バカとテストとウチの弟   作:グラン

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申し訳ありません



第百十三問 二人三脚

三年生の騎馬戦も終わり、次はいよいよ二人三脚なのだが・・・

 

 

「い、いよいよだね」

 

「そ、そうね」

 

 

想い人同士でペアを組んでいる優子と海人はガチガチになっている

 

 

「じゃ、じゃあ、縛るよ」

 

「う、うん」

 

 

そう言って海人は右足、優子は左足をくっつけ、紐で縛る

 

 

「「~っ!!」」

 

 

肌が触れ合うことにより、二人は顔を赤くする

 

 

「初々しいのう」

 

「ひ、秀吉君。美春たちも・・・」

 

「うむ、そうじゃな」

 

 

優子達の様子を見ていた秀吉だが、美春に声を掛けられ、自分も準備を始める

 

 

(・・・む?そういえば清水はいつのまにワシの事を名前で呼ぶようになったのじゃ?『木下』だと姉上と同じだから紛らわしいからかのう?)

 

 

・・・姉が鈍感なら弟も鈍感である

 

 

(須川君がこっちを見てる?ど、どうしたのかな?)

 

(佐藤さんって・・・どっかで会ったことがある気がするんだよな・・・どこだっけか?)←去年助けたことを覚えていない

 

 

(((((この人たち、なんで付き合ってないんだろう?)))))

 

 

青組メンバーの気持ちが一つになった瞬間だった

 

 

『それでは二人三脚及び三人四脚を開始します』

 

 

そして競技が始まった

 

 

「あれ?姉さんとアキ兄さん」

 

「どうやら同じレースみたいだね」

 

「姉弟だからって手加減しないわよ」

 

(・・・どうやら根本は近くにいないみたいね)

 

 

海人が美波達が対戦相手だと知り会話を交わす中、優子は根本の位置を確認する

 

 

「おっと、ボク達も忘れてもらっちゃ困るよ!」

 

「・・・負けない」

 

 

優子&海人VS明久&美波VS康太&愛子となった

そして競技は進み、いよいよ海人たちの順番だ

その様子を陰から見ている一人の男がいた

 

 

「で?どうするんだ?根本」

 

「決まってんだろ?騎馬戦じゃさんざん恥をかかされたからな」

 

(・・・あれは自業自得じゃ・・・)

 

 

根本の逆恨みに北内は内心ツッコむ

 

 

「このエアガンで・・・転倒させてやる!」

 

(((ちっせぇ・・・)))

 

 

あまりのスケールの小ささに取り巻き三人が飽きれる

 

 

「んだよその目は!仕方ねえだろ!ガードがきつすぎて派手な行動とれねえんだから!」

 

 

根本の言うとおり、海人のファンクラブ及びFFF団が目を光らせているため直接妨害することが難しい状況だった

 

 

「まぁ見てな。キッチリ恥をかかせてやるぜ」

 

 

そう言って根本は走っている海人に狙いを定め、引き金を・・・

 

 

「根本く~ん♪」

 

「おわっ!」

 

 

  ※グラウンドへ※

 

 

スタートの合図が鳴り、海人達は一斉に走り出す

 

 

「「「「「「1、2!1、2!1、2!」」」」」」

 

 

三組共互角で横並び状態

少し後ろに紫組のモブといった並びだ

誰が勝ってもおかしくない

全員がそう思ったその時!

 

 

「痛っ!」

 

「え?ちょ!」

 

 

明久が痛みを訴えバランスを崩す

 

 

「へ?キャ!」

 

「わわっ!」

 

 

そのまま海人、優子ペアを巻き込んで転倒

・・・それだけなら良かった

本当の悲劇はここからだ

 

 

「痛た・・・ん?」

 

 

明久は倒れ込んだ時に『何か』を掴んだことに気付く

 

 

「優子さん、大丈・・・」

 

 

途中まで言いかけた海人が顔を赤くし、目を背ける

 

 

「どうしたの?かいt・・・」

 

 

そこまで言いかけて優子は・・・下半身に涼しさを感じた

そして視線を落とすと・・・自分が履いていたはずの短パンを明久が握り締め、足元までずり落ちていた

つまり・・・パンツ丸見えである

 

 

「い・・・いやああああああ!!何すんのよ!この変態!!」

 

「アキィィィィィ!!何してんのよ!!」

 

 

優子はすぐさま短パンを履き直し、明久を踏みつける

そして美波もまた明久に攻撃を開始

 

 

「・・・み、水色」(ブシャァァァ)

 

「こ、康太君!!」

 

「ね、姉さん!優子さん!落ち着いて!」

 

 

転倒した友人を心配して後ろを振り返ったしまった康太は鼻血を噴出

海人は明久をボコボコにする二人を必死に止める

 

 

『え、えー・・・一位は紫組です』

 

 

その間に紫組のモブがゴール

他三組は・・・

 

海人&優子→反則(妨害行為)失格

明久&美波→反則(妨害行為)失格

康太&愛子→続行不可能、棄権

 

以上の結果となった

 

 

 

 

 

 

「おいこら尾賀間!てめえのせいで手元が狂ったじゃねえか!」

 

「仕方ないじゃない。人肌恋しいのよ。坂本君は相手にしてくれないし」

 

「俺にそっちの趣味はねえ!!・・・まぁいい。あいつらに結果的に恥をかかせることはできたしな。ついでに吉井も潰せたし、一石二鳥だぜ。これで勝つチャンスが見えてきたぜ」

 

(なぁ?根本の奴、なんで体育祭ごときであんなに必死なんだ?)

 

(親父さんが見に来てるらしいぜ)

 

(ああ、あの人は厳しいからな。試召戦争でFクラスに負けた時も『恥晒し』とかさんざん言われたらしいぜ)

 

 

取り巻き三人は根本に抱き着く尾賀間を見ながらそうヒソヒソと話すのだった

 

 

  ※おまけ・瑞希&智也※

 

 

「ぜぇぜぇ・・・」

 

「だ、大丈夫か?」

 

「は、はい。大丈夫です」

 

(姫路に体力がない事は知っていたが、まさかここまでとは・・・)

 

 

勝負には負けたが、智也と二人三脚が出来て満足そうな笑みを浮かべる姫路だった

 

 

 

  ※おまけ2・英雄&友香※

 

 

「ちょっと英雄!どこ触ってんのよ!」

 

「仕方ないやろ。不可抗力や♪」

 

「ちょ!?揉むな!この変態!」

 

 

英雄が友香のどこを触っているのかはご想像にお任せします

 

 

 

  ※おまけ3・須川と&佐藤※

 

 

二人三脚でペアになった須川と佐藤

ここでラヴな展開が・・・

 

 

「お疲れ様」

 

 

・・・特に起こらず、普通に終了

 

 

「う、うん。ごめんね。アタシの足が遅いせいで・・・」

 

「佐藤さんのせいじゃないって。それに二位なんだから上出来だよ」

 

「ありがとう」

 

「!」

 

(お、思い出した!佐藤さんは『あの時』の・・・)

 

 

佐藤が微笑みながらそう言った瞬間、須川は去年、自分が変わったきっかけとなった事件を思い出した(第百九問の後半、おまけ参照)

 

 

(っていうか、佐藤さんってめっちゃ可愛いよな。俺、さっきまで佐藤さんと・・・)

 

 

そんなことを考えつつ、須川はまだ温もりが残っている自身の足を擦る

そう、彼は昔は人の幸せを邪魔し、改心後は人の幸せを応援してきた

だが、自分はモテないと半ば諦めていたため、自分の恋愛に関しては全く考えた事が無かったのだ

 

 

「須川君?どうしたの?どこか痛めた?」

 

 

そう言って佐藤は須川の顔を覗き込む

しかし、それは恋愛経験皆無の須川には刺激が強かった

 

 

「っ!だだっ、大丈夫!俺、もう行くから!」

 

 

そう言って須川はその場を走り去る

これが須川亮が生まれて初めて特定の相手を意識し始めた瞬間だった

 




お色気担当優子さんは今日も不幸でした♪

根本君が勝利にこだわる理由が少し出てきましたね

そして須川君についにフラグが・・・


次回も頑張ります

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