新しい人生は新米ポケモントレーナー   作:とぅりりりり

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マリルリさん視点のポケモンたちの話。ほとんどポケモンの会話です。人間に聞こえてない。


どたばた手持ちズぱにっく

 

 マリルリの中のマリルリ。そう、私こそ最強のマリルリである。ご主人がつけてくれたスーパープリティーなマリーという名前があるけど気安く呼ばれるのは癪なのでマリルリさんと呼ぶがいい。

【マリーちゃん何ブツブツ言ってるの?】

 こいつはリーフィアのイヴ。クソ眼鏡が同行しているヒロってやつの手持ち。まあマリーって普通に呼ばれてるけどイオト以外なら呼ばれてもいいや。

【あんたはいいなーって思っただけ】

【ふぇ?】

 きょとんと首を傾げたイヴはとてもかわいらしいと思う。まあ主人からかわいがられてるからなぁ。いいなぁ。

【私もご主人に甘えたい……】

【イオト君じゃない、元のトレーナーさん?】

【そうそう】

 尻尾を揺らしながらイヴは私の話を聞こうとする。ちなみに今はトレーナーたちは全員不在だ。

 というのも、私達がいるのはポケモンアスレッチックパークという遊び場で、二時間ほどのびのびと遊べる娯楽場なのだ。どうしてもサイズの大きいポケモンは室内で動けないのでこういう場所でストレス発散させるトレーナーも多いとか。

 まあ、4人は入れないからぐ近くの店かなんかで終わるまで時間を潰すらしいので、私達みたいな普段から外に出ている手持ちはてきとーに時間を潰すに限る。

 

【イヤッホオオオオオオオオオオオオオオオオオ!】

 

 すぐ近くの大型滑り台から滑って空中で回転技を決めたアーケオスのアークが視界を横切っていく。あいつみたいにアホにはなりたくないなぁ。

 まああいつ馬鹿だけどイオトの手持ちの中でも最古参だし実力は確かなんだけどどうしてもこう、アホだからたまにそれを忘れてしまう。

【マリーはなんか遊ばないのか?】

 声をかけてきたのはガブリアスのガリア。見た目に反して真面目だから気を使っているのだろう。

【私は別に普段から好き勝手してるからねぇ……ていうか遊ぶっていう歳でも――】

 

【ヒャッハアアアアアアアアアアアアア!】

 

 今度はスケボーかなんかに乗って猛スピードで通過していくアーク。あれ……私より……歳上……なんだけどな……。

【歳は……関係ないんじゃないかな……】

 ガリアも過ぎ去ったアークの後ろ姿を見送りつつ言う。うん、まあ、あれは例外ってことにしてほしい。

【危ない!】

【えっ?】

 突然、離れたところにいたはずのボスゴドラのゴドルフがイヴを庇うように立つ。ガキンッと鋭い何かが当たる音。ゴドルフはほぼ無傷だが何者かの攻撃を受けたようだ。

【大丈夫か?】

【うん! ありがとうゴドルフ君!】

【でもいったい誰が――】

 ガリアがきょろきょろとあたりを見渡す。私も耳を澄ませてみると多分攻撃の主であろうやつの声が聞こえた。

 

【チッ……外したのん】

 

 負のオーラを纏うミミッキュ。それはヒロの手持ちのミックである。

 敵かと思ったら味方の内ゲバで私もガリアもなんとも言えない顔になる。事故とかじゃなくて明確な殺意を感じたんだけど。

【あ、ミックだ】

 イヴの声のトーンもなぜかいつもより低い。ていうか笑顔が怖い。

【私を倒せばご主人の一番になれるとでも思ってるの? 無理なの。おとなしく諦めるの】

【うるせぇ温室育ちのぶりっ子! 苔臭いんだよ!……のん】

【そっちこそ猫被って楽しいー? あっ、ピカチュウの皮だったね、ごめんねー!】

 

 突然ですが場の空気が最悪です。ていうかこいつら知らないところでこんなに険悪だったのか。

 

 きゃんきゃんと喧嘩が始まったのでおろおろとガリアが止めに入る。お前はいつもそういうやつだよな。真面目だよな。

 喧嘩のせいか手持ちたちが集まってきてなんだなんだと取り囲むようになる。4人の手持ち全員合わせて25匹。そりゃあ大所帯になるよ。まあ全員集まっていないのでこの場に25匹はいないようだが。主にまた一匹で楽しそうなアークとかもブランコ回転させてるし。

【こら、喧嘩はみっともないぞ二匹とも】

 険しい顔で仲裁に加勢したのはペンドラーのドーラ。さすがにどくのトゲがあるやつの近くで暴れたくないのか二匹ともちょっとおとなしくなる。

【まったく……仲間なんだから平等に愛されてるんだしいいだろ】

【私は別に気にしてないもん。ミックが突っかかってくるんだもん】

【え~? なんのことなのん? ミックわからないのん】

 怖い。腹が真っ黒すぎる。あいつのきぐるみの下は深淵か何かか。

【まあまあここはほら、みんなで遊んで仲良くしよう?】

 今度はシアンのカモネギであるネギたろうがミックをぽんぽんと気安く触る。すると布の下から伸びる触手でネギたろうがふっとばされた。

【勝手に触ってんじゃねーよカモ野郎! ……のん】

【ぐふっ……な、なんでオイラだけいつもこんな目に……】

【見えてる地雷を踏みに行くからじゃないかな……】

 至極冷静なバシャーモのシャモすけのツッコミにほかのやつらもうんうんと頷く。

 あれだ、ある意味ヒロがいないからはっちゃけているというか抑えがないからミックがいつもより不機嫌なんだ。

 すると、エミの手持ちであるコジョンドが嫌味ったらしく鼻を鳴らす。

【手持ち同士で仲が悪いなんてトレーナーの程度が知れるってものよ】

【ブーメランって知ってるか~? ツンデレおばさん】

 真顔でコジョンドに毒を吐くパチリス。それを聞いてコジョンドは怒りにまかせてパチリスがいたところに拳を振るうが全てかわされた。これぞ見事にブーメラン。

【や、やめましょう? ほら、この子たちも怯えてますし……】

 サーナイトが後ろに隠れた二匹を示す。まだ幼いラルトスとクチートだ。二匹とも卵から孵ってそんなに経ってないこともあってか喧嘩に慣れていないどころか多分バトルも慣れていない。

【まあ、そこらへんにしときなさいよ。これ以上暴れるなら私も止めに入るからね】

 ここいらで制御しないと本当に大喧嘩になりかねないし私も一応睨み合う二匹に言う。さすがに私に歯向かう気はないのか二匹とも【ふんっ!】と不機嫌そうにそっぽを向く。

 ――ヒロ……お前、がんばって気づいてくれ……。

 まあミックがヒロの前で隠すだろうから難しいだろうけど。

 まだピリピリとした空気の中、ラルトスは少しだけびくびくしつつもミックに近寄る。何かと思えばミックにきのみジュースを差し出した。

【これ、おいしかったよ。飲んで機嫌なおそ?】

 純粋なラルトスだったが、ミックはそれを鬱陶しそうに振り払った。

【そんなのでミックが喜ぶとでも思ったのん!? 目障りなのん!】

 あ、これはいけない。さすがに温厚な私もいけないラインを越えたといい切れる。

【あ……ご、ごめんなさ……い……】

 ラルトスは半泣きでその場から駆け出してしまう。サーナイトが止めようとするがちょうどスケボーで横切ったアークのせいで追いかけるのを止められてしまう。

【ん? 何かあった?】

 このKY鳥いいかげんにしろよ。いや、それよりも今はミックの方だ。ラルトスはエリア内にいるだろうし。

【お前さぁ……やっていいことと悪いことの区別もつかないわけ?】

【な、なんであんたが怒るのん!? あんな飲みかけ寄越すあいつが悪いのん!】

【ミック。ちょっと私も怒る。私を攻撃するくらいは別にいいけどラルトス君への態度はひどすぎるの】

【うるさいうるさいのん! 寄って集って――】

 ミックが癇癪を起こしたところにアークが羽でべしっと頭――まあきぐるみの方を叩いてこてんと首が倒れる。

【よくわかんねーけど、悪いことしたんならごめんなさいだろ】

 この馬鹿、真理を突きやがった。そういうところは嫌いじゃないわ。

【な、何するのん! 頭が倒れたのん! ひどいのん!】

【俺に叩かれて嫌な思いしたか?】

【最悪なのん! 謝るのん!】

【じゃあお前も謝れ】

 さっきまで一匹で楽しそうにしてたアホ鳥の面影はなく、年長者として真面目にミックを叱るアークはちょっと感動を覚えるほどにかっこいい。

【よくわかんねーけど誰かに嫌な思いさせたらそれがバトルでもない限りはちゃんと謝れ。俺もいきなりお前を叩いたことは悪かったし謝るよ。こうやって仲直りするのが仲間ってもんだ】

【あんたはだいたいいつも先に謝るものね】

 ゴドルフと喧嘩したときも私と喧嘩したときもたいていアークが先に謝っていた。今思うとアークはそんなに悪くなかったのだがこれもアークなりの世渡りなのかもしれない。

【うぅ……】

 一方ミックはまだぶすくれている。呆れているとらラルトスを追いかけたサーナイトが戻ってくるのが見え、なんか違和感があることに気づいて首を傾げた。

【あれ、ラルトスは?】

 

【そ、それが……遊び場エリアのどこにもいなくて……】

 

エリア内にいないということはつまりどこからか外に抜け出したということで、要するに――

【ど、どうするでちゅか!? ご主人様たちが戻ってくるまでに見つけないと!】

 チルタリスのチルが慌てふためく。レントラーのレンもおろおろしながら【た、大変だぁ】とぼやいている。

【落ち着けよ。ラルトスってことはテレポートして主人のところにいった可能性もあるだろ。サーナイト、お前ならそういうのわかるんじゃないか?】

 アーク、お前今日はやけに真面目だな。変なもの拾い食いした? 大丈夫?

【は、はい! 恐らくテレポートした可能性はある、のですが……あの子はまだ幼いですから不安定な技の使用で予期せぬ場所にとんだと思われます】

【場所の特定はできないか?】

【せめてはっきりとした痕跡があれば辿れるのですが……】

【んー……なら飛べるやつは飛んでラルトスを探すぞ。ニオイを辿れるやつは地上から頼む。あいつらが戻ってくるまで1時間もない】

 飛べるチル、アーク、ネギたろうはパタパタとエリア内から出ない範囲でラルトスを探しに――

【おいガリア。お前はやめろマジでやめろ】

 飛ぼうとするガリアをつかむ。音速出るんだから不用意に飛ぼうとするな。

【探せるやつは多いほうがいいだろ?】

【音速で飛ぶやつがこのエリア内で安全に飛べるならやってみろや】

 出力の調整ができてもかなり危ない。少なくともレベル差を考慮してほしい。今レベルダウンがかかってないので私達はほぼ通常の状態に近い。

【ぶつかるだけで怪我しかねないんだから地上で探すの手伝ってよ】

【うぐ……い、いざとなったら飛ぶからな!】

 さて、一方で匂いを辿っていたウインディが何かに気づいたように顔を上げる。

【すぐそばの森の方からニオイがするな】

【とりあえず、見にいく必要があるかしら】

 ミミロップのミミこが心配そうに森の方を見る。まあ、強いメンバーで迎えに行けばいいだろう。となると――

【私とウインディ、エンペルト、あとミックで迎えに行くよ】

 そう提案するとミックが嫌そうに奇声を上げる。ちなみにエンペルトは少し離れたところで私達のやりとりを我関せずとしていたのだがヒロの手持ちのことだし、その中でも一番強いのでメンバーに選抜した。

 

【私は子供の喧嘩に関わる気はない。見ての通り忙しい】

 

【いやそのセリフは完全にバカンス気分の格好するのやめてから言って】

 

 おもちゃのサングラスと一匹用のソファー、そしてなんか美味しそうな瓶ジュース片手にくつろいでる姿のどこが忙しいのか。ていうかあんたキャラ崩壊しすぎでしょ。めちゃくちゃ手持ちライフエンジョイしてるじゃん。

 ごくごくとジュースを飲み干したエンペルトは仕方がないとため息をついてサングラスを外し、起き上がって言った。

【とりあえず手伝ってやるがこいつは必要か?】

 翼で示したミックに呆れた顔を浮かべるがとりあえず元凶なのでラルトスに謝らせるためにもと思って選んでいる。実力? まあウインディもいるしなんとかなるでしょ。

【何かあったらテレパシーで知らせてくれ】

【わかりました】

 ウインディとサーナイトがそうやり取りしてこっそりとエリアから出て森の方へと4匹で向かう。

 時間はあんまりない。急がねば。

 

 

――――――――

 

 

 

【こっちだ。近いぞ】

 ウインディの嗅覚を頼りに森を進む。野生のポケモンはさすがにこちらをちらちら見ては来るけど襲っては来ない。

【まったく……なんで同じトレーナーの仲間なのにちょっとは仲良くしようと思えないの?】

 まだ不満そうなミックに小言を向けるとぴたりと歩みを止めるミックを見る。

【だって、一番かわいがられてないと捨てられるのん】

【……前のトレーナーか?】

 エンペルトが気づいたように言う。まあボールへの拒否感強かったしそんな気はしていた。

【ボール嫌なのもそれが原因?】

【ずっと、ボールで放置されるのは嫌なのん。一番じゃないと、かまってもらえなくて寂しいのん】

 いやヒロは大丈夫だと思うんだけどなぁ。イオトもサイズの都合で手持ちを常に出せないことは多々あるけど基本的に手持ちには甘いし。あまり前の主人はそういうところに気が回らないやつだったんだろうか。

【ずっとかまってくれないならいなくても変わらないのん。だから逃げたのん。次はもっとかまってくれる人間が来るのをずっと待ってたのん】

【だからって、手持ち同士で仲違いするのは違うだろ】

 あくまで仲間なんだから無意味な敵対をするのは正しくない。結局のところ、ミックにとって手持ちは敵という認識が強いせいでイヴにもきつくあたるんだろう。

【だって、ご主人のこと、まだ信用しきれないのん。この前のマッスグマみたいに、ミックのこともどっかに預けちゃうかもしれないのん】

【主人を疑うからお前はそう意地が悪いままなんだ】

 エンペルトがきつい言い方をする。でもまあ、それに関しては両者の言い分は理解できてしまう。私も昔ご主人のこと疑ったことあるしね。

 

『マリー、お師匠をよろしくね』

 

 ご主人は私を信じてイオトに託した。そう思えるまでしばらくは捨てられた!と勘違いしたこともある。

 けれど、私にしかこの役目は任せられなかった。私はご主人のそばにはいられなくなったけどそれでも、ご主人が信頼しているからこそ任されたこの役目を受け入れようと心に決めた。

【トレーナーとも手持ち同士とも関係は千差万別。前の手持ちと今の手持ちは違う。だから、そこらへん少しは考えなよ】

【わかってるのん……】

 突然、ラルトスの声が森に響く。ウインディがしんそくで駆ける私もそれについていくがさすがに速さでは一歩劣った。

 たどり着いた先でラルトスがスリーパーに迫られている。

【ぼくかわいいね。おにいちゃんと一緒に巣にこないかい】

【やーだー! かーえーるー!】

 へ、変質者だー! しかもオス同士で業が深い。

【へいっ! そこの危ないやつ! その子を放しな!】

 レベル的にこちらが上なのでスリーパーも逃げるだろう。そう思って声をかけたがスリーパーは全然引く気配がない。

【なんだぁ~? この子はおいらの巣で暮らすんだ。邪魔するな!】

【愚かなやつだ……】

 エンペルトが呆れたように鋭い氷をスリーパーの足元に発生させる。これで動きは十分止まる――が、直接攻撃をしない甘さが祟ったか、スリーパーはラルトスへ攻撃しようと力を高める。

【おいらのものにならないならここで死ぬがいい!】

【ひいっ!】

 全員、先制技で止めようと動く。この中ならウインディが一番速い。そう思っているとかげうちがスリーパーに直撃した。

【ぐうっ!?】

【さっさと消えるのん! この変態!】

 ミックのかげうちにつづいてウインディのしんそく、私とエンペルトのアクアジェットをもろに食らったスリーパーは目を回して倒れる。完全にオーバーキルだったけど仕方ない。多分死んでないしギリギリセーフ。

 それにしてもミックがラルトスを助けると思わなくて正直驚いた。完全に後ろで見ているだけだとばかり。

 

【ほら、ミック。言うことあるでしょ】

 助けたものの気まずいのか後ろに下がろうとするミックをラルトスの前に押しやる。しばらく無言だったがラルトスはこてんと首を傾げながらもミックが何か言うのを待った。

【ご、ごめんなのん……】

【ううん。僕怒ってないよ。だから、一緒にジュース飲んでくれる?】

【しょ、しょうがないから付き合ってやるのん!】

 仲直り(?)である。めでたしめでたし。

 が、そんなめでたしのタイミングでサーナイトのテレパシーが届いた・

【あと10分ほどで4人が来ちゃいますー! 急いで!】

【お、お前。そんなギリギリに連絡するんじゃあない! もっと前もってだな――】

 文句を今更言っても仕方ないのでウインディはラルトスとミックを背に乗せて言う。

【全速力で戻るぞ!】

【あ、私も背中乗せて】

【早く乗れよ!】

 背中もふもふだ。帰り道が楽で役得である。

【……私は乗せ――】

【お前自分の大きさと重さ考えろ! さすがにお前まで乗せて全速力は無理だよ!】

 まあ私含めて3匹もう乗せてるしエンペルトまで乗せたら重いし仕方ないね。

 ちょっとエンペルトが残念そうな顔をしている気がした。

 

 

 

 

――――――――

 

 

 

「みんな楽しかったか~?」

 ギリギリ時間内に戻ってきた。本当にギリギリで、戻ってウインディがくたくたになっているタイミングで4人が迎えに来たもんだから思わず焦ってしまった。

「ウインディ、やけに疲れてる? どうかした?」

 エミが不思議そうにウインディの頭に触れるが言葉も通じないし通じたとしても今日のことは秘密なのでウインディは力なく首を振るだけだ。

 ヒロが全員なでているのを見てやっぱりいいなぁと思いつつイオトを見る。全員いるのを確認しながらボールに戻していき、最後の私というところだがボールに戻さないまま何か差し出してきた。

「レモンからマリルリさん宛の手紙。最近ご無沙汰だったからなー」

 イオトからひったくるようにご主人からの手紙を読む。懐かしいご主人の字。嬉しくてついじわりと泣きそうになった。

「ま、連絡取ったらめちゃくちゃ怒られたけどなー俺……」

【お前が早くちゃんとしてれば会えるんだってば!】

 軽くイオトの膝を叩く。でも今日は手紙があるので少しだけ優しくしてやらないこともない。

 ご主人に私は言葉で伝えられない。だから、私は元気に、そこそこ楽しい旅の同行者とアホなことしつつも幸せであることを伝えたくてイオトに便箋をねだる。

 ご主人も元気で。体を大事にしてね。いつか必ず会いに行くから。

 

 

 




イヴ【私の出番は……?】
マリルリさん【次回】

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