問題児と力を受け継いでしまった者が異世界から来るそうですよ?   作:皐月の王

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長い間更新開けてすいません!

明日からテストと入試勉強のためだいぶ開きます!


第6話:サウンドアイズの支店に行くそうですよ?

話を聞いた黒ウサギは案の定ウサ耳を逆立てて怒った。突然の展開に嵐のような説教と質問が雨霰のように飛んでくる

 

「な、なんであの短時間で“フォレス・ガロのリーダーに接触してしかも

喧嘩を売る状況になったんですか!?」

「しかもゲームの日取りが明日!?」

「それも敵のテリトリーで戦うなんて!準備する時間もお金もありません!」

「一体どういう心算でがあってのことです!」

「聞いているんですか四人とも!!」

 

「「「「ムシャクシャしてやった。今は反省しています」」」」

 

「黙らっしゃい!!!」

 

誰が言い出したのか、まるで口裏を合わせたかのような言い訳に激怒する黒ウサギそれをニヤニヤと笑って見ていた十六夜が止めに入る

 

「別にいいじゃねえか。見境無く選んで喧嘩を売ったわけじゃないんだから許してやれよ」

 

「十六夜さんは面白ければいいと思っているかも知れませんが、このギフトゲームで得られるものは自己満足だけなんですよ?この"契約書類"を見てください」

 

"契約書類"とは"主催者権限"を持っていない者たちが"主催者"となってギフトゲームを開催するのに必要なギフトである。そこにゲーム内容、チップ、賞品が書かれていて"主催者"のコミュニティのリーダーが署名することで成立する。内容は俺たちが勝てばガルドは全ての罪を認め箱庭の法の下に正しく裁きを受け、その後、コミュニティを解散する。自己満足極まれりだ。

 

「はぁ、仕方がありませんね。まぁ、いいです。 "フォレス・ガロ"相手なら十六夜さん一人いれば楽勝でしょう」

 

「何言ってんだ。俺は参加しねえよ」

 

「あら、分かってるじゃない」

 

「今回は参加させないぞ十六夜」

 

十六夜と飛鳥、俺の発言に黒ウサギが慌てる。

 

「だ、駄目ですよ!御三人はコミュニティの仲間なんですからちゃんと協力しないと」

 

「そういうことじゃねぇよ黒ウサギ」

 

十六夜が黒ウサギを制す

 

「これはなこいつらが"売って"ヤツらが"買った喧嘩"だなのに俺が手を出すのは無粋だぜ?」

 

「あら、わかってるじゃない」

 

「・・・・・。ああもう、好きにしてください」

 

振り回され続けて疲弊したのか肩を落した

 

「あはは・・・それじゃあ、今日はコミュニティに帰る?」

 

「あ、ジン坊ちゃんは先にお帰り下さい。ギフトゲームが明日なら

"サウザンドアイズ"にギフト鑑定をお願いしないと。水樹のこともありますし」

 

「"サウンドアイズ"?コミニティの名前か?」

 

「YES。サウザンドアイズは特殊"瞳のギフトを持つ者達の群体コミュニティで、箱庭の東西南北・上層下層の全てに精通する超巨大商業コミュニティです。幸いこの近くに支店がありますし」

 

「ギフト鑑定というのは?」

 

「勿論、ギフトの秘めた力や起源などを鑑定することデス。自分の力の正しい形を把握していた方が、引き出せる力はより大きくなります」

 

検討はついているが、正直言うと知りたくない。突然こんな力を得て・・・でも分からないところもある。知ってたら使い方もわかる。

 

"サウンドアイズ"に向かってる最中町の様子を眺める。途中桜の木があり飛鳥は不思議そうに眺め呟く。

 

「桜の木・・・ではないわよね?花弁の形が違うし、真夏になっても

咲き続けるはずがないもの」

 

「いや、まだ初夏になったばかりだぞ。気合いの入った桜が残っていてもおかしくないだろ」

 

「・・・・?今は秋だったと思うけど」

 

「あ?春先だから桜があるのは普通でしょ」

 

会話が成り立ってない。

 

「皆さんは」

 

「もしかしたら、別の時間軸から呼ばれたのかもしれないじゃないのか?」

 

「なるほど、だから季節がちがうのか」

 

「多分もしかしたら、時代も違うかも知れないな、黒ウサギ?」

 

「うぅ~、セリフを取られました。

はい、その通りです。竜輝が言う通り皆さんは、別の時間軸から呼ばれました。元いた時間軸で歴史や文化、生態系など所々、違いがあるはずですよ」

 

落ち込みながらも黒ウサギは説明する

 

「パラレルワールドか?」

 

「正しくは立体交差並行世界論というものですけど、説明はまたの機会に」

 

黒ウサギの説明が終わると"サウザンドアイズ"の支店に到着、今まさに店の店員が暖簾を下げるところだった。

 

「まっ」

 

「待ったなしですお客様。うちは時間外営業はやっていません」

 

「なんて、商売っ気のない店なのかしら」

 

「全くです!閉店時間の五分前に客を締め出すなんて!」

 

「文句があるなら他所の店へどうぞ。あなた方は今後一切出入りを禁じます。出禁です」

 

「出禁!?これだけで出禁とか御客様舐めすぎでございますよ!?」

 

文句を言う黒ウサギに対し、冷めたような目をする店員。取り敢えず黒ウサギを退かし前に出る

 

「唯の店員さんにそんな権限あるのか?店長と話させてくれ」

 

「私が一応店長ですが」

 

「・・・ならオーナーを出してください」

 

「なら、コミュニティの名前をどうぞ」

 

「俺達は“ノーネーム”ってコミュニティなんだが」

 

十六夜が躊躇無くそう名乗るが

 

「どちらの"ノーネーム"様でしょう。

旗印を確認させていただいてもよろしいでしょうか」

 

旗印が無いことをわかってて聞くとは、これが名前が無いことがここで不便になるとは、そう考えていると店の奥から

 

「いぃぃぃぃぃやほおぉぉぉ!久しぶりだ黒ウサギィィィィィ!」

 

着物を着た真っ白の髪の幼女が黒ウサギにボディーアタックして転がりながら、街道の浅い水路に着水

 

「おい、店長。この店にはドッキリサービスがあるのか?俺も別バージョンで是非」

 

「ありません」

 

「なんなら有料でも」

 

「やりません」

 

十六夜の表情は真剣そのもの、店長のの目も冷静。黒ウサギに飛びついた(強襲した)白髪幼女は黒ウサギの胸に顔を埋めてなすり付けてる。

 

「し、白夜叉様!?どうしてこんな下層に!?」

 

「黒ウサギが来る予感がしたからに決まっとるだろうに!フフ、フホホフホホ!やっぱり黒ウサギは触り心地が違うの!ほれ、ここが良いかここが良いか!」

 

見た目は子供、中身は変態親父って某探偵みたいだな

 

「ち、ちょっと、離れてください!」

 

白夜叉を無理やり引きはがし、頭を掴み投げ飛ばす、投げ飛ばした先に十六夜がおり、白夜叉を足で受け止めた。

 

「てい」

 

「ゴバァ!お、おんし、飛んできた美少女を足で受け止めるとは何様だ!」

 

「十六夜様だぜ。以後よろしくな和装ロリ」

 

ヤハハと笑い自己紹介をする十六夜。一連の流れを呆気に取られていた飛鳥は、思い出したように白夜叉に話しかけた

 

「貴女はこの店の人?」

 

「おお、そうだとも。この"サウザンドアイズ"の幹部様で白夜叉様だよご令嬢。仕事の依頼ならおんしの年齢の割に発育がいい胸をワンタッチ生揉みで引き受けるぞ」

 

「オーナー。それでは売り上げが伸びません。ボスが怒りますよ」

 

この時の俺は、奇しくも店長に「苦労してんだな」と言う眼差しを向けた、店長は「わかりますか?」と言う目だった。それはそうと、何やら耀が落ち込んでいる

 

「耀、どうかした?なんだか落ち込んでいるみたいだけど」

 

「・・・・まだ成長途中なだけ・・・・」

 

「?」

 

耀の言ってる事は分からないが、そんなこんなで白夜叉の計らいで店の中に入ることができた。

 

「改めて、私は、四桁の門、三三四五外門に本拠を構える"サウザンドアイズ"の幹部白夜叉だ。黒ウサギとは少々縁があってな。コミュニティが崩壊してからもちょくちょく手を貸してやっている器の大きな美少女と認識しておいてくれ」

 

「はいはい、お世話になっております本当に」

 

投げやりに受け流す黒ウサギ。その隣で耀が小首を傾げて問う

 

「その外門って何?」

 

「箱庭の階層を示す外壁にある門ですよ。数字が若いほど都市の中心に近く、同時に強力な力を持つ者達が住んでいるのです」

 

黒ウサギが描いた図をみて、それが、あるものに似ていることに気付いた。玉ねぎだしかもデカイ

 

「・・・・超巨大玉ねぎ?」

 

「どちらかと言えばバームクーヘンだ」

 

「そうだな。何方かと言えばバームクーヘンだ」

 

「え・・・デカイ玉ねぎに見えたんだが」

 

結論バームクーヘンになりました。黒ウサギはがっくり来ている

 

「ふふ、うまいこと例える。

その例えなら今いる七桁の外門はバームクーヘンの一番皮の薄い部分にあたるな。更に説明するなら、東西南北の四つの区切りの東側にあたり、外門のすぐ外は

"世界の果て"と向かい合う場所になる。あそこはコミュニティに属してはいないものの、強力なギフトを持ったもの達が住んでおるぞーーーその水樹の持ち主などな」

 

そう言って黒ウサギの持っている水樹の苗に視線を向けた。話を聞いたところあの苗は十六夜が世界の果てで蛇神を倒しゲットしたものだそうだ。

十六夜は人外ではないのだろうか…神様倒すって、化物かよ…

 

 

「ところで、白夜叉。あんたの口振りからしてその蛇と知り合いみたいだが、どうなんだ?」

 

「知ってるもなにも、あれに神格を与えたのは私だぞ。もう何百年にもなる話だがの」

 

「へぇ?じゃあお前はあの蛇より強いわけだな」

 

十六夜の目が物騒に瞳を光らせてる。

 

「当然だ。私は東側の"階層支配者"だぞ。この東側の四桁以下では並ぶものはいない、最強の主催者だ。」

 

そうか、道理で少し牽制していたが全て見透かされていたわけだ。俺は完敗だな

 

「つまり、貴女のゲームをクリアすれば私たちが東側最強ってことになるのかしら?」

 

「無論、そうなるのう。」

 

「そりゃ、景気のいい話だ。探す手間が省けた」

 

十六夜達は闘争心むき出しで立ち上がり白夜叉を見る

 

「抜け目が無い童たちだ。依頼しておきながら私にギフトゲームを挑むと?」

 

「え?ちょ、ちょっと御三人様!?」

 

「よいよ黒ウサギ。私も遊び相手に飢えている」

 

「ノリが良いわね。そう言うの好きよ」

 

「ふふそうか。しかしゲームの前に確認しておくことがある」

 

白夜叉は着物の裾から"サウザンドアイズ"の旗印の紋が入ったカードを取り出だし、壮絶な笑みで言う

 

「おんしらが望むのは"挑戦"かもしくは、"決闘"か?」

 

その瞬間、白夜叉の部屋が崩壊し別のところに投げ出させる。投げ出されたのは白い雪原と凍る湖畔そして水平に太陽が廻る世界。

 

「今一度名乗り直し、問うかのう

私は"白き夜の魔王"―――太陽と白夜の星霊白夜叉。 おんしらが望むのは試練への"挑戦"か?それとも対等な"決闘"か?」

 

「(白夜の星霊・・・そして夜叉なんて名前が気になったが、まさか神霊もあるなんてな、誰かにそっくりだ)」

 




次回の更新はだいぶ遅れます!

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