結局俺のさつきが一番かわいい   作:簾木健

7 / 9
お待たせして申し訳ありません!!!

では今回も楽しんでいただければ嬉しいです

簾木 健


さつきは少し不機嫌でも本当にかわいい

「真中は映像部を知っているのか?」

 

「ああ!!俺も映像部に入りたくて泉坂に来たんだ!!」

 

「マジ?」

 

こんなにもはやく同士が見つかるとは俺も運が良いみたいだな。

 

「おう!!これから同じ部活になるみたいだし改めてよろしくな山内」

 

「康太でいいよ。こちらこそよろしく淳平」

 

「ああ!!康太も映像部ってことは映画を撮りたいんだよな?」

 

「まぁそういうことになるかな………俺は脚本を書きたいんだ」

 

「脚本?」

 

「小学校の時に泉坂の文化祭で上映された映像部の映画に見たことがあって、それがすごく今でも残ってるんだ。映像もなんだけど俺は脚本に特に惹かれてさ。それ以来脚本を書きたいんだよ」

 

あの時見た映画は子どもながらにすごく感動したのを俺は今でも鮮明に覚えている。それがあってこの泉坂をわざわざ受けた訳だし。俺の言葉に淳平は感動したのか、俺の両手をさっと掴みブンブンと大きく振った。

 

「嬉しいよ!!本当に嬉しい!!これから頑張っていい作品を作っていこうぜ!!!」

 

「あ、ああ」

 

なんかこいつ熱苦しいくらいあるな。まぁでも、作品を作るならこれくらいの熱量が必要かもな。先生入ってきた。

 

「ほら淳平。先生入ってきたから一旦な……今日は入学式だけだから、今度一緒に部活も見学に行こうぜ」

 

「お、おう!!」

 

前を見るとそこにはすごい美人な先生がいた。なんというか外村が好きそうな先生だな。というかよくクラスを見てみれば外村もいるし……やっぱり先生見てにやけてるな。

 

「でも、どっかでこの先生みたことあるな」

 

俺は記憶を探してみるが、すぐには出てこず今後思い出せばいいかとその思考を放り投げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「康太!!一緒に帰ろう!!」

 

「もちろん。ちょっと待ってくれ」

 

俺は先に荷物をまとめ終わって俺のところに来てくれたさつきを少し待たせて荷物をもとめていると、横にいた淳平がじっと俺たちを見てきた。

 

「どうした淳平って……そうか紹介してはなかったな。こちら北大路さつき、俺の彼女。さつきこいつは真中淳平。映像に興味があるらしくてさ。一緒に映像部に入ることになるかも」

 

「あっ!そうなんだ。よろしく真中」

 

「お、おう!」

 

なんか真中の視線がさつきの顔でなないところに行ってる……これは一つ言っておいた方がいいかもな。

 

「真中」

 

「え?なんだよ?」

 

「さつき変なことしたら……覚悟しろよ」

 

そう言ってニコリと笑う。俺の意図したことはしっかりと真中には伝わったようで、ブンブンと激しく首を振ってくれた。うむ、これなら大丈夫だろう。

 

「よし。じゃあ真中。また明日な」

 

「お、おう。じゃあな康太、北大路も」

 

「じゃあね」

 

さつきを連れなって教室を出る。

 

「さつき、クラスはどうだった?」

 

「よかったよ。別の中学だった子とも仲良くなれたし……あと凄い美人がいたね」

 

「……美人?担任の黒川先生か?」

 

「違うわよ。東城さんって人が……康太」

 

そこでさつきの声のトーンが落ちる。あっやべぇ口が滑った。

 

「ふーん、康太は黒川先生が美人で見惚れてたんだ」

 

「見惚れてねぇよ。見惚れてたのは外村の方だよ」

 

そう反論するも、さつきはプイっと知らん顔してしまう。普段は活発で元気で男勝りなさつきだが、嫉妬してむくれてしまうところは、本当にかわいい恋する女の子だと感じる。ふふっと俺が笑うとさつきはジトッとした目で俺を睨んできたので、俺はさつきの頭をポンポンとしながら言った。

 

「さつきは本当にかわいいな。黒川先生なんて比較にならないくらいかわいいよ」

 

「……バカ。そんなことでアタシが許すと思ってるわけ?」

 

「まさか。後できちんと埋め合わせするよ。なにがいい?」

 

「じゃあ今日は康太の部屋で寝ていい?」

 

「そんなことでいいのか?結局俺の横でいつも寝てるじゃんか」

 

一緒に住むようになってからさつきは自分の部屋ではなく、俺の部屋で寝るようになっていた。ただ普段は俺が寝た後で忍び込んで俺が朝起きるといる、という感じだった。昨日は夜な夜なゲームをしてたこともあり、最初から俺の部屋で寝ていたし、このお願いはえらくハードルが低いと今の俺には感じられた。そのため聞き返したのだが、さつきはコクリと頷く。

 

「そろそろ……()()()

 

その言葉に俺はギョッとしてしまう。するとさつきは悪戯をした後のように笑った。

 

「康太はからかいがいがあるねえ」

 

「さつき……この野郎」

 

そんな言葉にも跳びあがりたくなるほど嬉しい俺は本当に単純な人間だと思う。でも、それでもいいかなと思ってします俺は色々と問題だよな。

 

「さつき少し帰る前に時間もらっていいか?」

 

「いいよ。なにするの?」

 

「部活の確認だよ。映像部があるかどうか聞いてみないと」

 

「なるほど!!それは大事だね」

 

そう言いながらさつきは俺の腕に抱き着いてくる。

 

「さつきお前かわいいんだから……男子の視線が辛い」

 

「いいの。それにこうしていると康太にも良いことがあるんだよ」

 

「良いこと?」

 

「うん。こうしてれば、私が彼氏いるってことで告白されることが減るよ」

 

「…………ちょっとだけなら我慢するよ」

 

「さすが康太!!」

 

俺本当にさつきの尻に敷かれる未来しか見えないわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「映像部?そんな部活ないわよ」

 

「「えっ?」」

 

ただどうやら思い通りにはいかないものらしい。




いかがだったでしょうか?

少し甘さを控えめだったかもですが、ストーリーはのんびりと進んでいきます。

まぁのんびりのんびり書いていこうと思っていますので、よろしければお付き合いください。

では今回はこの辺りで!!また次回会いましょう!!

簾木 健

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。