運命など簡単に破ることができる。あの人はそう教えてくれた。
だけど変わった未来すら絶望だったら?努力して手に入れた未来すら簡単に壊れてしまうものだとしたら今までは何の意味があるのだろう。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
何度も何度も謝る声がする。
これは神の悪戯なのか、何者かの強い意志によって仕組まれたものなのか。
例えどうであれ、この雛見沢という世界は終わる。私の死によって。
「どうして・・・こうなってしまったの・・・」
雨の中呆然と立ち尽くす少女。辺りには冷え切った肉片。
「嫌だ、またあの頃に戻るなんて・・・」
ただ呟く。
誰も、何も、答えるものはない。
何がこうしてしまったのかはわからない。どこで誤ったのか、何が違ったのか。
ただ、歯車が噛合わなくなったきっかけがあるとすれば「あいつ」が現れたことだ。
「あいつ」が現れてから私の人生、周囲の皆、雛見沢という世界すべてが変わったのだ。
「あいつ」が全てを壊した。
「こんなはずじゃなかった。あの頃に戻りたくない。死を恐れ繰り返した・・・」
「ひぐらしのなく頃に・・・か?」
何者かが冷たく言い放った。
その言葉には感情が籠っていない。
「お前らの全てが憎い。お前らの全てが悪い。お前らの全てが、全てが・・・」
男は喉を掻き毟りながらつぶやく。辺りに飛び散った血が水に流れ、消えていく。
虚ろな目をして、唱え始めた。
壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ壊シタイ
そして最後にこう呟いた。
―――だから、壊す。―――
次の瞬間、また一つ私の世界が終わりを告げた。