白猫にハマって投稿が雑になりつつある今日この頃
この章が本編最終章になるので、最後まで頑張りたいと思います
第百七十四問 逆恨み
「・・・ごめんね。智也お兄ちゃん。急に泣き出したりして」
落ち着いて恥ずかしくなったのか、あやかは顔を赤くしながらそう言った
「今まで気を使わせて悪かったな」
「ううん。・・・そうだ、智也お兄ちゃん。桜お姉ちゃんに会って行かない?」
「桜さんに?」
「うん。桜お姉ちゃんも智也お兄ちゃんに会いたがってたよ」
「そうか・・・そうだな。たまには顔を出さないとな」
「ふふ、桜お姉ちゃんきっと喜ぶよ」
嬉しそうな表情を浮かべ、施設に向かって歩き出す二人
「それでね。桜お姉ちゃんってば『智也君はゴールを決めた?』なんて聞くんだよ」
「・・・あの人は未だにサッカーと野球の区別がついてないのか・・・」
苦笑いを浮かべながら会話を交わす二人
そうこうしているうちに施設の前に到着
(ここに来るのもひさしぶりだな・・・ん?)
智也はポケットの中のケータイが震えていることに気付く
(メール?姫路から?珍しいな。一体何の用・・・)
画面を見て固まる智也
そこには一言だけ・・・『こいつの身柄は預かった』と書かれており
添付された写真には・・・縄でぐるぐる巻きにされた瑞希の姿が映されていた
瑞希はぐったりしており、気絶しているのか眠っているのか・・・それとも死んでいるのかはわからない
頭が真っ白になっている智也
そこに二通目のメールが届いた
今度は地図が添付されており、本文には・・・
『今日中に地図の場所までお前一人で来い。指示に従わなかった場合、警察に連絡した場合には、この女には芹沢さやかと同じ目に合ってもらうことになる』
「お兄ちゃん?どうしたの?」
「・・・いや、何でもない。すまないあやか。急用ができた。桜さんには数日中には必ず顔を見せると伝えてくれ」
「え?ちょ、お兄ちゃん!?」
あやかの言葉を最後まで聞くことなく智也は走り出した
※一方その頃※
「・・ん・・ここは・・・」
(え?私、なんで縛られて・・・)
瑞希は目を覚まし、ぼんやりとした頭を働かせる
(そうだ・・・誰かに背後から口を塞がれて急に眠くなって・・・)
「お目覚めかな?姫路」
「あ、あなたは・・・根本君!!」
根本の姿を確認した瑞希は声を荒げる
「な、なんでこんなことをするんですか!?」
根本に向かって叫ぶ瑞希
しかし内心では何をされるのかと怯えていた
「そう怯えるなよ。まだ何もしねえよ。お前は北条智也をおびきだすための餌だ。その身体を堪能するのは北条をぶっ殺してからだ」
「と、智也君を・・・?」
「ああそうさ!俺は昔からずっと芹沢のことが好きだったんだ!!なのにアイツは俺から芹沢を奪った!許さねえ!俺はアイツが憎くて憎くて仕方がないんだ!!」
「そ、そんなの逆恨みじゃないですか!智也君とさやかちゃんは両想いだったんですよ!!」
「黙れ!」
「あっ!!」
瑞希の頬を張り飛ばす根本
縛られている瑞希は抵抗できず、倒れ込む
「黙って待っていろ。もうすぐ北条がお前を助けにやってくる」
「・・・無駄ですよ」
「あ?」
「私なんか人質にしても智也君は来ません」
(だって・・・智也君はあの子と・・・)
瑞希は数分前の出来事を思いだしながらそう呟く
「来るさ。アイツは絶対に来る」
「もうやめてください。こんなことしても何も変わりません」
「ぐっ・・・」
涙目で訴えかける瑞希に根本は苦しそうに頭を抑える
『キョウ君、もうやめて・・・』
「だ、黙れ!!その目で・・・俺を見るなぁ!!」
恭二は叫びながら再び瑞希の頬を叩く
「北条を殺すまで手を出さないつもりだったが、ヤメだ」
そう言って根本が瑞希の制服のボタンに手を掛ける
「根本!」
「・・・来たか」
が、その瞬間に根本の名を叫ぶ男の声が聞こえた
「と、智也君。なんで・・・き、来ちゃダメです!」
そこには、ここまで走って来たことにより、息を荒げている智也の姿があった
瑞希の元に辿り着いた智也
はたしてどうなるのか?
次回も頑張ります