ONE PIECE 母は強し   作:ジェイ

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 ここしばらく世界がきな臭い。

 ルフィの活躍が目覚ましく、この最弱の海と言われるイーストブルーにもたびたび聞こえてくる程だ。まぁ所詮ルーキーの域をでない程度だが相手が悪い。小物をいくら相手をしても弱いもの苛めにしかならないし。

 だがそれとは別にたくさんの情報も入る。四皇がどうとか七武海が何やら、海軍や天竜人がまたもやなどは日常茶飯事ではあるが、昔の知人からあまりよろしくない事を耳にした。ちなみにシャンクスの事で遊びにきたシャンクス海賊団の連中を宴に誘い、さりげなくシャンクスとマキノを二人っきりにさせたところ両者とも満更でもなさそう。帰り際に

 

 「たのむからマキノもらってやれ。だが泣かせたら殺す」

 

 と言ったら

 

 「っ!やっぱり姐さんの差し金か!」

 

 と珍しく焦っていて顔を赤らめていた事から少なからず意識しているようだ。

 

 さらにちなみにではあるが私がしたのは単純で、シャンクスの子供は見たくないか?マキノの作る飯を常に食いたくないか?と幹部連中に囁いただけだ。それだけで皆が私の案にノリノリだ。特に後者は。

 

 そんななかやることはヤったのかシャンクスはマキノにまた近いうちに来ることを約束していた。

 余談だが宴のさいにダダンの所の山賊団を誘ったところ、失礼だがダダンに惚れた男が赤髪海賊団を抜けてダダンを娶る事になった。あまりに驚愕の事実に全員が絶叫をあげた後に祝福をした。まさかマキノより先にダダンに春が訪れるとは思わなかったが人が結ばれるのは良いことだ。さらに言えば幹部では無いが、賞金首であり1億ベリー程の猛者であることから私に次ぐ戦力となるのでこの島の安全は守られるだろう。

 まぁこのフーシャ村とダダンが住む山以外は守るつもりはないと言っているが、反対する奴もいないので問題ない。

 

 

 そんなこんながあったが私はシャンクスから得た情報を元に現在四皇のひとりで最強のひとりでもある白髭と立ち会っていた。

 

 白髭。エドワード・ニューゲート。

 白髭海賊団の船長であり私の兄と長くしのぎを削った好敵手。現在では最も海賊王に近い男だ。

 

 勿論私も面識はあるし幾度となく殺しあった仲ではあるが、兄が死に互いに落ち着いたので

 

 

 「グララララ!久しいな妹!何しにきた!また呑み比べか?」

 

 「それは後でするけど今日は別件だよ爺。つーか私はゴール・D・ロジャーの妹であっててめぇの妹じゃねえよ!」

 

 今や互いに過去を知る良き飲み友達でもある。子育てやら何やらで戦線を引いたのもその理由の1つだ。何せ出産祝いでこの白髭爺は島を1つ寄越そうとしたぐらいだし、それなりに気に入られてるようである。気に食わないとすれば兄の妹であった事から妹と呼ばれる事だ。何度海賊王の妹であって2番手の白髭の妹じゃないと言っても妹呼ばわりは変わらないが。

 

 

 「それで妹。お前は何しに来たんだ?呑み比べじゃねぇんだろ?」

 

 「わかっててきいてんなら殺すぞ爺。エースの事だよ」

 

 

 私がわざわざ白髭の元に来たのは他でもない息子のエースの事だ。

 

 「シャンクスから聞いたよ。あの子はいま仲間殺しの、隊長格を殺した男を追っているって」

 

 「………あぁ、間違いねぇ」

 

 「それはあんたが命令したの?それともあの子の意思?」

 

 「俺の命令だ」

 

 即答。つまりは

 

 「あの子の独断ね」

 

 「………わかってんなら聞くんじゃねぇよ」

 

 この男はある意味で嘘をつけない。その上でなかまを、家族を守るためなら平気で悪役になる。それが答えだ。

 

 「あんたの事は兄の次には知ってるつもり。そしてエースのことは誰より知ってるつもり。………あの子はあんたの元で幸せなのね?」

 

 「さぁな。だがあいつが俺を親父と呼ぶ限り俺の息子だ。子供を守るのは親の務めだろ?」

 

 「ふふっ。違いないね」

 

 この事が分かっただけで良かった。

 もしエースが嫌々白髭に従っていたなら。

 もし無理やり裏切り者の討伐を行っていたなら。

 もし………………。

 

 「良かったわね。エースから嫌われてたらあんた、今頃木っ端微塵よ?」

 

 「洒落にならねぇ洒落言ってんじゃねぇよ!過保護過ぎんだろ!?」

 

 「あら、子を守るのは親の務めでしょ?ならその障害はできる限り取り除くわよ。まぁ私が直々に鍛えたんだしそこらの将校には負けないだろうけど」

 

 もしあの子の人生を妨げるならその存在の一切を悉く葬る覚悟だ。

 例えそれが海賊王であろうと。現在最強の海賊団だろうと。世界政府や海軍、その他もろもろ細切れにしてやろう。過保護だと言われようが今の私の最後の宝を誰にも奪わせはしない。Dの意思は失わせはしない。

 

 

 

 絶対に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「それにしてもお前本当にロジャーの妹か?初めて見たときから見た目変わってないぞ?今何歳だ?」

 

 「は?今?55だけど?」

 

 「詐欺だろ!どう見ても20代だ!悪魔の実の副作用か!?」

 

 「努力の成果だよ!悪魔の実の能力で老化って認識は切り刻んだけど、徐々に小皺増えて悩んでんだよ!」

 

 「………お前、俺が言えた程じゃねぇけど大概反則だな。お前ほど敵にしたくねぇ奴はこの世に存在しねえょ」

 

 「若い奴には負けないよ!それはそうと今エースはどのあたりか知ってる?」

 

 「………はぁ。色々言いてぇ事はあるが教えてやる。エースは今アラバスタに向かってる。定時報告ではここまでだが間違いなく王都に向かってるだろう。俺が現状知るのはここまでだがこれで良いか?」

 

 「サンキュー♪久々に息子に会いにいけるわ!あ、後良いこと教えてあげる。武装色を常に纏えば若さ維持できるわよ!」

 

 

 「それをもっと早く知りたかったぜ!この妖怪若作り!」

 

 


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