バカとテストとウチの弟   作:グラン

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小休止を挟んだのに筆が全然進まなかった・・・
毎日投稿は無理っぽいので勝手ながら、奇数日の朝七時に投稿にしようと思います(執筆速度次第ではまた変更があるかも)



追伸
秀吉のカップリングはアンケートの結果、清水美春に決定しました
たくさんの回答、誠にありがとうございました



清涼祭編
第二十五問 何かを隠している


  SIDE 美波

 

 

もうすぐウチの学園の学園祭、清涼祭が行われる

今は出し物を決める話し合いを・・・

 

 

「行くぞ須川君!」

 

「来い吉井!ホームランにしてやる!」

 

 

・・・しているのはウチと海人と瑞希と木下だけで他のメンバーはグラウンドで野球をしていた

全く・・・やる気のかけらも無いみたいね

でもまぁウチもちょっと『ある事』が気になって集中できていない

 

 

「やれやれあやつらは・・・む、須川がヒットを打ったのう」

 

「運動神経がいいんですね」

 

「海人が投げていれば掠りもしないわよ。ね?海人」

 

「・・・」

 

「海人?」

 

「え?あ、ごめん、なんだっけ?」

 

 

・・・これだ・・・

最近ずっと海人の様子がおかしい

授業中も上の空だし、10分に一度位のペースで溜息を吐いている

 

 

「・・・海人、やっぱり何か悩み事を隠してるでしょ?」

 

「な、何も隠してないよ」

 

「本当に?」

 

「ホントホント、あっ、ちょっと僕トイレに行ってくるね」

 

 

そう言って海人は逃げるように教室を出て行った

何も隠していないって言っていたけど・・・嘘だ

生まれたときからの付き合いだもの、嘘をついているかどうかぐらいわかるわよ

海人の事だから多分ウチに心配掛けたくないとかそんな理由だろうけど・・・

お姉ちゃんとしてはちゃんと相談してほしいな・・・

 

 

「海人の奴、元気がないのう」

 

「そうですね。どうしたんでしょうか?」

 

 

瑞希と木下も気付いているようだ

 

 

「まぁそれはウチが家でじっくりと聞きだすとして、今は清涼祭の事を考えましょ」

 

「あ、そのことで美波ちゃんに相談があるんですけど、実は・・・」

 

 

  SIDE OUT

 

  SIDE 明久

 

 

午前が終わり今はお昼休み

え?話を飛ばし過ぎ?じゃあ簡単に説明するよ

 

野球をやってた

鉄人登場

教室に戻り話し合い

決まらなかった

 

 

って感じだね

やる気がない連中の集まりだからね

代表の雄二も興味が無いみたいだし・・・

そういえば雄二はどこに行ったんだろう?

 

 

「ねえアキ」

 

「どうしたの?美波」

 

「どうにかして坂本を引っ張り出せない?」

 

「うーん・・・難しいかな・・・」

 

「そっか・・・」

 

 

美波は困ったような表情を浮かべる

 

 

「どうしたの?何かあった?」

 

「実はね・・・このままだと瑞希が転校することになりそうなの」

 

「姫路さんが!?どうして?」

 

「不衛生な教室、ボロボロの卓袱台、レベルの低いクラスメイト・・・優等生の瑞希にはふさわしいとは言えない環境でしょ?」

 

「つまり、転校の理由は親の仕事の都合とかじゃなくて・・・」

 

「うん。設備の問題ってこと」

 

「わかった。そういうことなら、なんとしてでも雄二を引っ張り出してみせるよ!」

 

「・・・随分と必死なのね?」

 

 

美波は面白くなさそうな表情をしている

これは・・・

 

 

「・・・もしかして嫉妬してる?」

 

「なっ!?べ、別にウチは・・・///」

 

「心配しなくても大丈夫。僕が好きなのは美波だけだから」

 

「・・・うん///」

 

 

顔を真っ赤にして俯く美波

なんだろうこの可愛い生き物は・・・

抱きしめたくなるじゃないか

・・・ちょっと位いいよね?

僕は美波の顔に自分の顔を近づける

すると美波も少し驚いた表情をした後、頬を赤く染め、目を閉じる

そして唇が重なる・・・

 

 

「お、お楽しみのところ悪いんじゃが、そういうのは二人きりの時にしてもらえんかの?」

 

「その・・・目のやり場に困るというか・・・」

 

 

・・・直前で秀吉と姫路さんに止められた

 

 

「ひ、秀吉に姫路さん!?一体いつからそこに!?」

 

「『ねえアキ』の辺りからじゃ」

 

 

・・・つまり最初からか・・・

!!ってことは・・・

 

 

「あの・・・秀吉?もしかして今の僕と美波のやり取りは・・・」

 

「全部見ておったぞい」

 

「仲の良いカップルですね。憧れますぅ~」

 

 

うわあああああ!!

めちゃめちゃ恥ずかしい!!

美波も顔をトマトよりも真っ赤に染めている

 

 

「そ、それより姫路さん!美波が言ってた事は本当なの?」

 

「あ、はい・・・お父さんは『もっと良い学校に行った方がお前の為だ』って言うんです。お父さんの言ってることもわかるんですけど・・・私はやっぱりこの学校が好きです。転校したくありません」

 

「そっか・・・わかった。何とか雄二に動いてもらえるよう頼んでみるよ」

 

「お願いします」

 

 

僕がそう言うと姫路さんは嬉しそうに微笑んだ

・・やっぱり可愛い・・・『アキ?』・・・ゲフンゲフン

とにかく雄二を探そう。そう思ったその時・・・

 

 

「たのもー!!」

 

 

ドアを勢いよく開けた二人組の男子がこっちに向かって来た

野球部の北条君と中島君だ

 

 

「ほ、北条君!」

 

「姫路ちゃん、俺の事は無視かいな・・・寂しいで・・・」

 

「あ、ごめんなさい!そんなつもりじゃ・・・」

 

 

姫路さんに無視された中島君は、ヨヨヨと嘘泣きを始め、姫路さんはオロオロしている

それにしても今の反応・・・姫路さんってもしかして北条君のことが・・・

 

 

「英雄、少し黙れ。話が先に進まんだろうが。坂本はいるか?」

 

「今、僕達も探しに行こうって話になってたところなんだ。伝言ならついでに伝えておくけど?」

 

「・・・その反応・・・どうやら海人の事は聞いてないみたいだな」

 

「あ、アンタ達!何か知ってるの!?教えなさいよ!」

 

「姉ちゃんも聞いてないんかいな?海人の奴な・・・このままじゃ退学処分になりそうなんや」

 

 

中島君がそう言った瞬間、僕達の思考は停止した

 




海人が退学!?
一体どうなってしまうのか・・・

次回も頑張ります

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