BanG Dream! 5人の幼なじみと1人の先輩 作:ELS@花園メルン
今、行われているイベントのストーリーをアレンジした内容になります。
本編よりも書きやすくてつい、書いてしまいました。
厳しい冷え込みが徐々に強くなってきている12月
俺と蘭たちAfterglowは今日もライブハウスの練習スペースで練習を行っており、今は少し休憩タイムとなっていた。
「それでそれで~、薫先輩っ」
「あはは!瀬田先輩ってホント面白い人だな!」
と、ひまり、巴は同じ高校の先輩、俺と同じ学年の王子様ポジ(本人は女性だが)【瀬田 薫】についての話をしていた。
「それで、真さん。
今度、うちで出す料理の味付けなんですけど――」
「―――はこうするんでいいんじゃないか?
結局は羽沢さんの最終決定になると思うけどな」
俺は俺で、自分のバイト先の羽沢珈琲店でクリスマスシーズンに出す新料理の話をつぐみと行っていた。
モカは…、何かめっちゃ寒がって巴たちの近くで震えていた。
最後のメンバーの蘭は誰かから届いたメールを確認するために、携帯を見ていた。
「……はぁ!?」
蘭はそのメールを見て、驚いていた。
「えっ、蘭どうしたの!?
ってか、今の話全然聞いてなかったでしょ!?」
「うう、寒い…。
蘭の代わりにモカちゃんが聞いてたよ~。
夜の鍋は何鍋かって話だったよね~?
私は甘めな味付けのすき焼き~!
キムチは辛いからNG~」
「もぉ!モカ、全然違う~」
モカとひまりの会話は見事に噛み合っていなかった。
「それは置いといて、蘭。
なんか緊急の連絡でも来たのか?」
「もう巴~!
おいておかないでよ~!」
「緊急も緊急。
日菜さんからメール」
「日菜先輩から!?
ってか蘭て日菜先輩と連絡先交換するほど仲良かったんだ?」
と、ひまりは別の事に疑問を持っていた。
「日菜先輩は春に蘭ちゃんや香澄ちゃんたちと一緒に天体観測に行ったもんね!」
「うん。
それからたまに良く分かんないメールが来るようになったんだ。
私は『何かシャーって感じで、フルフルって感じの匂いがする』って言ってた」
うん、全く何を言っているのか氷川さんの意図が俺には分からん。
「凄いね…!
何を伝えたいのか全く、分かんないや…」
「それで~今回はどんなメールが来たの?」
と、モカが詳細を訊ねた。
「私たちに曲を作って欲しいってメール」
「それって、パスパレにって事か?」
巴は蘭にそう聞いた。
「うん」
「「ええええ!?」」
つぐみ、ひまりが驚いた。
「あ、そういや、そんなこと氷川さん言ってたような気がする…」
「…今になってそれを言われても…」
と、俺はそういえばそんなことを言ってたなというのを思い出し、蘭に話したが、まあ冷静に返された。
それから俺たちは一度、着替えに戻り、合流してからパスパレ【Pastel Pallet】の所属している芸能事務所へと向かった。
「Afterglowを呼んでるんだったら、俺別にいらないんじゃないか?」
何で連れてこられたのか、モカに聞いた。
「先輩は~あれですよ。
保護者とか監督責任者ってやつ~」
「いや、言っても俺たち一つしか違わないからな?」
「じゃあ、先輩。
暗い夜道を女の子だけで歩かせるんですか…?」
と、モカの言葉に反応した後、ひまりが言ってきた。
「はいはい、分かったよ。
って、言いながらも普通に中入れちゃったし…」
俺たちはてっきり入口で止められるのかと思ったが、蘭がパスパレに用のあるAfterglowってバンドなんですが、と警備員に言うとすんなり中へ入れた。
「おお~。
ここがゲーノー事務所ってやつですか~」
「わぁっ!
もしかして芸能人に会えたりするのかな!?」
関係者側の廊下を歩きながらモカ、ひまりはきょろきょろしながらそう話す。
「これから会うだろ?パスパレだって芸能人だからな?」
「あっ、そっか!」
と、巴の説明でひまりは納得していた。
少し歩くと、とある部屋の前にニット帽をかぶって待っていた氷川さんと同じパスパレのメンバーでベースを担当している女優の【白鷺 千聖】さん、俺と同じクラスにいるパスパレのドラム担当の【大和 麻弥】さんがいた。
「あ!蘭ちゃん!つぐちゃん!やしろん!
こっちだよ~!」
「日菜さん!
ど、どうも……」
当然、芸能事務所なので廊下では他の人も歩いており、氷川さんの声に反応し、俺たちの方を向く人も何人かいた。
「ごめんなさい。急に来てもらって」
「い、いえ!」
白鷺さんとつぐみが話をし、
「練習だったんじゃないっすか?申し訳ないっすね」
「まあ、ちょうど休憩時間でキリ良かったから大丈夫だと思うぞ」
と、俺は大和と話をしていた。
「ひとまず、スタッフさんから説明しますんで、中へ入ってください!」
と、麻弥たちに案内され、俺たちは部屋へと入らせてもらった。
中には他のパスパレメンバーと何人かのスタッフが待っていた。
普通に入る大和たちと違って、こういった場に慣れていない蘭たちは少し戸惑ってしまっていたので、俺が先頭で入りそれから蘭たちが続いて入ってきた。
「Afterglowの皆さん、今日は来ていただきありがとうございます。
あの、そちらの男性は?」
と、スタッフさんは俺のことを見ながら聞いてきた。
「あ、自分は八城 真と言います。
Afterglowのサポーターって感じです。
よろしくお願いします」
「あ、ご丁寧にありがとうございます」
ボソッ「先輩、凄っ!?緊張してないのかな?」
ボソッ「なんか、めっちゃ頼もしく見える~」
と、ひまり、モカがヒソヒソと話しているのが聞こえた。
やっぱり、皆、緊張している様子だった。
「そんなに緊張しなくても大丈夫よ。
…と、言っても難しいかもしれないけど」
白鷺さんはそういうが、皆固くなってしまっていた。
「えっと、今日は氷川さんからパスパレに曲を作って欲しいって連絡を受けてこちらへ伺ったのですが」
だから、俺が代表で話、スタッフさんへ本題を訊ねた。
「ええ、ぜひAfterglowの皆さんにPastel⋆Palettesの楽曲を作っていただけないかと思っています!」
スタッフさんからの言葉で改めてさっきのメールの事が事実なのだと実感し、蘭たちは驚いた。
「我々は皆さんの描く、歌詞や楽曲に大変魅力を感じておりまして!
特に、高校生である今でしか書けないリアルな歌詞は本当に素晴らしいです!」
と、こちらの楽曲についてスタッフさんはべた褒めしていた。
ちなみに、作詞をしているのは殆ど蘭である。
「だってさ~。
良かったねー、蘭」
「ど、どうも……」
蘭は顔を真っ赤にしていた。
そこからも話は進んでいき、要はパスパレのアイドル風味が多い曲とは全く違ったベクトルの楽曲を行うことでパスパレの成長に繋がり、さらにアイドルの曲を作ることでAfterglowの認知度も上げられる、というお互いに利の有る話だ。
しかし、その提案に対し、緊張が少しは解けた蘭、巴が意見を述べた。
「パスパレのことは嫌いじゃないですけど、話題作りのために曲を作るっていうのは……」
「蘭に同感です。
それに、私達自身、認知度を上げてどうこうしたいっていうのもないっていうか……」
と、自分たちの力ではなく、芸能人の力で自分たちの名を売るっていう考えに反対していた。
「蘭、巴!?
ちょ、ちょっと落ち着いてよ!」
と、ひまりが二人を止める。
「これは私達とあなた達にとって大きな話。
すぐに決断できることではないと思うわ。
急いで結論を出して、後悔して欲しくないの」
と、白鷺さんは言った。
「俺も――
この話をすぐに決断する必要は無いと思うぞ。
一度、話し合って、ゆっくり考えてからでもいいと思う。
別に、それくらいの時間はいただけますよね?」
と、俺はスタッフさんへそう尋ねた。
Afterglowの立場で考えると、まあ、蘭たちと同じ意見。
ではあるのだが、中立になって考えるとこれは認知度なんてものは置いておいて、Afterglowにとっても成長に繋がる良い機会だと俺は思う。
「ええ、すぐに決断せずとも構いません。
頼んでいるのはこちらの方なんですから」
「ありがとうございます」
それで話は終わり、俺たちは廊下へ出ていき、事務所から出た。
その途中、俺は送りに来ていた大和と話をしていた。
「急な話で申し訳ないっす。
やっぱり、皆さん混乱してますよね?」
「だろうな。
アイツらは自分たちが一緒にいるために音楽を始めたんだ。
認知度なんて求めてないだろうしな。
けど、この話はこっちにとってもそっちにとっても成長に繋がる話だと俺は思うんだ。
決めるのはあいつ等だけどな」
「そうっすね。
私の方もいい返答を期待してるっすよ。
お疲れ様っす」
「ああ、そっちもお疲れ」
俺はAfterglowのメンバーの方へと歩き、大和は事務所に戻っていった。
先日、今井リサ役の遠藤ゆりかさんの脱退の話が挙がりました。
わたしとしても、Roseliaのファンだったので、ショックではありましたが、
それでも、最後までRoseliaとして頑張る遠藤さんのメッセージを見て、最後まで応援したいと思います。
残り半年だけど、Roselia頑張ってください!
そして、5月以降は新生Roseliaと遠藤さんのこれからの活躍をお祈りしています・・・