バカとテストとウチの弟   作:グラン

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Cクラス代表のあの方が出ます
原作とはキャラが違うかも・・・


第十二問 卑怯者の恋人

  SIDE 海人

 

 

「・・・姉さん、もう大丈夫だよ。ありがとう。迷惑かけてごめん」

 

「気にしないの。姉弟なんだから♪」

 

 

そう言って姉さんは僕の頭をクシャクシャと撫でた

 

 

「ただいま~」

 

 

アキ兄さんが帰って来た

 

 

「おう、聞いたぞ明久、四天王を二人も倒したらしいな」

 

「まぁね。二人とも僕の事を舐めていたからね。二人同時に来られたら危なかったかもだけど・・・」

 

「なんにせよ十分すぎる戦果だ、よくやってくれた」

 

 

雄二君の賞賛の声にアキ兄さんは照れくさそうに頬をかく

 

 

「あ、海人、もう大丈夫?」

 

「うん、だいぶ落ち着いたよ。迷惑かけてごめんなさい」

 

「気にしない気にしない」

 

 

そう言いながらアキ兄さんも僕の頭を撫でる

なんでこの二人はやたらと僕の頭を撫でたがるんだろう?

・・・あっ、姉さんが羨ましそうな目でこっちを見ている

姉さんも撫でてほしいのかな?

 

 

「・・・(トントン)」

 

「ん?どうした?ムッツリーニ」

 

「・・・Cクラスの様子が怪しい」

 

「Cクラスが?・・・なるほど、漁夫の利でも狙おうってのか・・・」

 

 

Cクラスが戦争を起こすなら2ランク上のAクラスを狙うとは思えない

かといって自分たちより下のDクラスやEクラスを狙うメリットはない

となると、狙いはBクラスとFクラス、勝った方を疲弊しているうちに倒すということか

戦争に勝ってもこういうことがあるんだなぁ・・・

 

 

「どうするのさ雄二?」

 

「そうだな・・・協定でも結ぶか、Dクラス使って攻め込ませるぞ、とか言って脅・・・オハナシしてやれば俺達に攻め込む気もなくなるだろ」

 

 

今、脅すって言いかけたよね!?

でも・・・なんだろう?

何か引っかかる。タイミングが良すぎるというか・・・

まるで僕達を誘っているような・・・

 

 

「海人、早く行くわよ」

 

「あっ、うん」

 

 

・・・考え過ぎだよね・・・

こうして僕、姉さん、アキ兄さん、雄二君、康太君、姫路さん、須川君はCクラスに・・・って・・・

 

 

「須川君?いつの間に・・・それに秀吉君は?」

 

「須川はたまたま残っていたから連れてきた。秀吉は顔が割れると明日の作戦に支障をきたす可能性があるから置いてきた」

 

 

そんな会話をしつつCクラスに到着

 

 

「Fクラス代表の坂本雄二だ、Cクラス代表はいるか?」

 

「わ、私だけど・・・」

 

 

一人の女子生徒が少し暗い表情でこっちに・・・あれ?あの人どっかで・・・

 

 

「協定を結びに来た」

 

「協定?」

 

それにこのクラス、やけに人が多い

一クラス50人なのにそれ以上いるような・・・

やっぱりおかしい

 

 

「ああ、不可侵条約を結びに・・・」

 

「雄二君!ちょっとま・・・」

 

「・・・どうする?・・・根本君?」

 

「当然却下。だって必要ないだろ?」

 

 

後ろから声が聞こえる

・・・遅かった・・・

 

 

「酷いじゃないかFクラスの皆さん。試召戦争に関する一切の行為を禁止したよな?」

 

「なっ!根本君!?どうしてこんなところに!?」

 

「先に協定を破ったのはそっちだから・・・これはお互い様だよな!?」

 

 

そう言うと同時に周りの生徒が僕達を取り囲む

 

 

「君だってCクラスにいるじゃないか!先に条約を破ったのは君の方だ!」

 

「俺は個人的に彼女に会いに来ただけだ、試召戦争に関係なく」

 

「ぐっ、だったらこのBクラスの生徒たちは何だ!」

 

「こいつらが個人的にどこにいようが勝手だろ?」

 

「じゃあそこにいる遠藤先生は!?」

 

「わ、私はCクラスの担任で、今日はたまたまCクラスの生徒にわからないところを聞かれていて・・・」

 

「ほらみろ!俺は何一つ条約を破ってないだろ?」

 

 

なるほど・・・準備万端ってわけだ

どう考えても嘘だ。出来すぎている・・・でも証拠が無い

 

 

「遠藤先生!Bクラス芳野が召喚を・・・」

 

「させるか!Fクラス須川が受けて立つ!試獣召喚!」

 

「くっ!全員、今のうちに逃げるぞ!」

 

「で、でも須川君が・・・」

 

「そうだよ!やっぱり僕も・・・」

 

「ダメだ!ここは俺が食い止める!お前も逃げるんだ!」

 

「で、でも・・・」

 

「行くぞ海人!須川の気持ちを無駄にするな!」

 

「・・・わかった・・・気をつけて!」

 

 

そう言って僕達は走り出した

 

 

「・・・ごめんなさい・・・」

 

 

すれ違いざまに小山さんの辛そうな声が聞こえた

 

 

  SIDE OUT

 

  SIDE 小山

 

 

「ハッ!カッコイイ事言ってたわりには結局無駄死にだったな」

 

 

根本は須川君を見下しながらそう言った

彼は数名のBクラス生を相手に健闘していたが、結局戦死してしまった

 

 

「・・・無駄じゃないさ。思ったよりお前らの点数を削れた。あとは・・・海人が何とかしてくれる」

 

 

須川君はそう言い残して西村先生に連れて行かれた

 

 

「けっ!島田や姫路の点が高かろうと所詮残りはバカの集まり。俺の敵じゃねえさ。なぁ、友香?」

 

「気安く呼ばないで!」

 

「いいじゃねえか、恋人なんだから・・・まぁ別れたいって言うんなら別にいいんだぜ?ただし『あの事』が全校生徒に伝わるけどな」

 

「くっ!この卑怯者!」

 

「くくっ、最高の褒め言葉だ。じゃあな友香」

 

 

そう言って根本は教室を出て行った

私は根本に脅されている

私だけじゃない。Cクラスのほとんどの生徒は彼に弱みを握られている

例えば一人の生徒の弱みを握り、それをネタに他の生徒の弱みを聞きだす

そんなねずみ講のように彼の脅迫はエスカレートしていき、Cクラスどころか学年の半分くらいは彼に逆らえずにいる

 

 

「・・・誰か・・・助けてよ・・・」

 

 

私は誰にも聞こえないような声でそう呟いた

 

 

  SIDE OUT

 

  SIDE ???

 

 

なんや・・・今の会話は・・・?

どういうことや!?

友香は根本が好きで・・・自分の意志であいつと付き合っとるんやなかったんか?

友香は確かにそう言った

なのに・・・なんで友香は泣いとるんや!!

・・・そうか・・・あいつか・・・あいつが友香を泣かせたんか!

 

 

「許さん・・・許さんで、根本恭二!!」

 




根本と小山の会話を聞いてしまったのは・・・

次回も頑張ります

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