BanG Dream! 5人の幼なじみと1人の先輩 作:ELS@花園メルン
一応、二篇構成でやろうと思います...
七人目のAfterglow編 Afterglowと夜の学校
きっかけは夏休み中盤の一つの言葉だった。
Side 真
お盆を過ぎた夏休み中盤の頃、俺達が通っている羽丘学園の登校日があった。
新学期の2、3週間前に登校することで生活リズムの建て直しや宿題の催促なんかを言わたりする。
登校すると久しぶりに見るクラスメイトや、夏デビューでこんがり肌の焼けた人などがチラホラいた。
そして、久しぶりに会った友達から変わった話を聞かされた。
「羽丘学園七不思議?」
「そうそう!
音楽室で夜な夜な鳴るピアノ、理科室の動く人体模型、誰かの姿が映る鏡、段数が増える階段、体育館のドリブル音、グラウンドの井戸からの手、って感じのがあるんだよ!」
「?待てよ、七不思議って言ってるのに六不思議しか言ってないぞ?後の一つはどうしたんだよ?」
「いや〜俺も詳しく知らなくってさ。
色々あるんだとさ、死んだ生徒の幽霊とか、美術室の動く絵画とかって憶測がさ」
「で、何でそんな話を俺に?」
「今日さ、
この言葉をきっかけに夜に俺は、俺たちは不思議な体験をした。
「―――――――じゃあ、この時間に校門前な!」
そう言うと、そいつはさっさと帰っていってしまった。
結局、夜に校舎に忍び込んで歩き回ってみることになった。
先生が言ってた、『今日から始業式まで校舎は閉める』という、のを話しても、『大丈夫!部活生のために体育館の方は鍵が遅くまで開いてるからさ!』と、ガッツポーズで、言われ止められなかった。
それから、夜9時近くに校門前に行き、友達を待っていると、
【悪ぃ!今日、行けなくなった!】
と、メールが来た。
ふざけんな!?
俺は呆れて帰ろうと思ったが、その途中声を掛けられた。
「あれ?真先輩?なんでココにいるんですか?」
「ひまり?それにお前らも、何してんだ?」
羽丘学園1年で俺の一つ下の後輩、上原ひまりを筆頭に美竹蘭、青葉モカ、宇田川巴、羽沢つぐみのお馴染み【Afterglow】のバンドメンバーが来ていた。
「え、えっと〜」
俺はひまりから詳しい話を聞いた。
なんでも、ひまりは夏休みの宿題が途中で難しくなり行き詰まったまま放置していたらしく、皆でやろうと思ったが、肝心の数学の参考書を学校に置き忘れてしまったらしく、それを学校が閉まるまでに取りに来ようという訳らしい。
「なるほどな...。
それで今に至ると」
「うぅ、はい」
「まあ、夜は暗いから気をつけろよ?」
「あれ〜?せんぱい、付いてきてくれないんですか〜?」
と、モカが言ってきた。
それに続いて、
「そ、そうだ!先輩も一緒に!!」
と、ひまりが腕を引っ張ってきた。
「て、引っ張るな!
参考書取りに行くだけだろ?」
「え〜?先輩、こんな暗い建物に女の子5人を置いて行くの〜?怖いなぁ〜」
と、モカがいつものような感じで俺に言ってきた。
「1番平然としてるお前が言うか...」
「つ、付いて、こないの...?」
蘭が、少しオドオドした感じで聞いてきた。
『羽丘学園七不思議』。
その実態を確かめるために俺は本来来ていた。
まあ、友達が来なかったから帰るつもりだったが…。
で、コイツらは夜の学校へ忍び込んで忘れ物を取りに行こうとしてる...。
なら、付いていってついでに軽く七不思議っぽいことを調べてくるか。
「分かったよ、俺も付いていく」
「やったぁ!先輩ありがと!」
「お〜、男ですな〜!」
「ふぅ......よかった」
「ん?巴ちゃん何か言った?」
「い、いや!?言ってないぞ!?」
つぐみには聞こえてなかったみたいだが、巴...。
俺には聞こえてたぞ、怖かったんだな...。
こうして、俺たちは夜の学校へ忍び込んでひまりの忘れ物を取りに行った。
教室へ着くと当然ながら真っ暗で、窓から差し込む微かな月明かりだけが頼りになっていた。
先頭にひまりがいて、俺は最後尾にいた。
「ひーちゃん、どこに置いたか覚えてる?」
「多分、机の中かも。
少し探してみるね」
ひまりは自分の席がある方へ行き、机の中を探し出した。
「......」
蘭が無言で少し震えていた。
後ろからモカが近づいているのが見えて、何がしたいのか分かってしまった。
「ら〜〜〜ん〜〜〜」
「うわぁぁ!?」
「うわっ!?な、なんだ!?」
蘭の驚きの声で巴が驚いていた。
「モ、モカが、急に後ろから声を掛けてくるから!」
「モカ、この状況でそういうのやめろよな」
「え〜?私は怖がってる蘭を和ませようとしただけだよ〜」
と、本人は言っているが嘘だな、と俺は思った。
「べ、べべ別に怖がってなんか無いし!」
「蘭ちゃん、暗いとこ苦手だもんね。
大丈夫だよ、すぐに出られるからね」
「つぐみ...!
だからそれは誤解だって何度も...!
って、先輩も微笑ましそうな目で見ないでよ!」
おっと、そんな風に見てたのか...。
蘭に言われて俺は気づいた。
「あった!あったよ!参考書!」
と、ひまりが参考書を見つけ喜んでいた。
「良かったね、ひまりちゃん」
と、つぐみも一緒に喜んでいた。
これで後は出るだけだな。
七不思議っぽいこと余り分からなかったな。
すると、蘭が
「もうこんな所出ようっ!!」
と、俺の腕を引っ張ってきたので、
「はいはい、帰りますよっと」
「そ、そうだな!か、帰ろう!」
「あれ〜トモちん怯えてる?」
「ち、違うからなっ!?」
と、特に怯えていた2人(蘭と巴)をモカが弄りながら、来た道を引き返した。
「さて、ひまりには何を奢ってもらおうかな?」
と、昇降口に着いたことで、ホッとした巴と蘭はいつものような調子に戻った。
「私、紗綾ん家のパン〜」
「私はつぐみん家のコーヒーを」
「ふふ、ありがとうございます」
ひまりはトホホといった状態だった。
「うう、分かりました〜...」
「...ひまり、俺も少し出してやるから元気出せって」
出ようとしてる4人と後ろから肩を落としながら付いていくひまりの後ろからひまりにボソッと話した。
「せ、先輩〜...!」
ひまりはとても喜んでいた。
なんか、神でも観ているかのような顔をしてたが...。
「...あれ?」
「ん?どした、蘭?」
「...鍵しまってる...」
「ええっ!?ほ、他の所は!?」
蘭の言葉に巴は焦り、隣、また隣とドアの鍵を確かめた。
俺も巴の姿を見ながら内心焦っていた。
このまま、下手をしたら他に鍵を持った誰かが来るまで過ごさなくてはならないんじゃないか!?
「う、嘘だろ...」
「...閉じこめられた...」
「もしかして、私たち始業式までこのまま...?」
「おもしろくなってきましたなぁ」
絶望していた、巴、蘭、ひまりとは裏腹にモカはフッフッフと言いながらそう話した。
「こんなの全然面白くない......!」
と、蘭は少し泣きそうだった。
「み、みみ皆、い、1度、おち、落ち着こ!
きっと、どこかに出られる扉が他にも...!
えと、えーとぉ...!!」
と、つぐみもパニクっていた。
そんなつぐみを見ていると内心焦っていた俺は何故か落ち着くことが出来た。
自分よりパニックになってる人を見ると返って冷静になれるんだな...。
「ほら、つぐみ、1回深呼吸しろって」
俺はつぐみに落ちつくように指示を出す。
「そ、そうですね...!
す〜は〜、す〜は〜」
と、つぐみも少し落ち着いた。
怖がってる3人は3人で固まっていて、モカはその3人をニヤニヤと見ていた。
「他の出口だけど、ここ以外だと恐らく開いてるとしたら体育館の方が開いてると思うぞ。
あそこは遅くまで部活をしてる生徒のために開放してるからな」
と、俺は助け舟を出した。
「こ、ここから体育館までって結構距離ありますよね...?」
「で、でも、ここでいても出ることなんて、出来ないし...」
「だ、大丈夫だよ!皆、一緒に行けば怖くないって!」
不安がるひまりと蘭をつぐみが励ます。
こういう時って、つぐみがやっぱり1番しっかりしてるなぁ。
こうして、俺たちは体育館への道を歩き出した。
夜はまだ長く、Afterglowを待ち受ける恐怖はまだまだこれからであった
モ「いきなり始まった次回予告〜」
真「本当、いきなりだな!?」
モ「今回はギター担当のモカちゃんがやりまーす。
皆、それどころじゃないからねー。ふっふっふ」
真「いや、お前が恐怖をジワジワと植え付けてるってのも原因の一つだからな?」
モ「??何のことですか〜?
まあ、それはさておき、次回は何と!
学校に閉じこめられた私たちのお話です!」
真「いや、知ってるから」
モ「......蘭やトモちんのあ〜んな姿やこ〜んなしぐさが見れまーす」
真「それって、今回の怖がってるしぐさの事だよな?」
モ「......ねぇねぇ、先輩?
避暑地って10回言える?
ひしょち、ひしょち、ひしょち、ひひょち......」
真「......」
モ「ばーいばーい!」
真「いや、逃げるなよ!?
次回は、Afterglowと七不思議!よろしくっ!」
茶番にお付き合い頂き感謝です。
まあ、そんな感じで次回も、お願いします。