これは【GGO】であって、【MGS】ではない。 作:駆巡 艤宗
「おあああああ!!!!」
ユウキは、もう一度剣を握りしめた後。
最後の一絞りの力で、急激にタスクに近づいた。
これが、
そう思えば思うほど、神経が研ぎ澄まされていく。
手の指先の先端まで、驚くほど綺麗に感覚が伝わる。
「ああああ!!!!!」
「……ふふ」
するとその瞬間。
タスクの口元が笑う。
ビュン‼︎
「……!!」
直後、タスクの顔めがけて一突き。
タスクは最も簡単そうに見切って避ける。
ビュビュン‼︎
「よっ、ほ」
「っ……!!」
続けて二連撃。
これも流石のタスク、たやすく躱す。
しかし、次の瞬間。
キィイイイイイイイ!!!!!!
「!!」
ユウキの剣が輝きを放つ。
彼女の狙いは最初から「コレ」。
突きはハナから当たると思っていない。
「『マザーズ………………なっ!?!?」
しかし。
次の瞬間のことだった。
タスクはあろうことか、
のである。
「!?!?」
ユウキは当然、虚をつかれて固まる。
しかしその直後、構わずにその手を肘から切り上げた。
「ぐっ……!!」
タスクの片腕と開いた手が宙に舞う。
ユウキは再度、剣に力を込めようとする。
……が、次の瞬間。
「え……」
心臓が、一段と跳ねた。
それもそのはず。
技を出すには、タスク相手ならなおさら彼の剣の位置が重要になる。
とは言うものの、もはやこの段階では気にしても仕方がないのだが、それが
いやがおうにも意識が持っていかれる。
するとその時。
「!!」
ユウキの顔に、一つの細い影が差した。
反射的に顔を上げる。
上段斬りの腕が伸びている。
しかし、
そしてその瞬間。
「あっ……!!!!」
✣
「あ、あれはっ!!!!」
ガタン!!!!
その瞬間、店主が叫んで立ち上がる。
そのまま欄干に手をかけて前屈みに。
手が腕もろとも斬り上げられ、宙を舞ったかと思いきや。
その腕は放物線の最高点で地面と垂直になり、上段斬りの構えをする
そう、つまり。
斬られて宙を舞った腕は、そのまま、反対の手から伸びる
そしてそのまま自身の腕をも斬り裂き、脳天に一直線。
相手はただただ長い腕に気を取られ、それをも切り裂いて現れた刀に成す術もない。
もはや
裏血盟騎士団時代、アユムにより考案されるも無理難題として放棄された技。
「『
✣
ぐしゃり。
そんな擬音が実によく合いそうな音と共に、ユウキの体は刀を受けた。
タスクの優しさだろうか。
脳天ではなく、鎖骨あたりから刀が入ってきた。
「がっ」
がくん、と力が抜ける。
間違いない。
HPがゼロになった感覚。
「ユウキィィィィ!!」
この声は、シウネー……だろうか。
視界が暗くなっていくと同時に、聞き慣れた声が遠のいて聞こえる。
直後、試合終了のブザーが鳴った。
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