これは【GGO】であって、【MGS】ではない。   作:駆巡 艤宗

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Episode184 待機所 〜waiting area〜

「さて、行きますか」

「ええ」

 

4月5日、午後。

大盛況のSJ2は、いよいよ本戦を迎えんとしていた。

 

予選の時点でかなりの盛り上がりを見せていた酒場の熱気は、ようやくと言わんばかりに最高潮に。

 

タスクらを含めた本戦参加プレイヤーたちは、開始十分前の薄暗い待機エリアに飛ばされていた。

 

「よ……よろしく、おねが……」

「レン、なぁんだよその声は!!」

 

おずおずしたレンと、相変わらず元気はつらつなフカ。

そんな彼女らを見て、タスクら4人は微笑んだ。

 

「……緊張しないで、私たちがいる」

「し、シノンさん……」

「きっと上手くいく。大丈夫よ」

 

シノンの微笑みに、思わず安堵するレン。

曲がりなりにもこれから命を救いに行くのだ、精神的負担は計り知れない。

 

するとその時

 

「きっともなにも」

「!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「絶対大丈夫、です」

 

そういってタスクが微笑んだ。

 

 

「オセロット……ほんとによかったんですか」

「んぇ?」

 

一方、『Leftovers』である。

のんきにあくびをかます店主……もといオセロットに、ラクスが話しかけていた。

 

「予選終わった後の酒場にタスク君らいたの気づいてました?」

「あぇ、そうなのぉ……? てっきり個室とってんのかと……」

「レンちゃんとフカちゃんはそうなんじゃないすかね。あの場いなかったし」

「ちゃん付けすんな変態」

「あいでっ」

 

あとから話に入ってきたフォートレスと、それにツッコむウォッカ。

 

「タスク君すごい苦笑いしてましたよ、めっちゃこっち見て」

「そらそうだろ。俺も内心マジかよって思ってるもん」

「カチューシャ……」

 

ラクスの呆れた顔に、ふん、と仏頂面のカチューシャ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして……後ろで微笑んで立つ()()()姿()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

予選終了から本戦開始までほぼ直後ぐらいすぐのため、用意することもあまりないのか、各々自由に過ごすメンバーたち。

 

 

 

 

 

「うん、実にいいチームだ」

 

店主はそういってほほ笑んだ。

 

 

「よおおおおしいっちょやったりますかぁぁぁぁぁ」

「ラーーーイト、まずは任務だからね」

 

かたやもう一方。

言わずもがな、VRFである。

 

前回が不本意だったからかやたら気合を入れるライト。

レックスが諫めに入るが、お構いなしだ。

 

「今から気合いれても別に構わんが、レンと対峙できるのは終盤も終盤だぞ」

「わ、わかってますぅ」

「ならいい」

 

プルームの冷静な言葉に、ライトはふくれっ面で答える。

 

彼らVRFは、出場に当たって店主からタスクらの任務の内容と、それを邪魔しないことを言われていた。

当然と言えば当然だが、今回は任務でもなんでもない彼らには少しばかり耳が痛い。

 

「ま、とにかく楽しもうよ!! せっかく任務外で出ていいって言ってもらえたんだしさ!!」

「……そうですね」

 

ギフトとベネットの落ち着き様は相変わらず。

 

そして6人目、最後にしてリーダーのタウイが立ち上がって一言。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よしいこう……出撃!!」

 

 

 

その瞬間。

10分を数えていたタイマーに、すべての0が出そろった。




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