違法少女ホモホモなのはViVid(略してホモビ)   作:ルシエド

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魔法少女アニメのクリーンなイメージを取り戻したいと思います


もし私がホモだったなら それが永遠に交わることのない 男と男を繋ぎ留めるように 誰かの心を繋ぎ留めることができただろうか

 アインハルト・ストラトスは純粋である。

 本人は自分がかつて過ちを犯した人間であり、綺麗な人間には程遠い人間であると思っていて、周りの友人を自分より純粋な人間だと思っているが、そんなことはない。

 彼女は天然だ。

 天然でややすっとぼけているので、自分が常人より数倍純粋なことに気付いてもいない。

 

 汚れた人間とは、SNSや匿名掲示板で余分な時間を潰すことにハッスルしている人間を言う。

 ある意味、純粋過ぎて犯罪をやらかす人間より彼らは汚れているであろう。

 彼らは日々ホモAV男優のコラを作ったり、AV女優のコラを作ったりしている。

 

「ア『イン』ハルト・スト『ラ』トス・チャンピオ『ン』。略せばインラン……」

「ただのアインハルト・ストラトスではンが一つ足りない」

「彼女はチャンピオンになって初めて淫乱になった……?」

「チャンピオンになると皆淫乱になる可能性……?」

「その理屈が通るならエレミアチャンピオンとか媚薬が出る蛇口持ってるレベルじゃ」

 

 インターネットでジークリンデ・エレミア=ミッドチルダ最高の淫乱説を語っているようなバカ共と、アインハルトは人種そのものが違う。

 そもそも恋バナはしても猥談はしない人種なのだ。

 ミッドチルダにおける彼女の同年代男子達は「乳首クトーリア・ダールグリュンwww」などと下ネタで大爆笑しているのが主流だが、彼女はそんな凡俗とは一線を画している。

 

 そんな彼女の知人の一人に、ミウラ・リナルディという少女が居た。

 ミウラはアインハルトに会わせたい人が居ると言って彼女を呼び出す。

 曰く、その人は学術的に大切な案件を抱えていて、それに協力して欲しいのだという。

 

「私の二つ上の先輩なんです、その人」

 

「そうなのですか。ミウラさんの先輩……」

 

「聖王教会のお抱えの研究室を与えられてるとも聞きました!

 なんだかよく分からない内容を、よく分からない研究してる先輩なんですよ!」

 

「よくわからない?」

 

「『専門分野だから専門の勉強して初めてはっきりわかんだね』って言ってました!」

 

 どうやら相当に専門的な分野の学者らしい。

 ミウラは生真面目な性格の少女であるため、ある程度交流のある先輩の研究内容を、概要程度になら理解していてもおかしくはない。

 ただし、その研究内容が難しければ全く理解できないだろう。

 彼女の説明がこれだけ抽象的だと、その研究は相当に専門的なものであるようだ。

 

 ミウラに連れられ、とあるカフェでアインハルトはその少年と出会う。

 少年と言うべきか、青年と言うべきか、表現し難い年頃の男性だった。

 顔は線の細い美形で、髪は肩にかかるくらいの金髪、肌は陶器のように白い。

 儚げな雰囲気のその男は、アインハルトの知人の中から礼を挙げるなら、ヴィヴィオの容姿が一番近かった。

 とはいえ、兄妹にも見えない程度の近似であったが。

 

「初めまして。ブラック・ペイント・コゥキュゥシャーです。ブラックとお呼びください」

 

「こちらこそはじめまして。アインハルト・ストラトスです」

 

 この少年がミウラの二つ年上なら、アインハルトから見ても二つ年上だろう。

 アインハルトは格闘技の世界で有名人であったこともあって、年下の女の子に馴れ馴れしくする男や、逆にファンとして過剰に信奉してくる者と接することも多いため、一定の距離を置いて丁寧に接してくるブラックのスタンスには相対的に好感が持てた。

 

 喋り方に多少訛りがあるが、ベルカの流れを汲む地方に時々見られる訛りであるので、特に気にもならない。

 彼の目的は、アインハルトの中におぼろげに残っている先祖の記憶であるとのことだった。

 

「歴史資料の作成?」

 

「はい。これは我々『KBTIT一族』の職務でもありますのです」

 

 『Keep Belca Trust,Ideal Tourist』……通称、『KBTIT一族』。

 古代ベルカ文化の存続、長い時の経過によって発生する技術劣化の抑制、それらを目的として世界から世界へと旅する一族……であると、一般的に知られている一族だ。

 世間的な知名度は、スクライア一族と大差ないレベルだろうか。

 

 クボタイト一族とスクライア一族はかねてより、古代の文化や技術を発掘し、それを保存するという目的で協力することも多かった。

 本人曰く、ブラックはその繋がりでアインハルトの事情――先祖の記憶の一部を持っている――を知ったらしい。

 ユーノ・スクライアを育てた大人の一人であるタダノ・スクライアは、今でもKBTIT一族と深く密接にねっとりと繋がっているのだ。

 ユーノが知ったことの一部が、ここを経由してブラックの下へ辿り着いた形になる。

 

「是非あなたに協力をお願いしたい。覇王について、貴女ほど詳しい人もいないであります」

 

「私としては、トレーニングの邪魔にさえならなければ断る理由はありません」

 

「ありがとうございますです!」

 

 金髪の少年は深々と頭を下げる。

 礼を尽くしても慇懃無礼になっていないのは、どことなくこのブラックという少年の育ちの良さを感じさせた。

 

「では、簡単に説明いたします。今学会に起きている一つの論争を」

 

 ブラックが天才の類であるのは、ミウラの言及からも分かっていた。

 学者に分かるように学説を話すのは凡庸な研究者でもできる、凡人に分かるように説明できてこそ真の天才である……などと言う人も居るが、それもある意味では正しい。

 ズブの素人であるミウラとアインハルトに現在の学会の状態を分かりやすく、かつ手早く理解させるブラックの語り口からは、彼の才気が垣間見えた。

 

 要約すると、こうである。

 

 まず学会には『アルハザード、ホモで滅びた説』が存在した。

 「男の娘とか要するにホモだろ」「異常性癖やんけ」という反男の娘派閥が完膚なきまでに敗北し、男の娘の普及から連鎖的にノンケのホモ化が異常進行。

 ホモとその支持層が総人口の過半数を突破。

 更に女嫌いのホモラム教原理主義ホーモ派のホモリストのテロが発生し、アルハザードの女性は全員テロで死に、アルハザードは滅んでいった……という学説だ。

 

 この学説は多くの証拠も有り、支持する学者も多かったことから一定の評価を得ていたが、いかんせん決定的な証拠が発見されていなかった。

 アルハザード産のホモビが発見されるも、「これは危険なロストロギアだから」と管理局に回収されてしまったせいで、あまり研究が進んでいなかった。

 「ホモビ管理局かよ」と学者達は大きく反発したが、管理局は結局学者達のホモビ返還要求を受け入れることはなかったという。

 

 話を戻そう。

 

 この学説に最近波乱が起きている。

 そのきっかけが、スカリエッティの出現だ。

 

 ホモはスカを好むことが多いという。

 ならばスカリエッティはホモなんじゃないか、とまず誰かが提唱した。

 そしてナンバーズの服装の情報が出回り、ナンバーズにスカリエッティが直接抜剣していなかったこと、彼が真性包茎であり真の意味で抜剣していなかったことが広まると、「あんな格好のあんな子らに直接手を出してないとか間違いなくホモだわ」と確信を持たれたのである。

 

 スカリエッティはアルハザードの遺児。

 その彼がホモであるというのなら、アルハザード総ホモ説が正しかった可能性が極めて高い。

 同時に、ホモリエッティの能力の高さがアルハザード時代のホモの強さを証明し、ホモがアルハザードを滅ぼしたという推察の証明となるのだ。

 

 この学説が証明されれば、謎に包まれたアルハザードの実在が証明できるばかりか、その歴史にまで手をかけることができるかもしれない。

 

「自分はこのくだらない論争を早く終わらせたいのであります、アインハルトさん」

 

「そりゃそうでしょうね」

 

 アインハルトの呆れ顔を前にして、彼は更に言葉を続ける。

 

 この学説の証明のため目をつけられたのが、かつて古代ベルカに存在したというホモしか存在しない国―――野獣王国であった。

 

 かつてある世界のある星に、インカ大陸を統一したインカ帝国と、ムー大陸を統一したムー王国という二つの古代国家があった。

 二つの国は戦争を繰り返していたが、やがて統一王タドコロの手によって統一が完了される。

 統一された両国は両方の名を取ってインムー共和国と名を改める。

 そして統一から数年後、インムー共和国は野獣王国へと名を変え、統一王タドコロも野獣王タドコロへと名を改めたと伝えられていた。

 

 この国は古代ベルカでも指折りの隆盛を誇ったが、国民がホモしか居なかったために人口が全く増えず、やがて滅びたという。

 

 だが、大国であったためにその影響は大きく、現代においてもこの王国の影響を受けた人名や家名は多く残っているらしい。

 一転攻勢将軍ミウラ・タダノから名前を引用する者も少なくない。

 賢政大臣アヴェ・タカカズから名前を取った名字・アヴェニールであれば、管理世界で目にすることも珍しくはないだろう。

 

 学者達は、古代ベルカに存在したこの野獣王国を、超古代ホモ文明アルハザードの後継であるのではないか、と推測している。

 ホモで滅びたことがその論拠なのだろう。

 ゆえに、若いブラックに『古代ベルカを調べろ』という指示が回ってきたというわけだ。

 

「とにもかくにも、この論争に決着をつけたいのであります。

 自分はもう藁にもすがる気持ちで、アインハルトさんを頼りにするしか……」

 

「私にどこまでできるか分かりませんが、頑張ります。頑張りますとも」

 

 顔がいいくせにとてつもなく卑屈な雰囲気で、すがるようにアインハルトを頼るブラックに、アインハルトは『助けてあげないと』と奮起した。

 一刻も早くこの少年をホモ災害とも言うべきこの現状から救ってやらねばならない。

 その決断を一秒たりとも迷わぬほどに、その少年は哀れであった。

 

(私はかつてヴィヴィオさんに救われた者。

 かつて助けられた私だから、助けを求める誰かを、出来る限りは見捨てたくない。

 心が救われた時のあの嬉しさを、私の心が忘れない限りは、ずっとそうしていたい)

 

 自分が先祖から継承した記憶に『歴史的価値』が認められたことに、アインハルトは不思議なむず痒さを覚えるが、それで助かる人が居るならいいかとも思う。

 

「アインハルトさんアインハルトさん、先輩って格闘技もやってるんですよ!」

 

「そうなんですか?」

 

「はは……恥ずかしながら、昔格闘技をやっていたのであります。嗜む程度でありますが」

 

「ボクは試合見たことないんですけど……

 その荒々しいファイトスタイルから付いたあだ名が『野獣』!

 昏倒、野獣と化した先輩! 昏倒、野獣と化した先輩! って感じで!」

 

「いや、ワールドチャンプの前でお恥ずかしい話であります」

 

「ふふ、ではブラックさんがよろしければ、一度手合わせ願いたいものですね」

 

 ブラックが調べる。

 アインハルトが調べた彼の質問に応える。

 ただそれだけの、学術的関係。

 

 本来ならば出会うはずのない二人が、ホモに導かれ、奇跡の繋がりを持った瞬間であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アインハルトは彼と出会い別れたその夜も、ロードワークに勤しんでいた。

 俗に一日休めば取り戻すのに三日かかる、という無根拠な理論がまかり通っているが、修練の密度と頻度は高いに越したことはない。

 今日も鍛える。

 明日も鍛える。

 昨日も鍛えた。

 アインハルトは自分が懸命に鍛錬した一分一秒が、自分を裏切らないことを知っている。

 鍛錬した時間が自分を裏切らなくても、負けてしまうことを知っている。

 努力が無駄に終わるかもしれないことも知っている。

 ジークリンデ・エレミアに完敗したがために知っている。

 

 その上で、淡々と鍛錬を積み上げ、強くなっていくタイプだった。

 

「……ふぅ」

 

 ロードワークの合間合間の休憩に、ブラックから渡された情報集積&共有用の携帯端末を見るアインハルト。

 息を整えるだけの短い時間に、野獣王国などの情報がすらすら理解できるように文が構築されている。

 その上で、アインハルトにホモ関連の怪しい話題を読ませないよう、そういった部分の情報だけはブラックの手で隠されていた。

 

 ホモの学術論文を"シモネタ抜きパロディ抜きの礼儀正しい空想科学読本風"に再構築して読みやすく楽しめる文章にした、と表現するのが一番近いかもしれない。

 

(なんだか情報が随分検閲されているような……

 子供扱いとは失礼な。紳士気取りかもしれませんが、私も後数年で成人する年齢だというのに)

 

 アインハルトは検閲の跡に少し不満げだったが、彼女がどぎついホモ話を直視などしたら丸々一晩寝込みかねない。

 ブラックのファインプレーであった。

 ミッドの野獣先輩ことブラックはその辺ちゃんとわきまえている。

 アインハルトが先祖から受け継いだ記憶から、野獣王に関する記憶をまだ思い出していないのも幸運と言えるだろう。

 

 息が整った、さあまた走ろう、とアインハルトが動き始めたその時。

 空気の動きを感じた。

 殺気の動きは感じなかった。

 闘気の動きが感じられたのと、アインハルトが反撃を放ったのは同時であった。

 

 常人には事前動作のない抜き打ちに見えるほどに鋭く速い、振り向き断空拳。

 当たると確信したそれを、彼女の背後に居た男は、ぬるりと回避した。

 

「―――」

 

 相手の顔を見ようとするアインハルトだが、よく見えない。

 見えるはずなのに認識できない。

 どうやら高度な認識阻害魔法を自分の周囲に使っているようだ。

 これでは、相手の顔を正しく認識することもできやしない。

 「あのホモビ男優どこ行ったの? お前ら顔見たんだから見つけられるだろ?」と言われた者達がそのホモビ男優を見つけられないという法則性を利用した魔法だろうか?

 

 姿が見えているはずなのに正体不明のその男は、アインハルトににじり寄ってくる。

 

「クラウス……クラウスぅ……お前ホント可愛いなぁ……こっち来て、どうぞ」

 

「……クラウス? 私をその名で呼ぶとは、何者ですか!」

 

「まずうちさぁ……炎魔法あるんだけど、焼いてかない?」

 

 アインハルトでもなく、ストラトスでもなく、イングヴァルトでもなく、クラウス呼び。

 古代ベルカ時代の因縁、それも相当に深いものであると、アインハルトは察して構えた。

 構えたアインハルトに向けて、炎の矢の魔法が飛んで来る。

 

(私はこれを知っている)

 

 その矢を掴んで投げ返そうとして――脳裏に手が焼けるビジョンが見えて――それを止め、少女は横に飛んで回避した。

 

(これは……矢だ! 『焼星矢』だ!)

 

「火で死ね」

 

 火の矢を避けたアインハルトに、謎の男は殺傷能力のある光の魔法を発射した。

 

「陽で死ね」

 

 それもまた、アインハルトは跳ねるように回避する。

 

「冷で死ね」

 

 だが回避した先で、地面に手を触れた男が魔法を発動し、氷を纏った腕がアインハルトの足と地面を固定するように氷柱を発生させていた。

 

「アイスティーしかなかったけどいいかな?」

 

「くっ……!」

 

 古来、沖縄には(ティー)という格闘技があったとされる。

 これは後に唐手(トーティー)となり、唐手(からて)となり、空手になったと言われている。

 アイスティーとはすなわち、氷の手を意味する単語なのだ。

 サッーっと凍らされてしまったアインハルトは一瞬動けなくなるが、すぐさま繋がれぬ拳(アンチェイン・ナックル)の要領で拘束を破壊し、跳んで距離を取る。

 

「この技は……野獣王タドコロの技、『迫真空手』!」

 

「そうだよ(正解)」

 

 ハッキリ言って、この男とアインハルトの力はほぼ互角。

 いやアインハルトの方が正統派な分、有利が付いているとさえ言えるだろう。

 

 なのに、押されている。

 目の前の男に関する記憶を古代ベルカ時代の記憶から引き出そうとする度に、自己防衛本能のようなものがそれに制限をかける。

 少しでもかつてのベルカの王・野獣王のことを思い出す度に、背筋に嫌な予感が走る。

 そのせいで、アインハルトの腰は僅かに引けてしまっていた。

 

 先祖の記憶が、何故かこの男を異常に恐れていて、それが彼女の戦闘力を引き下げているのだ。

 

「『蛇拳・夜』……逝きましょうね」

 

 曲がりくねる拳閃。

 瞬く間に距離を詰める速度、変幻自在の軌道、必殺の威力、全てを備えた指先が首を掻っ切りに来る。

 まるで、首筋を狙う蛇のように。

 

「くっ」

 

「暴れんな、暴れんなよ……お前のそこが隙だったんだよ!」

 

 やがて回避にも限界が来て、蛇拳が空けたガードの隙間に双掌打が叩き込まれる。

 

「亞双打・当突」

 

 アインハルトはとっさに腕を差し込んでガードしたものの、吹っ飛ばされてしまった。

 

(逃げろ)

 

 彼女の記憶の中で、彼女の先祖たるクラウスが叫んでいる。

 絶望と、悲痛を乗せて。

 

(逃げろ)

 

 少女の脳裏にクラウスと親しくしていた男達の笑顔が浮かび、笑顔が失われてしまった男達の姿が浮かび、「守れなかった」と絶望するクラウスの悲しみが胸いっぱいに広がっていく。

 誰も死んでいないのに、怪我もしていないというのに、守れなかったとはどういうことか。

 逃げろ、と、クラウスの記憶が彼女に警告し続けていた。

 

(―――前の処女(どうてい)より先に、後ろの処女を失ってしまう!)

 

 逃げろ、逃げろと記憶が言うが、記憶に振り回されなくなったアインハルトに意味はない。

 こんな危ない人間を野放しにしてたまるか、という思考から対峙を選んだ。

 が、あいかわらず腰が引けている。

 

(これは偶然か……それとも、ブラックさんの頼みを聞いたことと何か関係が……?)

 

 このタイミングでこの敵が襲い掛かってきたことに、少女は何かを感じていた。

 ひとまず流れを断ち切らないと、とアインハルトが歯を食いしばった、まさにその時。

 

「伏せなさい、お嬢ちゃん」

 

 刀を手にした一人の女性が、文字通りの『助太刀』を放った。

 

「迫真一刀流―――淫夢之一太刀(いんむのひとたち)

 

 刀から魔力の刃が放たれる。

 物理破壊設定をカットし、空間を根こそぎ押し潰すように拡散する斬撃であった。

 切断力が無いに等しくなった代わりに、面制圧力を増した実践的な変形斬撃。

 斬撃が通り過ぎた跡には、謎の男は存在せず、おそらく逃走したであろうことが見て取れた。

 

 女性は抜いた刀を鞘に収めて、パチンと鳴らす。

 

「ふう。ブラックの頼みを聞いた子がいると聞いて街に帰って来たら、案の定だったわ」

 

「あの、あなたは……?」

 

「悶絶調教師のタクマチよ。タクマチ・タクヤ。

 ブラックの姉代わりのKBTIT一族にして、ミッド生まれの美女と知りなさい」

 

 出会うべくして出会った二人。

 

 過熱した欲望は、遂に危険な領域へと突入する―――

 

 

 




 別にTS設定キャラってわけじゃないんですけどTSタクヤさんみたいな人を出せばTS好きな人に対するマーケティングは成功かなって

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