詩羽先輩と英梨々がサークルを抜ける......そりゃ2人ともオレなんかのサークルより天才漫画家紅坂朱音とのサークルの方がいいっていうのは理屈ではわかるよ?でも、だからってじゃあこのサークルはどうなるんだよ!2人がいなきゃこのサークルは......
「詩羽先輩、それ、もう決めたの?」
「わからない、それは〝柏木エリ〟の判断次第よ」
「......そう、わかった。とりあえず英梨々に聞いてみる」
「えぇ、そうしてくれると助かるわ」
☆
「ごめん倫也、私も次のサークル活動には参加出来ない、理由は「もういいよ、理由は詩羽先輩に聞いてる」......ごめん」
「今までサークル活動お疲れ様、〝柏木エリ〟」
「待って、倫也。来年は絶対一緒にやるから!今年だけ我慢してくれれば「だからもういいって言ってるだろ!!」」
「2人が成長するために必要なんだから仕方ないじゃん、オレのサークルより紅坂朱音のサークルの方がすごくて可能性を伸ばせるなら仕方ないじゃん......」
「ごめん......」
謝罪なんかいらない。だって、謝られたってどうしようもないだろ?じゃあ謝ってくれたからもういいよっていえばいいのか?そんなに簡単に許せるなら最初からこんなに2人に固執してない。でも、だからってオレの勝手な判断で2人の可能性を潰すわけにもいかないじゃん?オレは同じサークルの仲間である前に1ファンなんだから。もっといいものが作れるなら見たい。そのためにっていうなら仕方ないって諦めるしかないじゃん。
「オレも2人を超えるぐらい成長して、最高に萌えるゲームを作ってやる!柏木エリや霞詩子が居なくたって最高の萌えゲーを作ってやる!」
でもさ
「うん、頑張って」
オレだって2人とやりたかった。
「だから英梨々も頑張れ。オレはもう2人の邪魔はしない。オレはオレのやれることをするよ。今からもうライバルだ」
まだ一緒にやれると思ってたんだ。
「うん」
だからさ、これが最後の抵抗だ。
「あと最後にさ、もう2人とやるのはこれで最後にするよ」
「えっ?....なんでそうなるの?成長した2人がまた共闘って王道じゃない」
「王道とかそういうのじゃなくてさ。もういいじゃん。オレは加藤がいて、サークルみんながいてそれだけで良かった。でも居なくなるなら、もう一度ゲームを作るならまた最高のメンバーでやりたい。だからもう2人とは連絡も取らない。過去のメンバーとずっと連絡とってたら新しいメンバーが気を使っちゃうしさ。お互いにお互い勝手にがんばろうぜ」
「いや.....私は倫也と......」
「それじゃ、俺帰るよ。今日はそれを言いに来ただけだから」
それだけ告げるとオレは逃げるように家に帰った。しかし何故だろうか疲れすぎて幻覚が見えているのかオレの部屋に加藤がいた。......本当に何故いるのか。
「あっ、安芸君おかえり」
「お、おう、ただいま......じゃなくて!!聞いてくれ加藤!!」
「なぁに安芸君。安芸君がそういう時だいたいいい話じゃないんだよねぇ」
「なぬっ、貴様エスパーか!?」
「はいはい、それで話って?」
「スルーはつらいよー......それで話っていうのは」
今まであったことを話した。オレが話すのが好きで、加藤が聞き上手なのもあいまって思っていたこと全部吐き出した。何も解決しなかったけどスッキリした。スッキリしてきたら急に涙が......
「そっか。2人とはもうやらないんだね......安芸君はそれでいいの?」
「いいに決まってる」
「本当に本当?」
「......良くないに決まってるよ。でもじゃあどうしろっていうんだ!!2人を応援したいけど悔しいじゃんか!!今まで一緒にやってきたのにそれが全部無くなってそれでも強がって最後までサークルのリーダーとして振舞ってこれ以上どうしろって......」
全部吐き出して、涙が止まらなくなって、情けないって気づいてるけど加藤の前でなら今更どうってことないからいいって思ってしまう。結局一人じゃなんにも出来ないじゃんオレ......
「頑張ったね、安芸君。いっぱいいっぱい無理して。それでも強がった安芸君はすごいと思うよ」
そう言って頭を撫でてくれる。加藤はなんだかんだ着いてきてくれる。だからオレは安心してその場で眠ってしまった。
自己満足でしかないので本当にもうなんかアレですが。色々な作品でこうだったらいいなぁというのを連載は時間の都合上難しいので短編で出していけたらと思っている次第。ちなみに加藤が一番好き。