これは【GGO】であって、【MGS】ではない。 作:駆巡 艤宗
「うん、それでいいんです」
タスクが面白そうに笑う。
レンからの無線。
たった一言、『贅沢してもいい?』
その言葉が示さんとする意味は、字面以上のものだ。
『えぇ、もちろん。楽しんで』
無線越しのレンの息遣いに、明らかな変化が見て取れる。
タスクはふふんとほほ笑んだ。
『シノンさんはその場を維持。敵が側面に逃げないようにしてください』
『了解』
『キリトさんは一旦大丈夫。万が一飛び込んできた際に対処できるようにフカ・ミィのそばに』
『分かった』
無線でやりとりした直後、シノンの無線が切れる。
集中している合図だ。
キリトも、隙を見て建物間を移動しているのが確認できる。
そして。
『……タスク』
「!!」
『ありがとう』
『……どういたしまして』
レンの端的な無線が耳に届いた。
途端、耳をつんざくような銃声が鳴り響く。
「……」
バババ!!!!
銃声から察するにかなり善戦……いや。
「……ふむ」
手助けはいらなそうだ。
身を隠しているタンスの後ろで、タスクはどっかり腰を下ろした。
銃声とかすかな悲鳴を聴きながら天井を仰ぎ見る。
彼女……レンは、いわば「遠慮」をしていた。
ただ単純に初対面がゆえか、それか裏にある
それともメンツがメンツなゆえだろうか。
かなりの量をこなした練習の中で、かなり打ち解けはしたものの、やはり実戦となるとまた変わるもので。
練習時とは違い、そこには「
「でもねぇレンさんねぇ……」
タスクはひとり、否定する。
そして。
「あなたの魅力は、その先にあるんだよネ」
タスクはひとり、微笑んだ。
✣
「ごめんよぉ〜ごめんよぉ〜ほんとうにごめんよぉ〜」
「いいっていいって、ありゃ無理だよ」
数分後。
全ての敵を片付けたレンが戻ってくると。
そこには泣いて土下座するフカがいた。
「……なにこれ」
「えなんか……ずっとこうで……」
「……何食べてんの?」
「あこれ……ちゅーるれーしょん……」
シノンやキリト、そしてミーシャルが必死にフカを慰める奇妙な構図。
それを細長い何かを食べながら見守るタスク。
そして、それら全体を帰隊した瞬間に見せつけられたレンの微妙な顔。
「……はぁ」
頼りになる仲間達はどこへ? てか今試合中だよね?
いやというよりフカお前何やってんだよそれくらい妥当だよ!!
言いたいことが次々頭を駆け回るが、どれも絶妙に不適切な気がする。
「ふふ……」
「?」
ふと笑う声がする。
見ると、タスクが笑っている。
「……もう」
レンはようやく、タスクの言葉の意味がわかった気がした。
お久しぶりです。
駆巡 艤宗です。
最近色々忙しくて全然触れませんでした……泣
別名義でYouTube始めたり、色々プロット整理したり。
ある種準備のためのお休み期間、と言ってもいいかもしれませんね。
またポツポツ上げていきます。
まだまだ伏線残ってるしね……(笑)
ではまた。
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