バカとテストとウチの弟   作:グラン

103 / 213
祝!百問突破!

後書きにおまけあり



第百問 僕は弟だよ!

  SIDE 優子

 

 

「この上ない屈辱だ」

 

「お前はまだいいだろ?女装趣味があるんだから」

 

「僕にそんな趣味は無い!」

 

「・・・寄るな変態」

 

「ムッツリーニまで!?」

 

 

吉井君と坂本君、土屋君が戻ってきた

吉井君と土屋君は意外と似合っている

坂本君は・・・ま、まぁ外国の女性とかに居そうな感じだ

 

 

「みんな、ぷくく、こいつを見てよ」

 

「・・・見んといて・・・」

 

 

友香が中島君を連れて戻ってきた

胸の詰め物とウィッグで誤魔化しているが女性と呼ぶのはかなり無理がある

受付で弾かれるんじゃないかしら

 

 

「こ、こんなに女装が似合わない人がいるなんて・・・」

 

「これは酷いね」

 

「気持ち悪い」

 

「怖いです」

 

「無理矢理やらせといてその反応はあんまりやないか!?」

 

 

女性陣からの非難の声に中島君は叫んだ

 

 

「あとは海人君だね」

 

「秀吉の奴遅いわね」

 

 

海人君のメイクは秀吉が担当している

 

 

「おまたせなのじゃ」

 

「遅かったわね」

 

 

女性物の浴衣を着た秀吉が登場

我が弟ながら似合っている

っていうか普段は『ワシは男じゃ!』なんて言っているくせに女装することに全く抵抗が無い

コイツ、ホントに男として見られたいのかしら?

将来が心配になるわ

 

 

「・・・」

 

「美春?どうしたの?」

 

「ハッ!な、なんでもありませんわ!」

 

 

秀吉の方をぼーっと見ていた清水さんが顔を真っ赤にしてそう叫ぶ

ほぅ?もしかして・・・

 

 

「そ、それより!お兄様はどこですの!?」

 

「よくぞ聞いてくれたのじゃ。見たら驚くぞい。自信作なのじゃ!」

 

 

そう言って秀吉は建物の影へと向かう

 

 

『や、やっぱりヤダよ』

 

『いい加減観念するのじゃ』

 

 

向こうで何か言い争っている声が聞こえる

そして秀吉が海人君の手を掴んで連れてき・・た・・・

 

 

「うぅ・・・恥ずかしいよぅ」

 

「「「「「「・・・」」」」」

 

((((((か、可愛い))))))

 

 

どうしよう?そんじょそこらの女の子よりよっぽど可愛い

女のアタシですら見惚れるほどに・・・

明るい花柄の浴衣にセミロングのウィッグに秀吉のメイク

そして恥ずかしさで目を潤ませ、頬を赤く染めている姿なんてもうなんだか守ってあげたくなるような愛らしさが・・・

 

 

「お兄ちゃん可愛いです!」

 

「さすがウチのおとう・・・妹ね」

 

「なんで言い直したの!?弟で合ってるよ!!」

 

 

女の子扱いされたことに対し海人君がツッコむ

それよりも・・・

 

 

(じー)

 

「?優子さん?どうかしたの?」

 

「いや、海人君の女装姿、初めて見るはずなんだけど、どこかで見た気がするのよね」

 

「き、きき、気のせいじゃないかな!」

 

 

※第三十一問参照※

 

 

「そうかしら?」

 

「そうだよ!それより早く受付を済ませようよ」

 

 

そう言うと海人君はそそくさと会場の方へ行ってしまった

むぅ・・・なんだか誤魔化された気がする

ま、いっか

 

 

  ※数分後※

 

 

その後アタシ達は受付を済ませた・・・が

 

 

「ま、待つんや!これには深い訳が・・・」

 

「黙れこの変態め!事務所でじっくりと話を聞かせてもらうぞ!」

 

 

中島君だけは女装がバレて係員の人に連行された

 

 

「・・・さすがに無理だったか・・・」

 

「どうする?あのままだと警察を呼ばれるかもだけど?」

 

「しょうがないわね。ちょっと行ってくるわ」

 

 

やれやれと肩をすくめながら友香は中島君の元に向かう

無理矢理女装をさせたこともあって多少罪悪感があるのだろう

 

 

※中島英雄、失格。 小山友香、棄権※

 

 

エントリーナンバーはクジによって決まった

ちなみにアタシ達は・・・

 

 

葉月ちゃん→1番

吉井君→5番

坂本君→8番

海人君→12番

清水さん→13番

土屋君→17番

愛子→21番

美波→22番

アタシ→24番

代表→28番

秀吉→30番

 

合計30名

 

 

と、言った感じだ

 

 

「トップバッターは葉月ちゃんだね」

 

「頑張るです!」

 

「玲さんは参加しないんですか?」

 

「私は参加できないのです」

 

 

そう言って玲さんはチラシの参加資格の所を指差す

そこには『未成年女子限定』と書かれていた

玲さんの年齢は知らないが、大型免許を持っているわけだから、成人してないということは無いだろう

 

 

「まぁ仕方ないです。それに私はアキ君の可愛い姿を眺められるだけで充分ですよ。土屋君、撮影よろしくお願いしますね」

 

「・・・了解」

 

「了解じゃない!!撮らないでよ!」

 

 

吉井君は勘弁してくれと言わんばかりに騒いでいる

ん?これってアタシ達も撮られるのかしら?

 

 

※当然です※

 

 

『それではミス浴衣コンテストを開始します。エントリーナンバー1番から5番の方、壇上へお願いします』

 

 

「ほら明久、騒いでないでさっさと行け」

 

「明久お兄ちゃん、早く行くです!」

 

「わわ、葉月ちゃん。引っ張らないで・・」

 

 

吉井君は葉月ちゃんに手を引かれて壇上へと向かった

 

 

『それでは、一番の方、自己紹介をどうぞ!』

 

「はいです!島田葉月です!よろしくお願いします!」

 

『これは元気で可愛らしい参加者ですね。どうですか?解説の小畑さん』

 

『お嬢ちゃん。この後、時間はあるかい?お金をあげるからおじさんと・・・あ、頭が割れるぅぅぅ!!』

 

「僕の妹に何をする気だ!!」

 

 

いつの間にか海人君が解説席に乗り込んで小畑さんと呼ばれた男にアイアンクローを決めていた

そういえば海人君ってシスコンだったわね

小畑さんは苦しそうに悶えている

さすが投手、握力が強いのね

 

 

『え、えー・・・それではエントリーナンバー2番の方、自己紹介を・・・』

 

 

司会者の人は何事も無かったかのように先に進めている

この人、プロだわ

 

 

『では、エントリーナンバー5番の方、どうぞ』

 

「吉井秋子です。趣味は料理です」←裏声

 

 

淡々と進んでいき吉井君の出番が回ってきた

ふむ、やっぱりよく似合ってるわね

 

 

『少し声が小さいですね~恥ずかしがり屋さんなのかな?まぁそれはさておき、趣味は料理ですか、家庭的ですね。吉井さんは恋人はいらっしゃるんですか?』

 

「はい、一年ほど前から付き合ってる人が・・・」

 

『それは男性陣にとっては残念なお知らせですね。小畑さん』

 

『その人と別れて僕と付き合う気はないかい?』

 

『はい、人様の彼女に手を出さないでくださいね~』

 

 

あの解説者、さっきからなんなのかしr・・・(ベキッ!)ん?

 

 

「み、美波・・・さん?」

 

「どうしたの優子?」

 

「その・・・それ・・・」

 

「ん?ああ、壊れてるわね。全く、手抜き工事なんじゃないかしら?」

 

「いや、どう見ても・・・『何?』・・・何でもないわ」

 

 

控室の壁が一部えぐれていた

美波の拳が突き刺さっていたようにも見えたけど気のせいだ。きっとそうだ

 

 

(あの解説者、後で・・・)ボソっ

 

 

聞こえない。アタシには何も聞こえないわ

 

 




  ※おまけ※


智也「すっかり遅くなったな。あいつらとはまだ連絡が取れないのか?」

瑞希「はい、誰も電話に出てくれなくて・・・」

智也「そうか、祭りに夢中なのかもな。さて、俺らはどうするかな。このまま旅館に戻るのもありだが・・・」

『僕の妹に何する気だ!』

智也「ん?」

瑞希「どうしたんですか?」

智也「今、海人の声が聞こえた気がしたんだが・・・」

瑞希「ホントですか?私は何も聞こえませんでしたけど・・・」

智也「たしかこっちの方から・・・」

瑞希「何かイベントをやっているみたいですね」

智也「ミス浴衣コンテスト?・・・海人が好き好んでこんなところに来るとは思えないな。やっぱり気のせいか」

瑞希「そうですね。それより・・・その・・・少し、お祭りを一緒に回りませんか?」

智也「そうだな。あいつらもまだ戻ってないだろうしもう少し楽しむとするか」

瑞希「はい!」(やった!北条君と二人きりです♪)


なんだかんだでデートを楽しむ二人だった



次回も頑張ります

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。