これは【GGO】であって、【MGS】ではない。 作:駆巡 艤宗
「さて、行きますか」
「ええ」
4月5日、午後。
大盛況のSJ2は、いよいよ本戦を迎えんとしていた。
予選の時点でかなりの盛り上がりを見せていた酒場の熱気は、ようやくと言わんばかりに最高潮に。
タスクらを含めた本戦参加プレイヤーたちは、開始十分前の薄暗い待機エリアに飛ばされていた。
「よ……よろしく、おねが……」
「レン、なぁんだよその声は!!」
おずおずしたレンと、相変わらず元気はつらつなフカ。
そんな彼女らを見て、タスクら4人は微笑んだ。
「……緊張しないで、私たちがいる」
「し、シノンさん……」
「きっと上手くいく。大丈夫よ」
シノンの微笑みに、思わず安堵するレン。
曲がりなりにもこれから命を救いに行くのだ、精神的負担は計り知れない。
するとその時
「きっともなにも」
「!!」
「絶対大丈夫、です」
そういってタスクが微笑んだ。
✣
「オセロット……ほんとによかったんですか」
「んぇ?」
一方、『Leftovers』である。
のんきにあくびをかます店主……もといオセロットに、ラクスが話しかけていた。
「予選終わった後の酒場にタスク君らいたの気づいてました?」
「あぇ、そうなのぉ……? てっきり個室とってんのかと……」
「レンちゃんとフカちゃんはそうなんじゃないすかね。あの場いなかったし」
「ちゃん付けすんな変態」
「あいでっ」
あとから話に入ってきたフォートレスと、それにツッコむウォッカ。
「タスク君すごい苦笑いしてましたよ、めっちゃこっち見て」
「そらそうだろ。俺も内心マジかよって思ってるもん」
「カチューシャ……」
ラクスの呆れた顔に、ふん、と仏頂面のカチューシャ。
そして……後ろで微笑んで立つ
予選終了から本戦開始までほぼ直後ぐらいすぐのため、用意することもあまりないのか、各々自由に過ごすメンバーたち。
「うん、実にいいチームだ」
店主はそういってほほ笑んだ。
✣
「よおおおおしいっちょやったりますかぁぁぁぁぁ」
「ラーーーイト、まずは任務だからね」
かたやもう一方。
言わずもがな、VRFである。
前回が不本意だったからかやたら気合を入れるライト。
レックスが諫めに入るが、お構いなしだ。
「今から気合いれても別に構わんが、レンと対峙できるのは終盤も終盤だぞ」
「わ、わかってますぅ」
「ならいい」
プルームの冷静な言葉に、ライトはふくれっ面で答える。
彼らVRFは、出場に当たって店主からタスクらの任務の内容と、それを邪魔しないことを言われていた。
当然と言えば当然だが、今回は任務でもなんでもない彼らには少しばかり耳が痛い。
「ま、とにかく楽しもうよ!! せっかく任務外で出ていいって言ってもらえたんだしさ!!」
「……そうですね」
ギフトとベネットの落ち着き様は相変わらず。
そして6人目、最後にしてリーダーのタウイが立ち上がって一言。
「よしいこう……出撃!!」
その瞬間。
10分を数えていたタイマーに、すべての0が出そろった。
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