結局俺のさつきが一番かわいい   作:簾木健

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ふう……なんとか書けました。

今回も楽しんでいければ嬉しいです

簾木 健


さつきは寝坊しそうでも本当にかわいい

「起きろさつき!!頼む起きてくれ!!いやすみません起きてください!!!!」

 

俺はさつきの身体を揺すりながら懇願していた。そんな俺の願いが通じたのかさつきがゆっくりと身体を起こす。

 

「ふぁぁぁ……康太なに?」

 

重い瞼をなんとかさつきが持ち上げようとするがやはりそれは重たいらしい。なにもないのなら、二度寝をさせてもよいのだが、今日はそういう訳にはいかないのだ。

 

「さつきごめん」

 

「うん?なんで康太が謝るの?昨日最後までゲーム勝たせてくれなかったから?」

 

「いや、それについては勝負だから後悔はない…ってそんな場合じゃない!!さつき起きて今すぐ着替えろ!!!」

 

「着替え?どういうこと?」

 

「完全にまだ頭回ってないだろ!!今日入学式なんだが……悪い俺も寝坊した」

 

「…………え?」

 

さつきが部屋にある時計を確認する。時間は今すぐ出て走ればギリギリ間に合う時間……さつきはサッと持ち前の運動神経をいかして起き上がる。

 

「康太!!私の着替えは?」

 

「昨日そこに置いといた!俺も着替える。時間無いからここで着替えさせてくれ」

 

「了解!!」

 

正直着替えているさつきをゆっくりと見たいがそんな時間はないため苦渋の決断をして自分の着替えに集中する。そしてすぐに着替え終わる。

 

「さつきそっちは?」

 

「大丈夫!!!」

 

さつきの準備も整ったようだ。

 

「よし行くぞ」

 

俺とさつきは階段を駆け下りる。そして玄関に到着し靴を履く。

 

「ほら!さつき行くぞ!」

 

俺がドアを開けようとしたその時……

 

「康太!!」

 

チュ……

 

さつきの唇が俺の頬に当たる。

 

「今日はこれで我慢するけど明日からはちゃんとしてよ」

 

「……おう」

 

「あいかわらず顔に出るね」

 

「うっせえ」

 

さつきがドアを開けて走りだす。それに続いて俺も外に出て鍵を閉め、さつきを走って追いかける。

 

「競争よ!!」

 

さつきが叫び走り出す。俺はふうとため息をついてから走り出した。

 

「………まぁ急がないと間に合わないからいいけどな!!!」

 

さつきの後を追って俺は走りだす。もう少しで追いつくというところで、さつきが前を歩いてた男女の真ん中を走り抜ける。すると制服の男がふっとび電柱に激突した。

 

「あっ……やっばー」

 

「あれ大丈夫なのか?」

 

俺はそれで少し止まったさつき追いつく。どうやら電柱に当たった男は気絶してしまったらしい。

 

「これはヤバくないか?」

 

「大丈夫じゃない?あれは不注意でしょ」

 

「………そうだな。さつきちょっと先に行っててくれ」

 

「オッケー」

 

どうやら倒れてしまった男もすぐに身体を起こしているしこれは軽く謝れば大丈夫か。俺はその三人組に近づき声をかけた。

 

「悪いな。大丈夫だったか?」

 

「あ、ああ。まぁなんとか大丈夫だ」

 

「そっか。よかった。じゃあ俺は急いでいるから……じゃあな。また学校で」

 

俺もそう言って駆け出した。その後さつきに追いつき一緒に泉坂高校に到着した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『新入生は、体育館に入場する前に自分のクラスを確認してください。繰り返します。新入生は………」

 

放送は繰り返し行われている。俺とさつきは校門でもらった新入生のクラス名簿を確認する。

 

「おっあった。俺もさつきも三組だな」

 

「やったー!!今年は一緒だね康太!!」

 

「ああ。ただ抱き着くな。目立ってる」

 

俺は表情に出さないようにさつきを引きはがす。でもその動作とは裏腹にかなり嬉しい。今年はこれでずっと一緒にいれる。その表情はすぐにさつきに見抜かれる。

 

「今嬉しいと思ったでしょ?康太はわかりやすいなぁ」

 

「う、うっせえ。ほらさっさと体育館行くぞ」

 

「はーい」

 

そう言ってさつきはまた俺の腕に腕を絡める。なんか今日はいつも以上にグイグイくるな。

 

「今日はいつもよりグイグイくるな」

 

「最初が肝心なの!!」

 

「……たく」

 

俺はそのままさつきを連れて体育館に入る。もう周りの視線はすごいことになっているが……まぁ気にしたところでもうどうしようもない。それに……

 

「さつきと付き合っていくためにも確かに最初は肝心か」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?オマエもしかして」

 

「あっ朝の」

 

「俺は山内康太。まさか同じ学年で同じクラスになるとはな」

 

「お、おう。そうだな。俺は真中淳平だよろしく」

 

俺の隣の席は今日さつきが当たった男だった。なんというか運命じみたなにかを感じるな。

 

「そ、そういえば……今日ぶつかってきた女は………」

 

真中はチラチラとさつきの方を見る。俺はああっと声を漏らし続けた。

 

「あいつは俺の彼女だよ」

 

「へ、へえ、そうなのか………」

 

「おう。なんでお前が照れてるんだ?」

 

「い、いや……な、なんかスゴイな」

 

なんかこいつ反応が大きいっていうか、すごい顔に出るな。

 

「そういえば真中は部活とか詳しいか?」

 

「えっ?部活?」

 

「そう部活。運動の部活じゃないんだけど………映像部って知ってるか?」

 

俺のその問いに真中は目をキラキラと輝かせた。




いかがだったでしょうか?

今回は砂糖少なめの繋ぎです。

実はこのオリ主にはもう一つ大きな役割があってそれが次回以降披露されていければいいなぁ………

1つ1つ楽しんで書いていこうと思っていますのでよろしければこれからもよろしくお願いします!!

簾木 健

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