中忍試験は突然に
「お前ら、中忍試験に出るぞ。
出立は明日、8時に出発だ。各自準備するように、解散!」
「…は?」
「…ん?」
「…な…」
「だから、木の葉で行われる合同中忍試験に出る。
お前らが下忍のままだと上忍に推薦出来んからな。」
「いや、待って、上忍推薦!?暑さで頭溶けたの?」
「なにピクニックに行く様にサラッと言ってくれてんだ、クソ上司。」
「2人とも落ち着いて…再不斬先生にもゴミクズ以下の脳みそを精一杯働かせた考えがあるかもしれないし…」
「…お前が一番ひでぇな、白。
優しそうな顔して…白から黒に名前変えたらどうだ?」
「…面白いとでも思ってんのか虫けら野郎。
いますぐ氷像にしてやろうか。」
「すまんかった、まじですまんかった。
ただ、書類は出した。これは決定事項だ。」
「「「………。」」」
この日、夜の第二演習場で戦死した上忍のうめき声が聞こえるという新しき怪談が生まれた。
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「本当に便利だな、この水。」
「結局これで行くのか…私は乗り物か?それとも便利屋か?」
木の葉から霧隠れに来た時の様に、水で移動する事になった一行。
…そういえば、それももう何年も前の事か…。
ネジ兄さんとハナビは元気だろうか。
結局、うちは事件が起きた気配も無く…やぐらさんが写輪眼により操られる事も起きなかった。
…仮に操られる事があれば私が解くからあまり心配はしていないのだが。
「そういえば、向こうでの宿はどうするんですか?」
私はふと気になり、先生に聞いてみた。
だが…この反応は…もしや…。
「…ん?」
「いや、その日の内に収まりませんよね?確実に数日間はかかりますよね?」
「え…宿…取ってねぇ…」
「「「…。」」」
「よく今まで上忍として生きてこれましたね。」
「…一緒に中忍試験でるか?」
「まぁ、最悪日向家に全員泊まればいいと思うけど。」
寧ろ、泊まりたい。
どうせ本戦は1ヶ月後なのだ。…ハナビといちゃいちゃしたいというのは当然の欲求である。
「良いのか…?」
「忘れかけているかも知れませんが、一応名門なんですよ…?」
「そういや宗家の姫さんだったな。
そんな設定忘れかけてたわ…」
「…お前が水影といちゃいちゃしすぎて忘れかけてた。砂糖製造機かと…」
「白、
色々案内する。」
「楽しみです。木の葉は色々と豊かだと聞いていますから。」
若干2名、スライディング土下座野郎の出来上がりである。
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「うわっ…でかい…」
「名門の権力ってスゲー!」
「先生、ツッコまれすぎて壊れた…もう…手遅れか。」
四人が見上げる先には、[日向]の文字。
日向邸前に着いた私は、チャイムを鳴らす。
「ヒィナ〜ァタ様ぁあ〜っ!ぬおっ!?」
「コ、コウ…?すごい音したけど、大丈夫?」
弾丸の如く飛び出して来たのは、日向に居た頃の世話役、コウであった。
当然、水に弾かれ…鼻血を垂らしながら立ち上がる。
「ヒナタ様の為ならば…例え火の中水の中海の底…どこへでも行けます…!この程度、障害にもなりませぬ…!」
「あ、大丈夫そうね。私達、中忍試験を受けに来たんだけど…先生が宿を取って無かった見たいで…突然で悪いけれど、案内できる?」
「当然でございます!さぁ、コチラへどうぞっ!」
コウのテンションに引き気味の3人を連れて、久しぶりに日向の敷地を跨ぐ。