これは【GGO】であって、【MGS】ではない。   作:駆巡 艤宗

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第七章 恐るべき子供達 〜Les Enfants Terribles〜
Episode170 虎穴入らずんば虎児を得ず 〜Nothing ventured, nothing gained〜


「あ、あのぅ……」

「……おや、こんにちは」

 

2月頭。

SJが終わってから、1週間とちょい。

 

レンは、また店主の店……ガン・マリアに来ていた。

 

「ああ、分かるよ。アレでしょ」

「え?」

 

相変わらず緊張するのか、おどおどしているレン。

そんな彼女を見つつ、店主は分かりきっていると言わんばかりに微笑んだ。

 

「……はい」

「!!!!」

 

ごとり、と重たい音を響かせてカウンターに置かれたもの。

もはや言わずもがな。

 

P90である。

 

「え、あ、ありがとう、ございます……!!」

「ふふ」

 

あまりの驚きに目を丸くするレン。

 

「で、でも、どうして? 私何も……」

「どうしてって……そりゃ」

「?」

 

そしてレンの質問にわざとらしく目を丸くする店主。

 

「動き見てりゃ分かるよ、()()()()()()()

「!!」

 

レンの脳裏に、SJ前この店にやってきた時のことがフラッシュバックする。

変に取り繕おうとした結果、結局全部見抜かれて撃沈したあの時。

 

「うぅ……」

「はは、まそんな気張らずにおいでよ」

 

俯いて顔を背けるレンに、店主はケラケラと笑った。

 

「ねぇねぇところでさ」

「?」

 

すると、店主がカウンターから身を乗り出すようにレンを見る。

 

ただでさえ小さいのに、俯いたらさらに見えなくなる。

乗り出すと言うより、もはや乗るに等しいくらいに店主はつんのめる。

 

「もし、もし仮に、だよ」

「は、はい……」

 

 

 

 

 

 

 

 

「次のSJ、あったら……出る?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ……!!!!」

 

レンはそれに、うん、とは答えられなかった。

 

 

「あの顔……あんまり、出る気ないみたいでしたね」

「うぅ〜ん、できれば、再戦をお願いしたいんだけど、なぁ……」

 

それから数分後。

 

店主は上手く話を逸らし、レンを次の目的地……ギフトの店へと送り出した。

 

今店内にいるのは店主とその他3人。

 

カウンターに座るベネット。

そしてその前にあるテーブルに座るレックスとライト。

 

「話は聞いてますけど……その、あんまりやりあえなかったって」

「んー、やりあえはしたんじゃない?」

「やりあえてない! できたのはプルームだけ!」

 

ベネットは話半分だが、レックスは妙に納得し、ライトはできてないと嘆く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ……………」

 

店主はどこか、思案顔だった。

 

 

「こんに……ちは?」

 

続いてレンがやってきたのは、カスタム専門店『ギフト』。

目的は言わずもがな、P()9()0()()()()()()()()()()

 

「あ、おやおやおやおや!! こんにちは、いらっしゃい!!」

 

初めて来た時にも良くしてくれた店長が、小走りで出迎えてくれる。

 

「あ、ど、どうも……」

「よく来てくれたね、レンちゃん」

「……!!」

 

あまりの歓迎ぶりに、少し照れ笑いのレン。

 

「こないだのSJ見てたよ、P90、ぶっ壊されちゃってたよね」

「あ……!!」

 

この人、知ってくれてる……!!

レンは思わず目を見開く。

 

であれば話は早い。

早速……

 

「で、『ガン・マリア』で2代目を買ってきたんでしょ」

「え」

「それでもっかいピンクに染め直しに来てくれたってわけね」

「……」

 

ニコニコしながら話す店長を見てレンはふと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この人達、本当に奇妙なくらい話が早い。

 

 

「ん……あ、来てるね」

「……?」

 

そのすぐ後ろ。

レストスペースに座るタウイとプルーム。

 

二人は店長……ギフトに迎えられているレンを見つつ、コーヒーを啜っていた。

 

「店主さん……SJの後すぐに()()()にP90取りに行かせてたけど……」

()()()で正解だったな」

「うん」

 

プルームの静かな声に、タウイはこくりと相槌を打った。

 

「しかしまぁ……すごいよな()()()。いくらガジェットが向いてるからってさ」

「まぁ……確かに」

「知ってるか? 店の素材とかレア武器とか」

「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()が6割方仕入れてるんだってさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な……!?」

 

プルームは思わず、タウイを二度見した。

 

 

「へっっっっっきし!!!!!」

 

だだっ広い野原。

()()()()()が、くしゃみをかます。

 

「うぅ……だれか、なんか、あたしを……うわsへっきし!!」

 

側から見れば、GGOという銃の世界で広いところに佇む愚か者。

 

しかし次の瞬間。

()()()()の周り、数十メートル半径の円状を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()が囲んだ。




いつもありがとうございます!!
駆巡 艤宗でございます。

お待たせ致しました、ついに。



『SJ2編、始動!!!!』



です!!

やっとですね、時の流れは早いものです。
(お前の小説が遅いんだよ)

さて、それでですね。

わざわざ後書きに現れたのには、理由があります。

『時系列の説明』です。

今話冒頭にも書きましたが、ここから語られるお話はSJ直後あたりから、になります。

つまり前章で言うところの1番最初。
アスナがGGO凸してきた次の日あたりのお話
からです。

はいはい分からなくなってきましたねぇ大丈夫ですよはい深呼吸深呼吸〜ひっひっh()

……すみません。(笑)

要するに単純な話、
『SJ2とユウキは時系列が丸かぶりしている』
という訳です。

これから、今作で言うEp.122とEp.123の間。
ALOに行くまでに、GGOでは何があったか(SJ2の導入)を描いていきます。

(SJ2が始まってさえくれれば、ユウキ編は終わるのでかぶらなくなるんですけどね……ゴニョゴニョ)

また、今後もこの章は時系列丸かぶりの影響で所々時系列改変が入ります。

その都度後書きに現れて解説を入れようと思います。

加えて、この作品は基本アニメ準拠です。
(原作のままの描かない部分をイメージしやすくするため)

GGOはアニメと原本でも時系列が異なるんですよね。
もし時系列を確かめたければ、アニメの方の時系列をオススメします。





最近、お気に入りがまた伸び始めており、作者本人としては嬉しい限りです。

感想も是非是非、お待ちしております。
ほぼ全てに返信しておりますので、質問などもありましたらどうぞ……!!

今後とも是非、拙作をよろしくお願い致します。

それでは、また。



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