アカデミーから下校してから、真っ先に向かうのは日向家所有の森だ。
人柱力になってからと言うもの、組手をしようにも出来ない私は、修行は人的被害が少なくて済む森で行うことにしていた。
(4代目水影やぐらの水鏡の術が使えれば幅が広がるのにな…。)
水を無制限に生み出す事が出来る上に、チャクラ量も余るほどある。
水鏡の術は、 接近してくる敵に向かって水でできた鏡を展開し、さらに同じ姿をした分身を発生させ、衝突させる術である。
対象が術や武器などを使用していたとしても、そのまま再現することができる。
こんな便利な術を、彼以外に使う人物を見たことが無いのだ。
前世の知識では、やぐらの出番…戦闘シーンがあまり書かれていない。
水鏡の術も、彼自身の能力なのか、磯撫の人柱力だったから使えたのかは分からないのだ。
血霧の里と呼ばれた時代の、やぐらによる恐怖政治。
それは、写輪眼による洗脳で起こったものだった。(原作知識より)
現実の霧隠れは、恐怖政治の〝き〟の文字も見当たらず、善政と言っていい。
秘密主義でもなく、彼が水影となって以来発展していると噂だ。
…つまり、彼は洗脳はされていない。
ただの爽やかかつかわいい系男子の水影である。
(ねぇ、磯撫は水影様の事知ってる?)
『彼が2~3歳の時に見たことはあるけど、詳しくは知らないな…。
僕が霧隠れに居た時も余り接点はなかったしね。
あれも、霧忍が操られてやった事だし…。』
(そっか…。)
個人的にはやぐらの年齢が気になっている。
身長143cm、体重38kg。
ナルトが彼と会った際には「ガキでガキで弱そう」と言われ、ムキになっていた。
だが、詳細は不明のまま。
…今さっきの磯撫とのやり取りで分かった事は、リンの中に入れられる前には既に2~3歳だと言うこと。
九尾事件が起こったのはその数年…3、4年程だろう。
つまり…私より5~7歳程年上。
私が7歳だから…12~14歳?
水影はその時最強だった者がなるらしいから、若くとも問題ないのだろう。
水の絶対防御、水の攻撃。
木の葉には、大規模な水遁を使う忍はあまりいない。
水遁使いは、水辺にて最も真価を発揮する。
再不斬も白も鬼鮫も、ついでにウタカタも霧隠れの抜け忍だ。
師匠不足ではあるけれど、砂隠れで尾獣なしの水遁使いよりは大分マシなのかもしれないが。
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「…はい?父上、もう1度…お願いします。」
「磯撫の事が霧隠れに知られ、水影やぐらとの見合いをする事になった。
心の準備をするように。
出発は1週間後。ヒナタの水の移動に頼る事になっている。
頼んだぞ。」
なんということでしょう…the・ご都合主義である。
これは…三尾はうちのだ!私ごと返せ!ってこと…かな?
あまりのやぐら情報の少なさに泣きたくなる件。