忘れられた龍の秘跡 〜MonsterHunter Legend 〜   作:妄猛総督

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感想、評価、ブクマありがとうございます。なお、この投稿後、質問コーナーみたいなの設けますので、ここどうなってるの?など聞いてください。答えられる範囲でお答えさせていただきます。

※なお、生態編のみ他作品のキャラクターの裏の動きがありますので、もしよければネタください


モンスター生態編: 牙向く森はガガンドルム

ズシン、ズシン‥‥‥‥‥

 

エリエンテ地方中央部にあるコリア・アチュリ大樹海。

世界でも類を見ない、古塔近くのバシュバトム樹海が3つ収まるくらいの広さを持つ大樹海。

 

そんなコリア・アチュリ大樹海にて鳴り響く重量感ある足音が木霊する。

 

体長36m、体高9mという巨体。

 

巨躯に生えている苔や小さなヤドリギ、キノコなどが付着しておりさながらこの森の長老の如し。

 

サイのように一本の太い角を持ち、口元は笑う三日月、上顎から伸びる太い牙は、ベリオロスなど比較できないだろう。

 

大きく発達した筋肉質な腕はあらゆるものを引き裂き踏み潰す。

 

 

樹王竜 ガガンドルム。

 

コリア・アチュリ大樹海に住まう、アカムトルムやウカムルバス、オディバトラス、ポボルバルムなどに含まれる超大型飛竜種モンスター。

 

その見た目は、巨大な山。新緑に満ち、瑞々しい緑の山だ。

 

そして何より特徴的なのは、腕にある退化していているのかと問い詰めたいほどに発達した翼殻だ。

 

 

腕から足にかけて膜があり、モモンガのように滑空する形なのだろう。

 

ガガンドルムは今ある場所に向けてゆっくりと進んでいる。それはコリア・アチュリ大樹海にある洞窟だ。

 

 

ここに何がいるのかは、ただ単にガガンドルムの好物がいるとだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

ある洞窟の比較的浅めの場所でスヤスヤと寝息を立てているのは、エスピナス、辿異エスピナスだ。

 

捻り狂った毒々しい見た目の角を持ち、蔓のようなものが巻きついて長い間生きているのがよくわかる。

 

背中や翼、尻尾にある棘からは毒液が流れ常に垂れ流しだ。

触れた小動物が青紫色に変色して即死する。

 

天井に僅かに空いている隙間から溢れる日光が心地良い。

 

凶暴極まるこの辿異エスピナスも元のエスピナス同様、寝るのが好きなようで気持ちよさそうにいびきをかいている。

 

ズズッ

 

 

スピー‥‥‥‥‥

 

なにやら音が聞こえるが気にしない。気にならないといえば嘘になるが。

 

 

 

ズズズ‥‥‥‥‥

 

 

 

 

ぐー‥‥‥‥‥‥‥‥

 

 

近づいている。敵かどうかはわからないが気にしなくてもいいだろう。この体が敵を突っぱねるのだから。

 

 

ゴゴゴゴゴ‥‥‥‥‥‥

 

 

 

 

 

クピー‥‥‥‥‥‥

 

 

洞窟が揺れる。パラパラと砂埃が舞う。掘り進んでいるのか、洞窟内が揺れる揺れる。

 

 

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!

 

 

 

爆音とともに天井に大きな穴が空き、巨大な塊が迫ってくる。

 

突然の轟音で目を覚ましたエスピナスは大きく飛翔、崩れた天井から飛び出して逃げることに成功する。

 

近くに着地すると、快眠を害されたことで激昂、大気が震えるほどの咆哮を上げ、時速90kmの突進をその敵に向けて特徴的な毒角を突き刺さんとする。

 

身体から発光するまでに苛烈になった毒を身体全体に纏い、一つの槍になる。

人間からは解毒薬でも直せない毒と言われ、この辿異エスピナスから取れる抗毒液しか解毒できないのだ。

 

自分より3倍の大きさだろうとお構いなくそれに突進した。

 

余談だが、ティガレックスは突進するときの時速は50km、辿異種としてのティガレックスの時速は80km、ある世界では時間制限があるものの時速120kmを出せる動物がいるのでなんらおかしくはない。

 

この突進ならば、倒せると思っていた。

 

そして、

 

 

 

 

 

 

 

めのまえがまっくらになった(・・・・・・・・・・・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー

 

 

 

ガガンドルムは匂いを追って洞窟で寝ていたお目当ての獲物、エスピナスを強襲した。

 

一撃では仕留められず、逃げられたがかなり歴戦の猛者だったようで怒り心頭といった様子で素直にまっすぐ突っ込んできた。

 

かぱぁっと口を開ける。迎え撃つつもりなのかはわからないが噛み付くというのはよくわかる。

 

だが、ここからがガガンドルムの正体である。

 

口をさらに力を込めるとさらに口が拡張したのだ。元々の口の横に普段は閉じているが、捕食するときだけ開く裂けた口。竜の口が、ワニのように長く開く。そして、突っ込んできたエスピナスをそのまま口を閉じて、およそ30tの圧力で噛み砕いた。

 

これは今は化石でしか見られないいたとされるメガロドンの20tを上回る。

 

飛び散る鮮血、折れた発光する毒角。溢れる毒液。

 

 

 

ぐっちゃ、ぐっちゃ‥‥‥‥‥ベキベキベキ‥

 

 

 

ゴリゴリ、メッキャッ!!

 

 

 

噛み砕く。

 

硬い甲殻なぞなんのその。

 

突進してきた辿異エスピナスをそのまま飲み込み噛み砕く様は異様というほかない。

あらかた食べ終えると尻尾を支えに雄々しく立ち上がりそのまま倒れこむ。

地震と見間違うほどの轟音。

 

そのままの体制で天を仰ぐように大きく吠える。

 

 

 

 

《ルオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォ!!!!》

 

 

樹海の真の支配者は、未だ敵を知らない。小さな箱庭の王国で、閉ざされた秘境で絶対者として生きている。

 

 





おまけ



???「どうしたの?ジョー君。お腹すいた?」

恐暴竜のようなナニカ「ゴガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッッ!!!!」

???「え、え?キャアっ!?どこ行くのっ!?」

その後、視点は暗転した。



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