これは【GGO】であって、【MGS】ではない。 作:駆巡 艤宗
「キッ……キリトさん!?」
「キリト……!?」
「シノンさんまで!!」
「……!?」
現実日時、3月24日。
昼下がり。
GGO内。
ガン・マリアにて。
驚愕するレン。
その横で、キリト、という名前に反応するフカ。
今日は、SJ2に出るためのメンバーとの顔合わせだ。
指定された日にち、時間に、お店に来てねーと店主に言われていた。
どんな人達なんだろう、なんて気の抜けた考えをしてやって来てみたら。
強い、超えて
「ちょ、て、店主さん!?」
「んー?」
「つ、つつつ強い人って言っても、まさかこんなに……!!」
「はは……まあ、この店もお陰様でいろんな人の目にとめてもらえるようになったからね」
「自ずと人脈もつくって……ワケですか」
「そ!」
呑気な店主と裏腹に、二人は気が気じゃない。
シノンとキリト、と言えば。
アンチマテリアルライフル、フォトンソードという、どちらも尖りまくった装備で、第三回BOBの共同優勝を果たしたとんでもないトッププレイヤーだ。
フカからしても、キリトのすごさはよく分かる。
「キ、キリトって、あのキリトだよな」
「え?」
「いや、ALOでもキリトっているんだよ、めっちゃ強い」
「あ、まぁ、そう……です」
「ええ!?」
フカの素っ頓狂な声に、苦笑いで返すキリト。
「え、ALOなら、あいつのほうが……」
「?」
「な、
「
フカはまた変な叫び声をあげる。
立っている二人の奥。
ソファに座って、のほほんとココアをすすっていたタスク。
いきなり名前を呼ばれたからか、少しびくっとしてフカを見た。
「こ、こんにちは」
「どどどっ、どどうも」
「……フカ?」
こくりと会釈をするタスクに、きょどって返すフカ。
レンは何のこっちゃとフカを見る。
「こ、この方もスゴイ方なの……?」
「すごいも何も!!」
「
「はっ……?」
レンの目が丸くなって、そして止まった。
✣
「なぁ、レン」
「なに、フカ」
光のない目で荒野に佇む二人。
「これ、私たちいらなくね」
「うん、ピトさんもこの人たちに殺されれば満足すると思う」
顔合わせからしばらくして。
一行は、そのままクエストに挑むことにした。
……のだが。
「人数が多いってだけじゃない、明らかにレベルが違うよコレ」
「うん……」
あまりの練度の高さに、すっかり気合いを持っていかれていた。
二人がいるのは丘の上。
少し前にシノンが寝そべり、へカートⅡを構えている。
丘の下には、キリトとタスク。
それぞれ、フォトンソードとACE23を使って、ボスのHPをゴリゴリ削っている。
ミーシャルは、シノンの横に寝そべり観測手についていた。
「あのボスモン、結構強くなかった?」
「うん、かなり強いやつだよ」
「開始数分で残りHP2割だけどどう思う?」
「やばいと思う」
無慈悲に蹂躙されるボスモンスターを見て、真顔に拍車がかかる二人。
『僕らの戦い方を見て、どう使うかを決めてほしいです』。
そう言ってボスモンスターに突っ込んでいったタスクの顔が思い浮かぶ。
「リーダーが私って……」
「ある意味災難だぜ……」
レンのため息に、フカは笑って答えるしかなかった。
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