これは【GGO】であって、【MGS】ではない。 作:駆巡 艤宗
3月も末に近づき、25日。
レンフカ、その他4人一行は、引き続き練習に励んでいる。
ようやくお互い馴染めてきたのか、連携が取れるようになってきていた。
「なぁ、そこの……」
「ん?」
「お嬢さん?」
レン、タスク、キリトが眼下でモンスター相手に奮闘する中。
丘の上で待機するシノンと、残りの二人。
フカとミーシャルである。
「……ミーシャル、です。敬語いらないよ」
「お、おう……」
「フカ……ちゃんだよね、かわいい」
「あり、ありがとう」
相変わらず眠そうなミーシャル。
フカもそのペースに合わせてしゃべる。
「……で、なに?」
「!!」
「何か、聞きたいんでしょ」
「お、おお」
体操座りするミーシャルが、フカをみてふにゃっと笑った。
かわいい。
フカは思わず言葉に詰まる。
「い、い、いや、その」
「?」
「ミーシャル、なんかしないのかなって」
「……ああ、ね」
すると。
フカの言葉にミーシャルはクス、と笑った。
「そうだよね、不思議、だよね」
「……」
「大丈夫、ちゃんと
「?」
よくわからない、と言わんばかりのフカの顔。
それもそのはず。
一行はここ数日、顔合わせから毎日練習を重ねている。
お互いの動き方や戦い方。
それぞれの
そこで今日は例の
しかし。
「私は」
「!!」
「フカちゃんとほぼ一緒だよ」
「え?」
「
「……?」
かなり強め。
そう言われても、と言わんばかりのフカの顔。
「……ふふ」
「?」
「分かんないよね、分かるよ」
「分かる分から……ん?」
ふわふわしたミーシャルの言葉に、フカの頭までふわふわしだす。
「ミィ」
「!!」
2人の横からシノンの声。
「『そろそろ使ってもいい』」
「ほんと!!」
「……って。タスクが」
スコープから目を外さず、あくまで淡々と。
うわプロかよいやプロだわそうだったわこの人。
フカはいよいよ分からなくなってくる。
「やったぁ……いい加減ヒマだったんだよね」
「え……」
意味ありげな言葉を話すミーシャル。
フカは思わず彼女を見る。
すると。
「ごめんねフカちゃん、実は私、タスクにさ」
「タスク……?」
「『強すぎるからまだ使うな』って……言われてたんだ」
「は……!?」
✣
「キリト、レンさん」
「「!?」」
一方、崖下の三人。
キリトとレンは、タスクからの突然の無線に思わず動きをとめる。
「下がりましょう、いい感じですし」
「いい感じなら……」
「チャ、チャンスなんじゃ……!?」
タスクの意味深な言葉に、不思議な顔を見せる二人。
それもそのはず。
今戦っているボスはかなりの相手。
そのHPをやっと4割まで落としたのだ。
これからさらに削るしかない。
「攻めるべきではない……ってことか?」
「?」
「ええ、まぁ……」
最善かと思われる選択肢をあえて捨てるタスクに、レンはともかくキリトは一旦問いかけをみせる。
タスクは若干急ぎ気味に、下がり始めつつ答える。
2人も一応追随する。
「攻める……ため、です」
「?」
「早くしないと巻き込まれる」
「巻き込ま……?」
「そろそろ来るんです、
「「
そして次の瞬間。
タスクの指差す方向……
「なっ……!?」
「えっ……」
それが何かを……知る。
✣
大爆発。
それと共に砕けて飛び散るポリゴン片。
ボスがいたであろう場所にあるのは、
「来るって……」
「はい」
「そういう……?」
「そう」
ポカーンとするキリトとレン。
タスクは苦笑いで頷く。
「は……?」
「はは……そうなるわよね」
それは崖上でも同じなようだ。
フカがポカーンとしていて、シノンが苦笑い。
ミーシャルだけ、一人ニコニコで佇んでいた。
「い、今飛んできたのって……」
「いわゆる……その……」
「ええ、そうです。あれが彼女の武器……」
「
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