ハクトウワシは正義を求める 作:ベルマッキャン
なんかうまい官僚的言い訳用意出来ないかなあ、だけどなあ、ハイデマリーさんと博士達一緒に出すしか無いしなあ。
個人的にドスケベけもフレSSと言う下半身な話も書きたい。
ハクトウワシの呼吸は少しずつ荒くなり、何度かの深呼吸でそれを誤魔化す。
自身の抱えているM2重機関銃の撃鉄を起こして弾薬をおくり、確認すると彼女は落ち着いて言う。
「安全装置解除よし」
それと共にシャーリーとルッキーニー達が先に進む。
「レッツダンス!」とシャーリーが言うと作戦通りにバルクホルンは高度を上げて攻勢に備えた。
するとネウロイはハンマーヘッドの三つの穴からカブトガニのようなネウロイが射出され、
魚なら尾ひれがついていそうな上部から8つのカブトガニが飛び出てきた。
『子持ちししゃもだ!』
『うわっカマキリの卵みたい』
ルッキーニーと宮藤の感想と、『さっさと叩き落としますわよ』とやけに落ち着いたペリーヌの声が無線を満たす。
カブトガニは真ん丸の甲羅の前面と、甲羅上部に光線砲の砲台があるようだった。
ただ上部はトレーサー弾を込めた機関銃のように赤い光線をぶちまけており、ウィッチには多少利点のある火器であった。
大型ネウロイの後部に行ったペリーヌが真っ先に飛び出た三機のネウロイに狙われ、形成不利のペリーヌは下降して一端離脱する。
ネウロイ三機は一機残して飛び出た八機と共にシャーリー達を追いかける。
『舐めてますの?』
それに気づいたペリーヌは魔力を打ち切ってもろに風と対立し、急減速を行ってネウロイをわざと突出させる。
チラリと見たバルクホルンは「またやった」と言い、疑問に思っているとビクトリーロールで弾雨を避けているシャーリーがわざとバルクホルンの方へと連れてくる。
飛び出たネウロイがあえなく欠片になっていったのに対して、ハクトウワシは目の前から迫る敵に12.7mmを発射する。
銃火器らしい重たい銃声と、桜色のトレーサーが放物線を描く。
ヘッドオンの交戦故にハクトウワシとバルクホルンは手当たり次第に撃ちまくってネウロイと交差していく。
「何機残った?!」
「キルコンファーム(確認殺害戦果)3!まだまだ居ますよ」
「そりゃ結構な事だな」
バルクホルンはループを描いてネウロイの背後を狙うが、振り向いてハクトウワシに言う。
「私のは格闘戦に向かん!援護するから食い散らかしてくれ!」
「イエスマーム!フォロミー!」
残存する小型ネウロイは五機で、高度を復帰したペリーヌとシャーリーのコンビが空中で再集結してハクトウワシ
後ろに続く。
突入、打撃、離脱。
一撃離脱は安定性の高い作戦で、危険のある乱戦を避けれる術だ。
確かにスピットやハリケーンにベアキャットやムスタング、それに零式は格闘に向いているが危険を減らしてどれだけ果実を手に入れるかが軍事の基本である。
それを理解しているウィッチや航空兵は必然的にエースと言われる。
「ディキシー聴かせてやりますよーっ!!!」
第七騎兵隊の歌を口ずさみながら降下により増した速度で先読みの射撃により一機が撃ち抜かれてバルクホルンの止めで撃墜され。
続いて下部から算を乱して逃げ散る敵をもう一機撃墜する。
上昇で動きの鈍ったハクトウワシ達を狙って残余のネウロイは攻撃を仕掛けるがシャーリーとペリーヌの射撃、ルッキーニの頭突き染みた攻撃で敵は撃滅された。
『...諸君、悪い知らせというかすまない、敵は逃亡した。』
坂本少佐の言葉を聞いてネウロイの居た方向を見ると600キロ近い速度で内陸に引き返すネウロイと、示威なのか同じようなネウロイが三機もこちらをじっと見つめていた。
「連戦かあ、残弾は?」
「241発、大型相手にはジリープアー(訳注徐々に不利)の気がしています、一旦退きましょうよ」
ハクトウワシはそう言うと、救援に来たリベリオン海軍航空隊のウィッチが現れる。
坂本少佐は少し思案して引き上げを命じ、現場を後にした。
ー
シュウダンセンぷろとこる、シッパイ。
ケンショウノひつようヲみとム。
にんげん、ふエテイル、こうせいさくせんチカイ。
でーた、タリナイ。
しゅうしゅう、みとム。
ー
帰還への飛行中、宮藤は疑問を口にしてみる。
「そう言えば違和感を感じたんですよ、やけに最後のネウロイが集団的でした。
それにネウロイって子機を囮にしましたっけ」
それを聞いて坂本少佐が言う。
「あれは小さいがコアがあった、恐らく極小型ネウロイだな、戦線後方に浸透されたらやっかいだなあ」
「この前落とした大型とかにびっちり食いついてて空挺降下とか?」
シャーリーがそう言うとルッキーニは想像してあまりの気持ち悪さに震える。
バルクホルンは新型と言う言葉を聞いてあまり気乗りしなかった、開戦初期に高熱の特殊光線を打ち出すネウロイがドレスデンを丸焼きにしたのを知ってるからだ。
ルッキーニはモンテカッシーノ修道院をぶち壊した小型ネウロイを思い出して効率よく落とすかを考えてみる。
ハクトウワシはあまりこの世界の戦争を知らない、だがハクトウワシには後の世を多少知っているアドバンテージがあった。
それ故そろそろ核兵器が出てきて、グラウンドゼロ(爆心地)をガスマスクを着けた兵士達が焼けただれたアスファルトに足跡を刻んで進み行く姿が思い浮かぶ。
まさしく最終戦争だ、降臨したキリストも聖書投げつけてFワード叫んで金の予言の板で戦艦を叩き割りかねない。
「...そうだペリーヌさん!今日は妙に調子が良かったじゃないか」
坂本少佐はそう言うとペリーヌが顔を赤くして、恥ずかしそうに言う。
ハクトウワシはヘラジカ染みたけもの、ひとたらしだと思いつつ飛ぶ。
「えぇ!私彼処に別荘がありまして」
「なるほど、懐かしき記憶の地か!良いじゃないか」
「彼処の別荘の曾祖父の肖像画が夜中に動いて悪い子に襲いかかると言われて寝れなくなったものです」
何処か遠い、この世とは違うところを見ているようなペリーヌは少し不安を感じさせる。
シャーリーは思い出したように続いて言う。
「あー、ウチの家の地下室にも化け物潜んでたよ、悪さすると出てくるんだ」
「マーマの言い付け守ってたけど、お化けは出ちゃったね」
ルッキーニは笑ってそう言うと、皆が心からの笑顔で笑う。
「全くもってそのとおり!」
「はは日頃の行いさ!」
ウィッチーズは、笑いと共に帰路を飛ぶ。
ー『会議の時間』ー
扶桑皇国、首都東京。
東京の街並みは珍しく銀世界だ、千代田区の旧江戸城、現皇居はその中庭に小さな雪だるまが1つ作られていた。
皇太子妃とその子どもが軽井沢や長野でもないのに降ったからと記念に制作したからである。
未だ扶桑は戦争と言う物をもろに受けていない、太平洋信託統治領土等からの鉄鋼や、朝鮮と台湾の食糧は安定している。
だがそれでも刻々と戦線は近付いている、己の理由の分からない胸騒ぎの理由としてそれを割り当てることで、静かに城の主は会議室に向かう。
会議室には連合艦隊長官、海軍大臣、陸軍大臣、教育総監、内務大臣、大蔵大臣、内閣総理大臣が既に居た。
いわゆる御前会議、だが既に決めれるものは決まっている、これからするのは決定したことをむせ返し双方の傷口に塩を送る行為だ。
戦前の日本と言うのは財閥、マスコミ、陸軍、海軍、政府、関東軍と衆愚政治からの衆愚ファシズムと言う救い用のない政治である。
最も扶桑では関東軍は居らず、5.15事件で事実上の民主政治崩壊も起きていない。
それ故陰湿で田舎の村八分染みた下卑た状態で腐りきっ...てなかったころってありましたかね?。
何はともあれいつも通り。
「陸軍は陸戦特殊機械化歩兵を増員したいと?」
要望の書類を総理が読み上げる。
この権力が曖昧故に強い皇族と違い、明確ゆえ弱い総理は肉入り読み上げ機程度だ。
「連合軍司令塔は大陸反攻として空挺最低1個、機甲か歩兵を四個師団要請しています。
現在陸軍は2個旅団を欧州はロマーニャに展開しておりますから残りは動員して戦力化するのを考えて...
機甲1個歩兵3個がギリギリ抽出出来ます。
朝鮮や台湾から内地以外の動員と言う提案書も来ていますが私としてはむしろ彼らにそこを警戒してもらおうと思っております。」
阿南陸軍大臣はそう言うと海軍大臣が口を開く。
「陸軍大臣、お困りなら横須賀と呉から陸戦部隊を抽出致しましょうか?」
この発言は善意の思いやりなどない、悪意と皮肉だ。
所詮武装水兵が陸戦隊である、そんな連中を空挺降下させたり敵前上陸させる日本がおかしいのだ。
「海軍はいつから海兵隊を保有するようになったのでしょうか?
それはそうとしてまた船団が襲撃されました、最新の報せによりますと如月、弥生、神風が撃沈され残りもほとんど満身創痍らしいそうで。
横須賀でふじつぼと戯れてる戦艦は宿泊所ですかな?」
「なんだと陸猿」
「やんのか海坊主!」
「腹切れ腹ァ!!」
彼は理解した。
あぁ、明治帝が政治に介入しない理由がよーく分かるなあと。
今日も今日とて話が進まぬ会議、それに埋もれてひっそりと航空ウィッチの増員計画は流されて行った。
最後の会議は大本営マルチとかモンティパイソンの『国会放送に関するお詫び』でも見ておこう。
ー今回のネウロイさんー
デバステーター
これもヤマトネタ、ガトランティスと言う旧作ではアメリカ新作ではアッティラとチンギスハーンのユニゾン生命体の機体。
見た目はまんまカブトガニ、機動性高めでマルチロールのようだが対空は無理の様子。
武装関連は新作準拠。