これは【GGO】であって、【MGS】ではない。 作:駆巡 艤宗
そんな馬鹿な話があるか。
レンは思わず疑いました。
ボスを粉砕し、それどころかクレーターまで作っちゃうなんて。
でその方法が『個人携行できるミサイルシステム』。
いやいやそんなのまさかあるわけ。
「これだよ」
「あほんとなんだ」
「うん」
悪態と疑念が渦巻くレンの前に現れた大きな箱。
その横に立つミーシャル。
レンはもう信じるしかありませんでした。
✣
「ぽ、ぽーたぶる、ヴぁーてぃか、ろーん……え?」
「『ポータブル・ヴァーティカル・ローンチング・システム』、だよ」
あからさまに混乱するフカを見て、ミーシャルは笑う。
『Portable Vertical Launching System』、通称『P-VLS』。
その名の通り、『携行型垂直発射装置』である。
極めて高威力のミサイルを、極めて高速で、かつ極めて正確に叩き込む、遠距離においては『
当然、そんなバランスブレイク甚だしいものを運営が実装する訳もなく。
「こ、こんなの一体どこで……」
「どこにもないよぅ?」
「え?」
「自作。ぜーんぶ、私が作ったの」
「はっ?」
一から全部、それもかなりの時間をかけてミーシャル自身が独自に開発した固有ガジェットである。
大きさはそれほどではない。
だいたい高さは165cm程であろうか。タスクより少し高い、くらいである。
「えぇっと? その装置の名前がポータブルなんとかで?」
「そう」
「中身のミサイルは?」
「また別物」
「はぁ、なるほど……?」
フカがなんとか理解しようとするが、さっぱり分かってないようで。
どんだけ話を聞いてもやっぱりハテナ顔だ。
そう。
『P-VLS』自体はただの機械が詰まった箱に過ぎず。
ミサイルそのものはまた別物だ。
そしてそれももちろんミーシャルお手製。
試作機含め、今まで数々のミサイルを開発しては打ち上げて来た。
そのミサイルたちはまたいずれ書くとして、ここでは割愛する。
「箱の名前がP……えー」
「……」
「ミサイルが……うん」
「……はは」
うんやっぱり全然わからんわ。
どうやらレンはあきらめの境地に達したようで。
隣のキリトが苦笑いでレンの隣に並ぶ。
「ミサイル……なの、これ」
「うん、そうだよ」
すると今度はシノンが呟く。
ミーシャルはニコニコで頷いてみせた。
彼女の疑問は実に最もだ。
はたから見たらただの異質な箱なのだから。
「撃って……みる? あんまバカスカ撃てるわけじゃないけど」
「え……」
「あと一発ならいける、よ」
「……」
ミーシャルのにへら……とした笑顔に、一同はタスクを見る。
チームのリーダーはもちろんレンだ。
ただこの場合、チームではなく
「ミィがいいなら、いいんじゃないですか」
「!!」
「せっかくだし、見て損はないでしょう」
「ほんとに!!」
「……なかなか見れるもんじゃありませんし、ね」
「?」
皆からの視線を受けたタスクは、迷うことなく答えた。
少し意味ありげな言葉が聞こえた気がするが、フカやレンにはどうやら聞こえていない様子。
ただそこはシノン。
タスクの方を少しだけ見やる。
すると。
「……はは」
「!!」
あきらかに微妙な顔で笑うタスクが……。
✣
「みっ、見せちゃったの!?」
「え、うん」
その日の夜。
閉店後の『ガン・マリア』。
照明が落ちた店内で、唯一ついたままのカウンター。
そこに、店主とミーシャルが並んで座っている。
「何、別にいいでしょ?」
「いやいけないとは言わないけど……」
あからさまに驚く店主を、ミーシャルは怪訝な目で見る。
すると。
「……分かるでしょ店主さん」
「?」
「あなたなら」
「……ああ」
ミーシャルが声のトーンを落とし、店主の方へ半身を向ける。
店主もミーシャルを見ると、彼女の言わんとしていることを察して息をついて答えた。
実はミーシャル。
つい最近、開発志向を大きく転換したのだ。
今まで一貫して『対 モンスター』であったのが一転。
『
「タスクとか、店主さんとか、相談して」
「うん」
「色々考えた末、決断したよね、私」
「そうだね」
机の木目を見つめ、淡々と話すミーシャル。
指を絡めて、眉間に皺を寄せて。
店主はそんな彼女の言葉に耳を傾ける。
「もう、
「……」
「この世界、GGOに来た時点でそうだったけど……」
「……」
「ちゃんと、
「……そうだね」
まるで確認するかのよう。
淡々と話すミーシャルに、店主は頷く。
「……で、この任務にアサインした」
「!!」
ああ、これは。
店主は気づく。
「そういうことでしょ」
「……!!」
れっきとした、
こんにちは!! お待たせ致しました。
駆巡 艤宗でございます。
もうさすがに、報告するまでも無いかもしれませんが、一応。
『設定集にミーシャルが追加されました!!』
お待たせ致しました!!
色々気になる部分があると思いますが、それも全部設定集で解決!!(かどうかは分かりませんが……笑)
まだ未出の情報もしれーっとのせておきました。
今のうちにご確認ください(笑)
さあ、いよいよですね。
表と裏が交錯するSJ2、まもなく開幕です!!
ではまた。
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