バカとテストとウチの弟   作:グラン

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第十五問 裏切り・・・?

  SIDE 海人

 

 

「木下さん!どうして・・・「騒がないって約束よ」・・・」

 

 

いつもとは違う冷たい表情のまま僕の方を見下ろす

 

 

「アタシはね、Fクラスみたいに真面目に勉強もしないバカどもがたまたま手に入れた戦力のおかげでいい設備を手に入れるなんて我慢できないの」

 

「き、木下さん?何を・・・」

 

「あらなに?『木下さんがそんなこと言うはずない』とか思ってた?残念だったわね。アタシはこういう女なのよ」

 

「で、でも、去年は言葉がわからなくて困っている僕に優しくしてくれて・・・」

 

「そんなの、優等生を演じるためのただの点数稼ぎに決まってるじゃない。優しい女の子とでも思ってた?馬鹿じゃないの?ホント、アンタの相手をするのって面倒だったわ。これでやっと縁が切れるわね。あーよかった」

 

 

淡々と言い切る木下さん

でもその表情は・・・

 

 

  SIDE OUT

 

  SIDE 優子

 

 

・・・言っちゃった・・・

ごめんね島田君・・・でもこうするしかないの・・・

こうしないとアタシは・・・

 

 

「・・・やっぱり嘘だよ・・・」

 

「何を・・・言ってるの?アタシは嘘なんて・・・「嘘だよ」・・・っ!」

 

「嘘じゃないなら・・・なんで泣いているの?」

 

 

島田君の言葉にハッとなり頬に手を当てる

すると指先は濡れていた

アタシ・・・泣いてたんだ・・・

 

 

「さっきからおかしいと思ったんだ。『勉強しないバカどもが・・・』とか言ってるのにこんな勉強以外の手段を使うはずがない。僕達が勝つのが気に入らないならBクラス戦が終わった後に宣戦布告して制裁を下せばいいんだ」

 

 

島田君はアタシの方を見ながら淡々と述べる

 

 

「そしてこの行動で最も得をするのはBクラス。木下さん、君は・・・根本君達に脅されているんじゃない?」

 

「・・・」

 

何も言えない・・・全部正解だ・・・

昨日の帰りに下駄箱の中に封筒が入っていて、中には『お前の秘密を握っている。バラされたくなければ明日の朝六時に、誰にもバレないように裏門から入ってこい』と書いた手紙と、アタシが本屋でBL本を買っているところを撮った写真が入っていた

アタシは秘密をバラされることを恐れ、指示通りに朝早くに学校に来た

そこにいたのはBクラスの北内君だった

そして彼は・・・『島田海人をおびきだし、このスタンガンを使って気絶させろ』と言ってアタシにスタンガンを渡した

もちろん最初は断った

すると彼は・・・『じゃあバラされてもいいんだね?次の文月新聞が楽しみだね』と言い出した

そしてアタシは彼の指示に従い、彼は気を失った島田君の写真を一枚撮り、その場を去って行った

こんなこといけないってわかってる!でも・・・怖かった!

みんなに軽蔑の視線を向けられることが!

友達がいなくなるかもしれないということが!

でも・・・もうおしまいね・・・

アタシは自分の評判と島田君を天秤にかけて島田君を裏切ったんだ

島田君はもうアタシを友達とは思ってくれないだろう

楽しかった・・・本当に楽しかったのにもう終わりなんだ・・・

 

 

「そっか・・・じゃあ僕はここで大人しくしてるしかないね」

 

 

・・・は?

 

 

「え?ちょ・・・え?」

 

「だってさ、僕が逃げたら木下さんは困るんでしょ?それじゃあ僕は逃げられないよ。Fクラスは僕がいなくたって姉さんやアキ兄さんがいるんだし、大丈夫だよ」

 

 

(pipipi)

 

 

「ん?」

 

 

電話?友香からだ

 

 

「もしもし、友香?どうし・・・は?アタシがCクラスに?行ってないわよ。多分秀吉の仕業ね。ごめんなさいね。今度埋め合わせはするから」

 

 

そう言ってアタシは電話を切った

 

 

「友香って小山さん?もしかして小山さんも・・・?」

 

「ええ、根本に脅されているわ。何をネタにかは知らないけど、そのせいであいつと付き合わされているみたい」

 

「そうなんだ・・・」

 

「・・・ごめんね。関係ないアンタまで巻き込んで・・・」

 

「気にしないで。Fクラスはきっと大丈夫だから」

 

 

この子は・・・なんでこんなに優しいんだろう?

アタシは自分勝手な理由で彼を拉致したっていうのに、それについて文句の一つも出さずにそれどころかアタシの心配をしてくれている

でも・・・本当にこれでいいのかな?

 

 

  SIDE OUT

 

  SIDE 瑞希

 

 

「雄二、やっぱりどこにもいないよ!」

 

「そうか・・・」

 

 

みんなで行方不明の海人君を探し回っていましたが結局見つからなかったようです

 

 

『おい、海人が行方不明だってよ』

 

『マジかよ!試召戦争どころじゃねえだろ!』

 

「(マズイな、士気が落ちかけている)仕方ねえ、姫路、海人のポジションに代りに入ってくれ」

 

「は、はい!」

 

 

海人君のポジションは確か美波ちゃんと前線の指揮ですね

 

 

「お前らよく聞け!もうすぐ戦争が再開される!」

 

『それどころじゃねえだろ!』

 

『女神様がいないんだぞ!』

 

「じゃあお前らは海人の不在を負けた理由にする気か?それであいつがどれだけ心を痛めると思う?」

 

『『『・・・』』』

 

「さっさとBクラスを倒すぞ。そして総動員で海人の捜索だ!」

 

『『『『おおーっ!!』』』』

 

「じゃあ配置につけ!もうすぐ開戦だ!」

 

 

そう言って私たちは昨日中断した状態、Bクラスの教室の前に向かった

 

 

「美波ちゃん、大丈夫です!きっと海人君はすぐに見つかりますよ」

 

「・・・う、うん」

 

 

表情が暗いです

きっと海人君の事が心配なんですね

 

 

『戦争再開!』

 

「「「「「「試獣召喚!!!」」」」」」

 

 

戦争が再開された

 

 

「行きましょう!美波ちゃん!」

 

「・・・瑞希・・・ゴメン!」

 

 

 

 

 

・・・・・・・・え?

 

 

  SIDE OUT

 

  SIDE 明久

 

 

「雄二、勝てるよね?」

 

「ああ、海人の代わりに姫路を前線に置いて士気も回復した。問題ない」

 

 

雄二はそう言うが、僕には何か嫌な予感がしていた

前線に向かう時の美波の表情が暗かった

海人が行方不明なんだから当然なんだけど・・・何かそれだけじゃ無いような気がする

 

 

(ガラッ!)

 

 

「大変だ!姫路さんが戦死した!」

 

「なんだと!?一体誰だ!四天王の北内か!?」

 

「それが・・・・・・姫路さんを倒したのは島田(姉)なんだ」

 

「・・・え?」

 

「島田が・・・Bクラスに寝返った」

 




まさかの美波の裏切り!?

次回も頑張ります

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