結局俺のさつきが一番かわいい   作:簾木健

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遅くなってすみません!!

今回も楽しんでいただければ嬉しいです!!

簾木 健


さつきは無鉄砲でも本当にかわいい

「それでなんとか五人集まったから、書類は出しておいたんだけど部室とかパソコンの準備に時間かかるらしい。いつから始動できるのやら」

 

「ふーん、それじゃあ、康太にアタシ、東城さんに真中と外村の五人で映像研究部なの?」

 

「それに加えて淳平の知り合いの小宮山ってやつも入部するとかしないとか」

 

「ふーん……それで康太どんな映画作るつもりなの?」

 

「今のところはまだ考えてないな。部活が始動したら全員で考えよう」

 

「うん!!!」

 

さつきはすごく嬉しそうだ。そんなさつきを見ていると俺も嬉しくなる。

 

「たださつき。やっぱり離れるつもりはないのか?恥ずかしい」

 

「いや。やっぱり康太って人気あるみたいだし……」

 

「そんなことはないと思うがな」

 

今、さつきと一緒に登校してるのだが、さつきは俺の右腕に自分の腕を絡めてピタッとくっついている。登下校の際、さつきは必ずこういう風にくっついてくるのだが、慣れることはない。腕に伝わる柔らかい感触に朝から大変なことになりそうだ。しかも横を向くとさつきの綺麗な顔が近くにあり、どきまぎしてしまう。

 

「というかどこからそんな話聞いてきたんだよ?」

 

なんとかそういうやましい意識を吹き飛ばすために、質問をしてみる。

 

「中学の時から言われたよ。クールな山内と元気な横田って」

 

「なんだそれ。そんなの知らんぞ」

 

「そりゃ康太も横田もだけど、あんまりそういう噂が耳に入る感じじゃないじゃん」

 

「まぁそうなんだけどよ」

 

「だからこうして虫避け」

 

「はぁ……このやり取り何回かしてるが結局そう着地するんだよな」

 

もうそろそろ完全に諦めることにしよう。そうな風に思っていると校門が見え始める。

 

「そういや、人気と言えば東城がすごいよな」

 

「まぁね。さすがに上級生があそこまで毎日通ってくると康太も気になる?」

 

「正直邪魔だしな。それにこれから同じ部活なんだ。少し面倒かもと思ってよ」

 

東城目当てで入部したいというやつは来るはとても面倒だ。さつきも確かにと頷く。

 

「真中あたりにその辺は対応してもらうことにするけどな」

 

俺はニヤリと笑って昇降口で上履きに履き替える。そんな俺にさつきはそういうと思ってたと笑った。そうして二人でクラスに向かうとクラスの前が騒がしい。

 

「なんだ?」

 

「あれ、いつも東城さん見に来てる先輩たちじゃない?」

 

見ると三つ編みおさげの子に先輩2人が何か叫んでいる。

 

「見ろよ、これ!三つ編みにするくれーなら髪の毛切りゃいいだろ!あ?」

 

そうしてその子の三つ編みをガッ強引に先輩の1人がつかむ。

 

「康太このバック持ってて」

 

そこでさつきが跳びだした。さつきのこういうところは良いところでもあんだけど……今回はちょっと無鉄砲だな。それに……

 

「東城のツメのアカでも飲ませてやりてーよな」

 

その一言は女子に言ったらダメだろ。

 

「サイテー!!何が東城よ!見てくれで態度変わる男ってクソ以下だね!!あんたらみてーな連中ウロウロしてて1年全員困ってんのよ!!とっとと失せなこのボケ共!!!!」

 

そうさつきが啖呵を切ると足を振り上げて片一方の男に向かって振り落とした。いわゆるかかと落としだ。しかもそれでその男はダウンしてしまう。

 

「やった!見様見真似でかかと落とし。アタシ才能あるぅ~」

 

やっぱりさつきは運動神経いいな。もう一方の男はさつきのかかと落としを警戒してさつきから少し距離をとった。そこで俺も到着。

 

「さつきちょっとどいてろ」

 

そう言って突っ込みそうだったさつきを静止させて俺は勢いを生かして蹴りを繰り出す。その蹴りは見事男の顎に直撃しその男も伸びてしまった。周りからはおお~と感嘆の声があがる。

 

「さつき怪我はないか?」

 

「うん。大丈夫。そっちの眼鏡の子も大丈夫?」

 

「えっあ、はい!大丈夫です。ありがとうございます」

 

その眼鏡の子は立ち上がって頭を下げる。あれ?この子もしかして……

 

「お前東城か?」

 

「あっはい!そうです」

 

「えっ東城って……えーー!!!!」

 

普段は眼鏡とかしてないし、髪もおろしてるから一瞬気付かなかったけど、東城だな。というかさつき驚きすぎだろ。

 

「康太よく気付いたね!!」

 

さつきが信じられないという風に俺にそう言うが、そこまで気付けないほどの変化か?

 

「いや、どう見ても東城だろ」

 

「あたし全然気づかなかったよ」

 

「あはははは」

 

東城はそんな俺たちに気まずそうに笑っているところで、真中がやってきた。

 

「東城!!!大丈夫だったか?」

 

「あっ真中君。あたしは大丈夫。ほら山内君と北大路さんが助けてくれたから」

 

「そうなんだ!康太、北大路ありがとう!!」

 

「いいよ。別に」

 

「そうそう困ってる時お互いさまだし」

 

廊下の横に置いていた鞄を取りに行き、さつきの分はさつきに渡す。

 

「そういえば東城。映像研究部入ってくれるんだろ?これからよろしくな」

 

「そうだったね!よろしくね東城さん」

 

「あっ2人も入るんだ。うん。よろしく」

 

「入るというか俺が作ったもんだし」

 

「えっそうなの?あたしてっきり真中君が作ったものだと思ってて」

 

「……淳平はどんな伝え方したんだよ」

 

「あははは……」

 

「まぁ入ってくれるならいいや。さてそろそろクラスに入るぞ。先生も来る頃だし」

 

「うん!」

 

さつきはまた俺にくっつく。

 

「良い蹴りだったよ康太。かっこよかった」

 

「ありがとうさん。さつきはもうちょっと無鉄砲は直してくれ。心配になる」

 

「ふふ。でも康太が助けてくれるでしょ?」

 

「……仕方ないな」

 

「あっ!今嬉しいって思ったでしょ!」

 

「……なんのことだよ?」

 

「顔に出てるよ」

 

おれ、やっぱりかなわないわ。




いかがだったでしょうか?

なんかのんびり好きなようにかいてると落ちが似てくるなぁ……この辺は意識して変えていきたいです。

これからも少しずつですが、話も進んでいきますのでよろしければ楽しんで下さい!

ではまた次回会いましょう!!

簾木 健

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