このお話の題名?? それは───   作:ゼッケンマン

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気付いたら書いてた…
勢いと思い付きで書いてくんで、暇つぶしに読んでみてください、よろしくお願いします!


いちわめ!

「人生って一体なにが起きるか分かんないよね~」

 

僕は最後に、そう女神さまに言って手を振った。

視界が薄れてく中、女神さまも笑顔で手を振り返してくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから。

あっっっっという間に、15年の月日が経った!

この15年間はめちゃくちゃ濃かったなぁ、何て柄にもなく思っちゃうよね~。

あ、そうそう。

せっかくだから僕の事を簡単に自己紹介しないとね?

──コホンッ、僕は織斑桜(おりむらさくら)、4月1日生まれの15歳!

兄は一つ上の一夏(いちか)兄、そして9歳離れている姉、千冬(ちふゆ)姉の3人家族。

……両親は僕が生まれて何年後かに蒸発しちゃったんだって。

だから僕がここまで成長できたのは千冬姉と一夏兄、そして近所の人たちのおかげ!

本当に心から感謝してるんだ……!!

……えーと。

思わず熱くなっちゃったけど、この世界はIS(インフィニット・ストラトス)っていう僕の前世にあった作品らしいんだ。

らしいって言うのは、僕自身がその作品を知らなかったからね!

そもそも何で僕が転生なんてさせて貰えたのか?

それは女神さまによると‟運”! なんだって。

前世で僕が死んで、魂も消滅する寸前に一般人だった僕に能力が開花した。

それが幸運を司る能力。

そのお蔭で僕は女神さまに出会い、それこそ運(勿論、女神さまの温情もある)よく転生させてもらった。

転生先はお任せでこの世界に産まれたけど、それだけじゃなかった。

何と特典もいくつか貰ったんだ!!

元からある僕の幸運を司る能力は横に置いといて。

まず1つ目が、前世の記憶を引き継ぐ能力。

それで、2つ目が転生先の主人公の家系に産まれる。

この二つは女神さまからのプレゼントって言われた!

そしてこのくじ引きから3つ引きなさいって言われたんだ。

その時、僕の幸運を司る能力が発動しているなんて思わなかった……。

だって……万物を操る能力、読心する能力、無敵能力なんてのを引き当てちゃったんだから。

女神さまも綺麗な笑顔を引き攣らせてたなぁ……。

けど確かにこの能力が僕の体に入り込んだ瞬間、それぞれの能力の効果、性能、存在がバカげているのが分かった。

まぁ少なくとも任意で発動出来るっていうのは凄く助かったけど!

……最後に欲を言えば、幸運を司る能力君も任意発動できたらなぁって時々考えるんだ。

だって、いつ発動するか分からないって中々の恐怖だよ??

 

「……それにしても」

 

現在我が家は僕以外居ない。

……正確に言えば一夏兄は女子高に入学して寮生活、千冬姉はその学校の教師──あれ? もっとややこしくなった?? それならもっともーっと詳しく簡潔に!

──僕が小さな頃に千冬姉の親友にして一夏兄と僕の幼馴染のお姉ちゃん、篠ノ之束(しのののたばね)姉の開発したIS──通称、インフィニット・ストラトス。

束姉が夢見る宇宙生活活動を想定して開発されたマルチフォーム・スーツ。

開発当初は注目されてなかったけど、束姉が引き起こした‟白騎士事件”によって今までの兵器を凌駕する圧倒的な性能が世界中に知れ渡って、……宇宙進出よりも飛行パワード・スーツとして軍事転用が始まっちゃって、各国の抑止力の要がISに移っていったんだ。

それも含めて、束姉は姿をくらまして世界中を逃げてるんだって!

 

「ね、束姉(たばねえ)?」

 

「むふぅ~~!! 相変わらずさーくんはちっさくて可愛いね~!!」

 

と、世界中に追われている筈の束姉が僕の背中に抱き着く。

 

「あぁ~~久しぶりのさーくんの匂い! くんかくんか♪」

 

「……えーっと? 久しぶりも何も3日に一度は必ず家に来てるよね?」

 

「束さんにとってさーくんに会えない3日間は1年より長いんだぜい!!」

 

なんて束姉は言いながらも僕から離れてくれた。

改めて束姉に振り返る。

……うん、やっぱり普段通りの頭にウサミミを装着していてそれはそれは独特なファッションだね。

 

「──とりあえずお茶用意するね?」

 

僕は椅子から立ち上がり台所に向かう。

 

「はーい! お構いなく~!」

 

と言いながらも、既にテーブルの椅子に座りスタンバっている束姉。

この人といると楽しいなぁ、何て思いながらお茶を淹れる。

 

「──そーいえばさー、いっくん(一夏)はISを起動させちゃったけど、さーくんは何回してもダメだったね~」

 

束姉は難しい顔でそう言う。

……ISは、束姉にも予想外なことに女性しか乗れないものだった。

そんな訳で世界のパワーバランスが一気に崩れちゃって……女尊男卑が当り前の世の中になっちゃった。

だから一夏兄はISの事を学ぶ唯一の学園、IS学園に強制入学させられちゃったんだよね~。

まぁ千冬姉も教師としているんだし、あんまり心配してないけどね!

 

「それは大して気にしてないよ? それよりも一夏兄がISを起動させた翌日から今日まで、僕は身内だからってずっと家の中で軟禁状態。……流石に飽きたな~、学校にも行ったらダメだって言うしさ」

 

「……さーくんはISを起動できなかった。つまりは一般的な可愛い男の子だよ?? 頭がおかしい愚図共がさーくんを攫って人質にして、いっくんとちーちゃんを脅している間にッッ!!!」

 

「束姉、妄想に本気でキレないでよ…」

 

「や~、ごめんね~。つい束さんさーくんの事になるとすーぐ頭に血が上っちゃうんだよね~」

 

へらぁと恥ずかしそうに笑う束姉。

僕の事を本気で心配してくれてるのは本当に嬉しんだけど、時々暴走しちゃうんだよね。

……あっ!

 

「よーし、決めた! 今からIS学園に行こう!!」

 

「な、なんだって~?!」

 

こうして僕はひっさしぶりの外出に挑むのだった。

束姉がオーバーリアクションしてるのにはちゃんと反応してから、ね?

 

 

 

 

 

 


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