バカとテストとウチの弟   作:グラン

169 / 213
「「「「「新年あけましておめでとうございます」」」」」

海人「今年もよろしくお願いします♪」

明久「あれ?海人、その着物は」

海人「お正月だから着てみたんだ。どうかな?」

美波「最高よ」

優子「よく似合ってるわ」

雄二(・・・七五三)

海人「雄二君、何か今、失礼な事考えなかった?」

雄二(フルフル)

海人「まぁいいや。今年も・・・」

「「「「「よろしくお願いします」」」」」


それでは本編へどうぞ


日常
第百六十六問 元神童と優等生の恋愛事情 前編


「・・・これが、俺の知るさやかの事件の全てです」

 

 

智也はさやかの父である教頭に自分の知る全ての情報を伝えていた

この場にいるのは智也と教頭と学園長、そして雄二だ

 

 

「そう・・・か」

 

「すいません。俺があなたにこの事を伝えていれば・・・」

 

「私がさやかの父親だったとは知らなかったんだ。仕方ないさ。それにさやかが私や妻に言わないでほしいと言ったんだ。君が責任を感じることはない」

 

 

娘の事を思いだしたのか少し悲しそうに微笑む教頭

 

 

「・・・あの時はわからなかったけど、今ならアイツが何で死を選んだのかわかる気がします」

 

「・・・根本家か」

 

「はい。根本は資産家。しかも警察には賄賂を渡して悪事をもみ消しているという噂も聞きます。そんな男が息子の悪事を表沙汰にするわけがない」

 

「そうだね、芹沢はもちろん、彼女の両親、それに彼女の恋人のアンタにも危害が及ぶかもしれない」

 

「だからさやかは恋人の存在を知られる前に自らの命を絶った・・・」

 

 

教頭の言葉に静かに頷く智也

 

 

「北条君。一つ聞きたいのだが」

 

「はい」

 

「君は女子からかなり人気があると聞く。なのに恋人を作らないのはさやかの事を気にしているからなのか?」

 

「・・・」

 

 

何も言い返せない智也

 

 

「そうか・・・もし、君がこの先誰かを愛すと言うならさやかの事は気にせず、前に進みなさい。さやかもきっとそれを望んでいるはずだよ」

 

「・・・俺の知ってる事はコレで全部です。失礼します」

 

 

智也は教頭の質問に返事をせずその場を去って行った

そして廊下を歩く智也と雄二

 

 

「北条、なぜあの場に俺を呼んだ?」

 

「・・・理由はわかってるだろ?」

 

「・・・翔子のことか」

 

「ああ、余計なお世話だと言う事はわかっているんだが、代表のお前への愛情表現はさやかによく似ているものでな。放っておけないんだ。それに・・・お前はあの頃の俺に似ているんだ」

 

「・・・」

 

「決めるのはお前だ。後悔しない道を選べ」

 

 

そう言い智也は去って行った

 

自宅に戻った雄二は携帯電話と絶賛格闘中

彼の中では想いは決まっている

だがあと一歩を踏み出せずにいた

 

 

「・・・何て言えばいいんだろうな」

 

 

告白すると決めたもののセリフが思いつかない

 

 

「・・・明日でいいか」

 

 

そう言って携帯を机に置き、眠りについた

この行為が後悔を生むとは知らずに・・・

 

 

  ※翌朝※

 

 

「ふぁぁ・・・眠てぇ・・」

 

 

あくびをしながら登校する雄二

 

 

(そういや翔子の奴、今日はウチに来なかったな。ま、そんな日もあるか)

 

 

そんなことを考えつつ雄二は教室に入る

 

 

「おう、おはようさん」

 

 

雄二がそう言った瞬間、教室内はざわめく

 

 

「あん?なんだ?」

 

「ちょっと雄二!どういうことなのさ!?」

 

「な、なにがだ?」

 

 

いきなり詰め寄ってくる明久に戸惑う雄二

 

 

「・・・坂本君、もしかして知らないんですか?」

 

「翔子が・・・学校辞めるって」

 

「・・・・・・は?」

 

 

それを聞いた雄二はAクラスに向かって走り出す

 

 

「翔子!」

 

「さ、坂本君」

 

「工藤!翔子は!?」

 

「だ、代表なら職員室に・・・」

 

 

雄二は再び走り出した

そして職員室の前にいる彼女の姿を見つけ出す

 

 

「翔子!」

 

「・・・雄二」

 

「久しぶりだね。雄二君」

 

「アンタは翔子の・・・」

 

 

翔子と雄二の間に霧島父が立ちはだかる

 

 

「翔子が学校をやめるってのは・・・」

 

「ああ本当だ。翔子には学校をやめ、私が決めた結婚相手と結婚し、私の跡を継いでもらう」

 

「な!?」

 

 

雄二は翔子が学校をやめるだけでなく結婚すると言われ、ショックを受ける

 

 

「な、なんで・・・」

 

「この話は前々から上がっていたことなのだよ。雄二君、昨日が何の日かわかるかね?」

 

 

そう言って霧島父は職員室前のホワイトボードの日付を指差す

 

 

「昨日?・・・!!」

 

「わかったようだね。そう、昨日は翔子の誕生日だ。そして私と翔子が交わした約束は『次の誕生日まで待つ。それまでに恋人が出来なければ、学校を辞め、私の跡を継いでもらう』とね」

 

 

その言葉に雄二はショックを受ける

そして昨日の事が悔やまれる

 

『・・・明日でいいか』

 

昨日のうちに連絡していれば、翔子は望まぬ結婚をせずにすんだのだ

 

 

「ま、待ってくれ」

 

「雄二君。君と話すことはもう何もない」

 

「・・・雄二」

 

 

翔子は雄二の方をじっと見て涙を流しながら・・・

 

 

「・・・さようなら」

 

 

そう言い放った

 

 

「う、うあぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

雄二はその場に崩れ落ち、叫ぶのだった

 




海人「新年早々重いね・・・」

美波「ちょっとどういうことなのよ!この駄作者!」

優子「代表が可哀想じゃない!」

明久「あれ?雄二は?」

作者「ショックが大きかったらしくて、もう帰っちゃいました」

「「「「お前のせいだ!!」」」」

作者「ぎゃああああああ!!」



次回も頑張ります

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。