ハクトウワシは正義を求める 作:ベルマッキャン
実はハクトウワシを見て絡ませられないかなーと思ってたら似たようなのあったなーと思ってたらストライクウイッチーズでした。
正義バカ一代ハクトウワシちゃんぐうかわいいから皆もアプリ版の保存された死海文書(ニコニコかようつべ)見ようね。
サンドスターと言う謎物質により人に近い姿に変わった動物達。
人はこれをアニマルガールと仮称、動物学者達の調査(に名を借りた絶滅動物希少動物の学術調査)を終え、触れあいと憩いのパーク開業をしようとしたのも束の間。
セルリアンなる謎の敵なのか良くわからない一応空気は読める存在が現れどったんばったん大騒ぎの末どうにか沈静化。
だったのだが
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じゃぱりパークは島嶼部に存在する大規模施設である。
詳しくは不明だがバイオテクノロジーやらなにやらを弄っているお兄さん達も居る。
だが人が足りず、あれこれ苦心して職員は施設を維持しようとしている。
無論時々けもの達に手伝って貰う、皆心が澄んでいる性善説の擬人化的存在ゆえ出来るのだが。
ハクトウワシは自ら進んで手伝っているけもの達の一人だ、定期的パトロールを欠かさず行い道中のセルリアンをまるで1944年以降のヤーボ(戦闘攻撃機)のように刈り取っていく。
愛する物は正義と自由と平等、私が行かねば誰がやる!。
そんな彼女は、スカイダイバーズと言う急降下大好きけもの愛好会を結成している。
「いやぁ良い天気デス!」
海兵隊礼服のような制服を着込み、黒いストッキングを穿いているのがハクトウワシだ。
髪はけもの時代のように白いショートで、羽は背中から生えている。
鳥系のけものは大抵服に違いがあれど、基本的にはそんなに変わらない。
「青空がやけに澄んでる、なんだか少し良くない予感がする」
そう言うのはカーキ色の米海軍軍服のような服を着たフレンズ、ハヤブサだ。
髪は茶色で男装してみれば人気俳優になれるのではと思えるほど顔もキリッとしている。
「何か起こっても私がバッチリ作戦立てて解決するわよ?」
経験に裏打ちされた自信バッチリと笑って、白い日本海軍礼服のような軍服を着ているのはタカだ。
頭が回るゼークトの言う「有能な働き者」に部類されるようなフレンズで、幾度も彼女達を助けている。
実は葛藤も抱えているがアプリ版メインストーリー第六章を参照してほしい。
「...ま、なら大丈夫か」
「デスね!」
気難しい顔から少し笑った顔になったハヤブサに、ハクトウワシは笑顔を見せる。
三人は山岳波に乗りつつ上手く急降下するべくさんがくちほーと言われる地域に移動を始め、
特にこれと言った出来事は起こらず予定の地域に到着した。
「ここデスね」
「私の3日の調査の結果風があーやっ...」
自信満々に説明を始めたタカは、突然空間がガラスのように砕け散るのを目撃した。
あまりの出来事に一瞬思考が停止したタカの両手を握ってハヤブサとハクトウワシは急降下を行う。
急いで逃げるとき初速を最も稼げる手段は降下してキロエネルギーを味方に着けることだ、重力は偉大である。
無論欠点として上空から攻撃を仕掛けられる、だが緊急時にはこれくらいしか対応出来ない。
「あ、あー」
空間の亀裂から飛び出て来たのは、黒く、まるで人間が作った潜水艦と言う船に似ていた。
タカは黒くバカデカイとしか表現出来ない存在が、何処かに進んでいる事と進路に何があるかを察す。
「まずいわ、あのままじゃセントラルパークが!」
「「エッ?!」」
正体とうが区別出来ない故に、一旦撤退を選んだ三人は急いで謎の空中浮遊する潜水艦に接近する。
見た目はしずくを横倒ししたかのような形状で、赤く発光する部分が下部に存在し上下を区別しているように見える。
スクリューは存在せず、何か黒い霧のようなものを吐き出して前進している。
すると、甲板にあたる部分から白煙を発して数本の赤い横線の入ったロケットのような物が飛んでくる。
「飛翔体?何よアレ!!」
ハヤブサはあきれるくらい無茶苦茶な奴だと思いながら本音をぶちまけつつ、飛んできた飛翔体を蹴って地面に突っ込ませる。
すると幾つかの飛翔体はある程度の距離に入ると、先頭の外郭を剥がしてレーザーを射出する。
直感と研ぎ澄まされたセンスにより一応の回避はできたが、空中浮遊する潜水艦は依然としてセントラルパークに進撃している。
セントラルパーク、実は限定的開業を行っている数少ないセルリアンの居ないちほー。
彼処にこんな奴が来たら、子供達が危ない。
それを理解しているが故に彼女達の心は「撤退くそくらえ!」の不退転であった。
「ハヤブサ!あえて突出して、私がバックアップに回る!ハクトウワシは下降して速度つけて奴に取っつけ!!」
「アイマムコマンダー!」
「ウィルコー!!」
タカの咄嗟に生まれた作戦は外したことがない、仮にはずしてもバックアップを用意するのがタカである。
...文字通りしたタカなんて考えたひげ爺はドイツ第六軍に転属のうえ覚悟されたし。
作戦通り敢えて突出し、挑発的な見せつける機動を行うハヤブサにレーザー砲撃が飛び狂う。
何発か飛翔体も飛んでくるが、タカの後方援護が効き打撃を与えられ無かったことに怒っているのか攻撃がより苛烈になった。
「所詮セルリアンもどきか、トムソンガゼルやミナミコアリクイより狩れる」
「もしかしたならば、もしかしたならば、何もかもが上手く」
そう安堵しかけた束の間、飛翔体の残りがハクトウワシを捉えた。
上方より飛んでくる攻撃をランダムに進路を変えるような機動をして回避するハクトウワシを真下に、こうなっては此方からとタカとハヤブサは空中浮遊する潜水艦に近づくも弾幕が理路整然とした隙の無い攻撃になっていた。
「まずいぞ、非常にまずい、奴は30分もすれば到達するぞ!」
ハヤブサの本気で焦った声と、弾幕射撃の砲声に脳をかき回される思いをしているとハクトウワシは遂に下部に取りついた。
飛翔体もさすがに誤射の危険によって射撃を止め、艦橋へ必死にハクトウワシが這い上がる。
そして迷うことなくハクトウワシは艦内に飛び込んだ。
ー
「あぁ^~けものさん達が楽しそうでたまりません~!」
ブーニーハットに羽を刺した帽子と、一般的作業服に身をくるんだ女性がだらしのなく開いたお口をした不審者のソレと化して外を眺める。
彼女の名はミライ、ガイドとして雇われ趣味を仕事にすると趣味の面に傾くから不味いと言うのをガン無視したパークガイドである。
でも愛情は天下一品、思いやりもある、少しネジが飛んでるだけである。
「ん?」
耳に似つかわしくない爆発音が飛び込んで来た事に辺りを見回す。
コノハ博士さんか!もしくはヘラジカさんが何かやっちゃった!?マンモスさんのほう?いやいや、大穴シロナガスクジラさん?。
原因になりそうなフレンズを思い浮かぶも姿は見えない。
いや正確に言うなればヘラジカが子供二人を肩に乗っけて相手しているが明らかに違う。
「...み、ミライさん、なにアレ??」
「...なんでしょうね」
あまりに突拍子の無い空中浮遊潜水艦と言う異常に困惑しつつ眼鏡として装着している計測器を起動する。
幾らなんでも非現実過ぎて三度確認した管理センターは緊急警報を発令し、全非職員退避命令を布告する。
鳴り響く警報音と共に避難誘導を始めるフレンズと職員達、すると赤く発光したその瞬間偶々誰も居なかったゲートが溶解、炸裂した。
ただの異種セルリアンではないと確信し、管理センターは内地の政府案件として本土への緊急通報を行う。
だが支援が来るのは、間に合わないだろう。
出来ることは避難を推し進めるだけ、そう確信しミライたちも避難誘導を開始する。
ー
艦内は薄暗く、非常灯のように赤色の光が暗い金属製の内郭を照らしている。
「落ち着け落ち着くんデスよ...」
丁寧な事に指揮所までの道筋は何故か書かれていた。
理由は分からないが、今さら戻れはしない、手早く済ませてパッカーンと撃破してみせよう、そう心に誓う。
「コッチっと」
だが指揮所には、何もなかった。
正確に言えば人などが居ない、あるのは赤く発光している四面体のみ。
「コア?」
内心不安ではあったが、ハクトウワシは全身全力で一撃を叩き込む。
その瞬間、白い輝きにハクトウワシは包まれ...
ー
金属が軋むような轟音が辺りを満たし、潜水艦は真っ二つに折れて地面に落着し少しして霧のように白く輝く何かを霧消させ骨のように黒い金属だけ残して消え去った。
「やったッ!」
ハヤブサが大喜びし、タカは深く安堵したため息をする。
...だがハクトウワシは、何故か消え去っていた。
「おーい、何処行った」
二人の探す声は、空へと飲み込まれて消え散った。
ー
"FRIENDS"と書かれたシコルスキーR-44ヘリコプターが空を行く。
極初期の、文字通り黎明期のヘリコプターだ。
濃い緑と薄茶を混ぜたウッドランド迷彩をしたR-44の操縦士は派手に地面が抉れて居るのを確認し、通信機を取る。
『上空警戒中のルクリリ03よりCP(コマンドポスト)へ。』
無線機からは落ち着いた口調の管制官の声が聞こえる。
立ち上がっている白煙を眺めつつマイクを握って操縦士は地点を報告し、数分すると濃い青色と薄い青の海洋迷彩を施された"脚"を着けた少女が現れる。
「FW211より501cp」
『501(501受信せり)』
「未確認のエコーはウィッチ、繰り返す未確認のエコーはウィッチ。」
『え?...了解、連れて帰投されたし!』
ソレを聞いてやれやれとため息をつき、ハクトウワシは謎の少女に担がれた。
西暦1944年、別世界に飛ばされたハクトウワシの帰還への戦いが今始まる。
ー出てきたネウロイさんー
はるしお型潜水艦
元ネタははるしお型潜水艦、自衛隊がようやく一線級に進歩した記念すべき艦艇。
ソレまではソ連軍にバカにされてる位にクソザコサバンナシマシマオオナメクジの潜水艦の逆襲の一歩。
これ以降はそうりゅう型潜水艦等の伊号潜水艦から進歩したと泣ける位に高性能になっていく。
また配備されている数が多く冷戦期の架空戦記には良く出てくる特徴がある。
個人的には現代よりあれこれ工夫していた冷戦期自衛隊兵器シリーズのが好きである。