なんだかんだでヒナタは3歳になり、影分身を出せるようになった私は、影分身を死の森でこっそり修行させるようになった。
経験値も入るが疲れも入ってくるため、お昼寝の時間が30分程伸びたが、怪しまれてはいないようだ。
「ヒナタ様、お召し物は桃色と黄色、どちらに致しましょう?」
「ん~桃色!」
「かしこまりました。お召し物に合うような帯を探させます。」
原作でも付き人として出てきていた、日向コウ。
ここら辺は変わらないらしい。
今日は3歳の誕生日。
…ショタネジとの出会いと誘拐事件、二つのイベントがある日だ。
桃色の着物を選んだあと、父上のいる部屋を白眼で探す。
…便利よね、白眼。
探し物、探し人、探敵など色々使える。
秘密の修行で白眼を(影分身が)使う内に、点穴も見えるようになり、見える範囲も広がっている。
「父上見つけた!」
「あ、お待ちください、ヒナタ様!」
叱られないよう、音を立てないで走らずに早歩きで移動する。
(ヒナタ様…どんどん早くなっていらっしゃる。追いつけなくなるのも時間の問題か…。)
付き人が焦りを感じている事などつゆ知らず、父のいる部屋の前に座り、声を掛ける。
「父上、ヒナタです。」
「うむ。入れ。」
「失礼します。」
「どうしたのだ?もうすぐ着替えの時間だろう?」
「緊張してしまって…父上といれば落ち着けるかと思いまして…ご迷惑でしたか?」
「いいや。何よりも優先するべき事はヒナタの事だ。迷惑など思うはずはない。」
「私、父上大好きです。」
「私も、ヒナタが大切だ。」
「お父様、お願いがあります。」
「なんだ?」
「今日は一緒のお部屋で眠っても宜しいですか?」
「構わんが…どうしたのだ?」
「今日、分家も宗家もみんな一緒にお食事をするでしょう?その後に1人で眠ると、寂しくなりそうで…。」
「そうか、なら一緒に寝よう。」
(今は私にベッタリでも…将来、この子にも恋人が出来、結婚とする日が来るだろう…ヒナタを守る事が出来るか手合わせして確認せねばな。)
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「久しぶりだな、ヒザシ。」
「ヒアシ様、お久しぶりでございます。ヒナタ様も、お久しぶりです。」
「お久しぶりです。ヒザシ叔父様。」
「ネジ、挨拶なさい。」
「え、えぇ。ヒザシの息子のネジです。宜しくお願いします、ヒナタ様。」
「ヒナタです。宜しくお願いします。」
(なんか…ネジ、驚いた顔してない?
あれ?知ってるのと違う…見たいな。…!まさか…!)
「父上、叔父様、宴の時間までネジ兄さんと一緒にお散歩してきてもいいですか?」
「あぁ、構わん。」
「ネジ、行っておいで。」
「えぇ。…行こうか。」
「仲が…いいな。」
「そうですね…。それにしても、〝呪印〟を変えるって…。」
「その話は分家を集めてからにしよう。」
「…。分かりました。」
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「ネジ兄さん、私、ネジ兄さんに聞きたいことがあります。」
「奇遇ですね。僕もです、ヒナタ様。」
もし…私の推測通りで、ネジが協力者になってくれるなら、力強い味方だ。
「ネジ兄さんって…どこの国の人?日本?」
「…フランスだ。ヒナタ様は日本?」
「うん。日本生まれ日本育ちの日本人。」
「なんて妬ま…ゴホンッ…羨ましい。」
「…中身出てたよ?」
「気の所為デスヨ。」
「…。」
「ごめんなさい。」
「まぁ、いいや。」
「僕からも質問があります。
今日施される呪印の変更は…ヒナタ様が進言した物ですか?」
「そうよ。縛り付ける物から身を守る物へ。
死後白眼を封じるのはそのままに、宗家が分家を縛る機能が無い、「古い」呪印が「たまたま見つかった」のよ。」
「たまたま見つかった…ね。」
「私が本に興味を持った際に、「たまたま」巻物が落ちたの。片付ける際に、中身が見えた私は父上に読んでもらったわ。」
「それが、新しい呪印…ですか。」
「そうよ。ねぇ、ネジ兄さん。協力しない?」
「協力?」
「ネジ兄さんも内緒で修行、してるんでしょ?
ヒナタの誘拐事件、うちは事件、我愛羅やナルトの迫害…原作で起こった悲劇を回避するには、記憶の抜けは許されない。」
「二人いれば抜けが無くなる…と言うことか。
こちらとしても協力は願ったり叶ったりだが。」
「とりあえず…他に転生者が居るかもしれないから原作と違う動きを見せた人物を見かけたら報告…かな?」
「そうだな。」
「ヒナタ様、ネジ君、そろそろ時間です。」
「はい。分かりました。」
ヒナタは宗家の当主をハナビに押し付けるつもりです。
???「日向の当主なんてめんどくさい…」