雨の日の休日は部屋でのんびり煙草吹かしながら読書に限る。
そう思いながら叢雲に貸してもらった本を読みながらただただ幸せなキルタイムを過ごしていたら。部屋のドアを控えめにトントンとノックする音が聞こえた。
前回のこともあり全力で警戒しながらドアの方を注目していると
「司令官、いるかしら?」
この声は暁4姉妹長女の暁だ。
安心して扉を開けて暁を招き入れる。
暁はトレイにお茶のセットを持っている。
「ありがとう。お邪魔していいかしら?」
「勿論だ。いらっしゃい」
暁は手馴れた手つきでお茶を入れだす。
紅茶のいい匂いが部屋に漂ってくる。
お茶請けのクッキーを用意していると暁も手伝ってくれた。
「ありがとう」
「これくらいはレディーとして当然よ」
「流石だな」
お茶の準備も出来て、さあいざと言う時に、またドアをノックする音が聞こえ今度は返事を待たずにドアが勢いよく開けられた。
「テートクー!いい匂いがしますねー!」
「金剛……暁がいるんだ。少し静かにしろ」
「oh!sorry暁」
「いえ、気にしないわ、いらっしゃい金剛さん。あなたもどう?」
と言いながら金剛の分のお茶を用意しだす。
「いいんですか?oh!それはワタシが作ったcookieですネー!テートク、取っといてくれたんですネー!」
金剛の頭のアホ毛がブンブン揺れる。そう言えば時雨の髪の毛も嬉しい時に耳みたいに振れていたなぁ。
「金剛さん、準備出来たわ」
「thank!」
「美味しいわね、このクッキー」
「ワタシが作ったから当然ネー!紅茶もとっても美味しいネー!」
「ありがとうございますなのです」
「どっちもお互いを引き立てていて美味しいよ」
「これからはcookieを作る時は暁も誘うことにするネー」
「是非お願いするわ」
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暫く三人でお茶会をした後、少し散歩をしていると初春と白露が談話室で話しているのを見かけた。
「よう、二人とも」
「おや、提督、息災じゃの」
「やっほー!」
「二人とも仲良かったんだな」
「うむ。白露型はわらわ達初春型の後に作られたからの、実質妹みたいたものじゃ」
「ははっ!一気に妹が増えて初霜が喜びそうだ」
「今日も一日中若葉の世話をしておるよ」
「むー、でも妹になるとイッチバーンじゃなくなる……」
「何言ってんだよ、お前は白露型の一番艦だ。イッチバーンにかわりないよ」
「ホント!?」
「うむ、白露はイッチバーンじゃ」
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二人と別れて散歩を続けて、少し煙草を吸おうと思い喫煙室むかうと、先客がいた。川内型の川内と天龍型の天龍だ。
「!おう、提督、お前も煙草か?」
「喫煙室に来たんだ、当たり前だろ?しかし、川内も煙草吸ってたんだな」
「あんまり吸わないけどねー、後は球磨も吸ってたはずだよーアイツはホープだっけな?」
「ふむ……天龍はセッターで川内はラークか」
「提督は何吸ってんだ?」
「色々だな。1番のお気に入りはブラデビだ」
「あれ?でもブラデビって」
「ああ……残念ながらな」
「なになに?どうしたの?」
「ブラデビはもうすぐ販売終了するんだよ」
「あちゃー……」
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今度は古鷹型の古鷹と妙高型の妙高が作戦資料とにらめっこしていた。
「お疲れさん。次の作戦についてか?」
「あ、提督。お疲れ様です」
「次の作戦はこちらのルートの方がいいと思いんですけど、提督はどうお考えですか?」
「うーん……正直お前らの好みのルートを参考にしたいからな。皆に相談してみないと決定は出来ないな」
「参考程度でいいので」
「ふむ……じゃあこっちのルートかな」
「ありがとうございます。参考にしますね」
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夜になり、自室に戻ると、若葉はもう既に風呂に入り終わっているようだ。いつもふわふわでサラサラの髪の毛もしっとりと濡れていて、毛先から水滴がポタポタと落ちている。
「若葉、ただいま」
「提督、おかえりだ」
若葉の髪の毛をドライヤーで乾かしながら今日のことを話す。いつもと変わらない日常が何よりも愛おしい。