これは【GGO】であって、【MGS】ではない。 作:駆巡 艤宗
酒場は大盛り上がりであった。
なぜならそれは、色々なサイズのディスプレイがあるなかで、真ん中に異様な貫禄を持って居座る、一番大きなディスプレイ。
その画面の中で一人、孤独になりながらも奮闘する、
プロ集団……と、酒場の観客達には勝手にそう呼ばれている『VRF』によって、南北に分断されたたった2人の極小チーム。
幾度となく迫った危機を何とか乗り越えてきた彼らは……否、厳密には彼らの
なんと、南に待ち構えていたアマゾネス軍団に、たった1人で、
「速すぎだろ……」
「やっちまえー!! 俺のレンちゃん!!」
「おめぇのじゃねぇよ!!」
そんな声が色んなところから聞こえてくる。
そんな中……より少し外れた所にあるバーカウンターで、タスクら4人はディスプレイを眺めていた。
「……ふふ、頑張ってるね、レンちゃん」
オレンジ色の飲み物を飲みながら、店主は微笑んでいる。
食い入るように見つめているシノンとキリトはそんな声など聞こえもしていないようだった……が、タスクだけは違ったようだ。
「あの動きは……はは、
「
タスクがそう言いつつ、彼もまたオレンジ色の飲み物を啜る。
すると、店主がはたとタスクを見て……
「僕にはこう見えるかな……
「
またディスプレイに視線を戻し、そう呟いた。
「一昔、というより、僕が生まれるかそこらの時代だけど、あの子に似たような動きをするキャラクターがいるアニメがあったんだ」
「……ほう?」
「ロボットアニメでね……あ、そのキャラは敵なんだけど、彼専用に作られたロボットでどんどん薙ぎ倒していくんだ」
「……へえ」
「速くて、強くて、でね。それに加え、彼の機体はね……」
「?」
そこまで話すと、店主がディスプレイから視線を落とし、少し笑いながら下を向く。
タスクは、不思議そうな目で彼の方をむく。
すると、店主はタスクの方を見ながら、笑いかけつつ首を振った。
「
「……!!!???」
そんなの、まんまじゃないか。
タスクはそんな目をして、店主を見る。
「い、いやまぁ、ね。厳密に言うと、設定的には
「は、はぁ……」
「ほら、ずぅっと昔のアニメってさ、色が少し褪せるじゃない?」
「ああ……言われてみれば」
「だから……さ、ピンク色に見えるんだよ、それでね」
「?」
店主はぐい、と体を起こす。
視線はディスプレイに向いたまま。
「そのキャラのあだ名が、『
「……ああ、だからですか」
「そ! あの子に関しては赤じゃなくて、ちゃんとしたピンク色だから……」
「さしずめ、
「そゆこと」
タスクが笑いながら店主の言わんとしていることを口にした。
店主は少し嬉しそうに、その言葉にニカッと笑う。
そして画面の中では、その瞬間。
レンがアマゾネスの首を斬った。
もえあが〜れ〜 もえあが〜れ〜
正義のぉ〜光をぉ〜
※レンちゃんとアマゾネスの戦闘シーンは、原作通り、と考えて置いてくだされば幸いです。
エムさんが倒した分も、レンちゃんがやったって事で。(ガバガバ)
すみません!! 尺が(以下略)
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