問題児と力を受け継いでしまった者が異世界から来るそうですよ? 作:皐月の王
まえがきのネタ尽きそうな予感
ノーネームメンバーはフォレス・ガロの居住区画を目指し歩いていた、すると飛鳥がふと気がついた
「あら?そう言えば竜輝君は?」
「あ、そう言えば言い忘れてたが、あいつなら、サウザンドアイズに泊まったぜ」
「ど、どうしてそれを言わなかったんですか!?」
「今言い忘れてたって言ったろ」
お嬢様と黒ウサギに言うのを忘れていた、寝る前に思い出した時に言えばよかったのだろうが、まぁいいかと思ったから仕方ない
「大丈夫だろ。白夜叉もゲームに間に合うように帰すって言ってんだしよ」
「なら、いいですが・・・あっ、見えました。あれが居住区画です・・・」
黒ウサギが絶句した。
ガルドとか言うやつは所有してる舞台区画ではなく居住区画をゲーム盤に使うらしいがその居住区画はジャングルに覆われていた。
「ジャングル?」
「虎の住むコミュニティだ。おかしくないだろ?」
「いや、おかしいです。フォレス・ガロの本拠は普通の居住区でだったはずです。それにこの木々まさか」
ジンはそっと木々に手を伸ばす。その樹枝はまるで生き物の様に脈打ち肌を通して胎動の様なものを感じさせた。
「やっぱりーー"鬼化"している?いや、まさか」
「虎の住むコミュニティとは聞いていたけど。よもやこんなにジャングルだとは思わなかったな」
「竜輝さん!?」
「ああ」
いつの間にかに御チビの後ろに竜輝が立っていた。竜輝の顔色が悪いように見える
「よぉ、間に合わないかと思ったぜ」
「間に合う様には、出たから間に合うさ」
そんな会話をしてると春日部が竜輝に近づきいきなり頬を引っ張り出した
「痛い痛い、どうしたのさ?」
「…別に」
拗ねたように言う。これはなかなかに面白い
「そう言えば竜輝、お前顔色悪いけど大丈夫か?」
「そんなに悪い?」
「言われて見ればそうですよ!竜輝何があったのですか、顔が青いですよ」
「竜輝君昨日何があったらそうなるの?」
「何があったの?」
「実は、昨日の記憶が少し無いんだ、白夜叉がお酒を勧めてきて、それを飲んでしばらくは覚えているんだけど…それ以降の記憶が無いんだ。おまけに頭が痛いんだまぁ、ギフトゲームには支障は出ないと思うから心配しなさんな」
「二日酔いかよ」
そうは言うが、面白いくらいに顔色が悪い、まぁ本人が大丈夫だと言うのなら、大丈夫だろうけな
「それより、ジン君。これを見て」
『ギフトゲーム名:"ハンティング"
プレイヤー一覧:久遠 飛鳥
春日部 耀
神薙 竜輝
ジン=ラッセル
・クリア条件 ホストの本拠地に潜むガルド=ガスパーの討伐。
・クリア方法 ホスト側が用意した特定の武具でのみ討伐可能。
指定武具以外は"契約"によってガルド=ガスパーを傷つけることは不可能
・敗北条件 降参か、プレイヤーが上記の勝利条件を満たせなくなった場合。
・指定武具 ゲームデリトリーにて配置。
先生 上記を尊重し、誇りと御旗の下、“ノーネーム”はギフトゲームに参加します。
"フォレス・ガロ"印』
「ガルドの身をクリア条件に・・・・指定武具で打倒!?」
「こ、これはまずいです!」
御チビと黒ウサギが悲鳴のような声を上げる。確かにこりゃ、厄介だ。
「ゲームはそんなに危険なの?」
「ゲーム自体は単純です。ですか、このルールに問題があります。これでは、飛鳥さんのギフトで操ることも耀さんと竜輝さんのギフトで傷つけることもできません!」
「どういうこと?」
いまいち理解が出来てないお嬢様に竜輝が丁寧に説明をする。
「"恩恵"じゃなく"契約"でガルドは自身の身を守ったんだ。"契約書類"のルールは絶対だからな。そのルールは神々の"恩恵"でも破ることは不可能なんだ。つまり今のガルドを倒すには、ギアスロールに書いている"指定武具"でダメージを与えるしか方法が無いんだよ」
「すいません、"契約書類"を作った時にルールも決めるべきでした。僕の落ち度です。すみません……」
自分の不手際に落ち込み謝罪する御チビに竜輝は御チビの頭に手を置く。
「気にするなよ、リーダー。人は誰しも失敗する、今は悔やむより、どう勝つかを考える方が先だ」
竜輝の言葉に春日部、お嬢様が頷く。ただ何度もいうが、竜輝は二日酔いを起こしてる
「それじゃあ、行くか」
そう言って竜輝たちは門をくぐった。
十六夜side End
竜輝side
「かなり生い茂っていますね。これでは、隠れていても分かりません」
「大丈夫。近くから何の匂いもしない」
「俺の耳にも特に怪しい音は入ってこない、見あたす限り何も無さそうだな」
門をくぐると目の前は木や草で覆われており道も分からない状況だった。
だが、耀の犬の嗅覚と俺の並外れた五感のお陰で問題ないのがわかる。あと、頭が痛い、胸も気持ちわりぃ、記憶がないのが辛い、昨日断れば良かったと後悔している
「風上にいるのに匂いがしないから建物の中に潜んでいる可能性が高いと思う
「じゃあ、まず指定武具探そうか」
飛鳥とジンに指定武具を探してもらい俺と耀は周りの警戒に当たった。耀は樹の上に立ち、俺は空中から見渡す
「駄目ねそれらしい武具やヒントも見つからないわ」
「もしかするとガルド自身がその役目を担っているかもしれません」
「なら方針を変えましょう。春日部さんのギフトと竜輝君の五感でガルドを探して」
「それなら」
「もう見つけた」
俺の目には森を抜けた先のツタが絡みつき廃墟みたいになった屋敷の中にガルドと思わしき、虎?が居るのが見える
耀を見ると目が金色になっていた。おそらく鷹の力の影響だろう、とても綺麗だと思った。地上に降りたち4人で屋敷を目指す。遠くから見たのと同じで屋敷全体をツタで覆われている
遠くから見たのと同じで屋敷全体をツタで覆われている
「ガルドは2階に居るから入っても大丈夫」
内装は酷いものだ。贅沢を尽くして作られた家具は打ち倒され散財している。おかしい、疑問を覚えた
ほかの3人も疑問に思った
「リーダー、この奇妙な舞台は、本当にガルドが作ったものなのか?」
「・・・わかりません。"主催者"側の人間はガルドに縛られていますが、舞台を作るのは代理を頼めますから」
「それにしても、罠がないのはおかしい気がする」
「うん、森は虎のテリトリー。有利な舞台を用意したのは奇襲のため・・・・・・でもなかった。それが理由なら本拠に隠れる意味が無い。ううん、そもそも」
「そもそも本拠を破壊する必要が無いだろ?」
「・・・うん」
耀は最後のセリフを取られたのが気に入らないのかムスッとした
「とりあえず戦力を分けよう。飛鳥とジンは1階で待機。俺と耀が2階に向かいガルドの様子と指定武具の情報を探ってくる」
「ちょっとなんで私が待機なの!?」
「そうです!?僕だってギフトはあります!足手まといには」
「「それに、二日酔いの竜輝君(さん)より大丈夫だと思うわ(ます)」」
「泣くぞ?じゃなくて、いいから聞いてくれ。ジンと飛鳥には退路を守って欲しいんだ。退路がないと撤退が出来ない。それと今回のギフトゲームは指定武具での討伐、これだと飛鳥のギフトは効かない。なら、ジンと一緒に退路を守るほうについてもらう方がいい。分かった?」
俺の説明に飛鳥とジンは不満そうだったが結局は納得してもらった。俺の心は斬り抉られたけど
「じゃあ、行きますか」
「うん」
耀と一緒に階段を上り終えると目の前に大きな扉があり両脇に立ち扉を上げると
「GEEEEEEEEEEYAAAAAAAAAAAAaaaaaaa!」
虎の怪物が白銀の十字剣を背に守るように立ち塞がっていた。
「飛鳥!ジン!今すぐ逃げろ!」
1階に居るジンと飛鳥に聞こえるように叫ぶ。ギフトカードから戦極の剣を出し構える、眼前に居る虎は恐らくガルドだろう後ろには白銀の十字剣
吸血鬼絡みなのか?
「耀!俺がガルドを引き付ける、その間にあの剣を回収してくれ!あれが指定武具だ」
「わかった!」
耀はすぐさま剣に向かって走り出した。
ガルドが爪で耀を襲おうとしたが俺が間に入り剣で受け止める。
「悪いが、ここは通すわけには行かないな」
爪での攻撃を剣で弾く、体調が悪く体が付いてこれてない、剣で防ぐのがやっとだ。ガルドの爪を受け止めてる間に耀が十字剣を回収した。そして、そのまま剣をガルドに突き刺そうとする。しかし、耀が剣を回収した瞬間俺は気が緩みガルドが俺を突き飛ばした。壁に強く叩きつけられる
「ぐはっ・・・ゴホッゴホッ!」
息が詰まる、呼吸がしにくくなる。
俺を突き飛ばすとガルドはそのまま耀に襲いかかった。耀が振り下ろした剣はガルドの爪に弾かれ勢いよく飛ぶ。
「あっ」
爪が耀を襲い右腕を切り裂く。
「耀!」
飛ばされ床に刺さった剣を抜き、ガルドの腕を切りつける、相打ちになるように、ガルドの爪は片腹を爪で引裂く
「ああ・・・ぐっ」
耀を抱き抱え、剣をギフトカードに直し逃げる。その際に、追い打ちと言わんばかりに、背中にもう一撃もらった
「あっ・・・」
意識が飛びそうになるが、歯を食いしばりそのまま走りだす。
「ごめん・・・耀」
味覚以外の五感を研ぎ澄まし、出せる最高スピードでジンと飛鳥を見つけ出した
「飛鳥、ジン、すまない仕留め損なった」
「竜輝君!」
「竜輝さん!」
血まみれの俺と耀を見て飛鳥とジンは驚く。
「耀を頼んだ」
耀をジンに渡し、傷口を抑えながらガルドのとこへ向かおうとすると飛鳥に止められた。
「どこにいくつもり?」
「ガルドの所だ」
「そんな怪我で行っても返り討ちにあうだけよ」
「けど、俺のせいで耀に怪我を負わせた…俺が奴を仕留めないと」
「それで、あなたが死んだら春日部さんは自分の怪我であなたを死なせたと思うわよ?」
「なっ・・・」
何も言い返せなかった、俺が耀に怪我を負わせた事をこう思っている。ならもし、俺が死んだら耀は自分のせいでと思うのだとしたら・・・そう思うと言い返せなかった
「私たちはコミュニティの仲間であると同時に友人よ。少しは私たちを信じなさい」
「・・・そうだな・・・わかった、なら、頼んだ」
ギフトカードから十字剣を取り出し飛鳥に渡す。
「これがが指定武具だ。ガルドは今虎になってる。動きが素早い。倒すには動きを封じないといけない・・・だが弱点がある」
「私もそれはなんとなくわかるわ」
「「今のやつには理性がない、ただの獣」」
「だから勝算はあるわ。ジン君、竜輝君と春日部さんをお願い」
「・・・はい、分かりました」
飛鳥の言うことに従いジンは耀と俺の応急手当を始めた。
「飛鳥、無事で帰って来いよ」
「ええ、竜輝君も私が帰って来た時に出血多量でご臨終ですなんてやめてよね」
「努力はするよ」
飛鳥が剣を片手に森の奥に進むのを見送ってから直ぐに出血と痛みから来る眠気に襲われた。取りあえず、後は飛鳥に任せようか、怪我人の俺は出ばれない。それにしても、耀にはとんでもない怪我を負わせちゃったな。
謝らないと・・・いけ・・・ないな・・・
そう考えていると。意識は闇の中に落ちていった
カルナ、エミヤ、クラウド、ドラクエ
次回はまた遅れるかもです!