・・」

 

「わかりました。ビニール袋とセロハンテープの申請をしておきます」

 

「席、変わろうか?」

 

「「「「「お人好し過ぎだろ!!」」」」」

 

 

僕の言葉になぜか全員がツッコんだ

どうしたんだろう?

 

 

「アンタ、それでどうやって勉強するのよ・・・」

 

 

今の僕の設備・・・折れた卓袱台と綿のない座布団

 

 

「・・・明日、直すよ」

 

 

座布団は家にあるのを持って来るとして、卓袱台は・・・適当な材木を持ってきて補強しよう

 

 

「それでは、廊下側の人から順に自己紹介をしてください」

 

 

まるで何事もなかったかのように先に進む福原先生

・・・凄いなこの人・・・

 

 

「木下秀吉じゃ、演劇部に所属しておる。よろしく頼むぞい」

 

 

・・・一瞬、木下さんかと思ったけどどうやら違うようだ

そういえば双子の弟がいるとか言ってたような・・・

 

 

「・・・土屋康太」

 

 

・・・え!?終わり!?短っ!!

それから淡々と進んでいき、次は僕の番だ

 

 

「えっと、島田海人です。野球部に所属しています。隣にいる島田美波は僕の双子の姉です。姉共々よろしくお願いします」

 

 

こんなものかな?

 

 

『おぉ、彼女はさっき俺に聖母のような顔でフカフカの座布団を譲ってくれた御方だ』

 

『俺にも脚の折れた卓袱台ときれいな卓袱台を交換してくださった』

 

『『『『『女神様!!』』』』』

 

「僕は男です!!」

 

 

全く・・・なんでみんな僕を女と間違えるんだろう?

それに聖母とか女神って言うのは姉さんのような優しくて綺麗な女性の事を言うのであって・・・

↑シスコン

 

 

「先ほど紹介に上がりました、島田美波です。日本語は会話はできるけど、読み書きは苦手です。あっ、あと弟を苛める人はブチ殺・・・ゲフンゲフン・・・『オハナシ』しますのでそのつもりで・・・」

 

 

今、『ぶち殺す』って言いかけたよね!?

暴力はよくないよ?

 

 

「吉井明久です。気軽に『ダーリン』って呼んでね♪」

 

「「「「「ダァァーーリィーーン!!」」」」」

 

 

ノリのいい人達だなぁ・・・

 

 

「え、えっと・・・ダ、ダーリン」

 

 

姉さんが隣で顔を赤くしながらゴニョゴニョ言ってる・・・

それにしても女の子は姉さんだけか・・・なんか可哀想だな・・・(ガラッ)・・・ん?

 

 

「遅くなってすいません」

 

 

ドアが開いてピンクの髪の女の子が入ってきた

 




最後に入ってきた子は誰でしょうね~ww
次回も頑張ります

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