敵の子供のヒーローアカデミア   作:まゆう

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待っていて方いたかはわかりませんが申し訳ございません!

ちょっと離れてたんですが少しずつ書いていきたいと思います。今まで以上に不定期な更新になるとは思いますがよかったらよろしくお願いします。


敵強襲編 4

「悪い3人とも、先に行く」

 

「一体どうしたんですの?」

 

相澤救援のために噴水前に向かい走っている最中、円のこの言葉に思わず足を止め、同行している耳郎と上鳴も感じたであろう疑問を八百万が聞いてくる。

これからもっとも危険な場所にいこうとしているのだ、たとえ大きな力になれなくとも4人全員で向かった方がいいと思うのは当然だろう。

 

だが『個性』を使いながら走っていた円にはわかった。おそらくこのままでは…

 

「多分このままだと、相澤先生は死ぬ…」

 

場の空気が凍りついた。

 

「円城さん、それは個性で?」

 

「ああ、かなりまずい状態だ。やっぱりあの戦いは本来の相澤先生の良さを潰してしまった」

 

実際に円は相澤の戦闘を見たことがあるわけではない。だが、おそらく相澤の得意とするところは奇襲からの迅速な捕縛。

生徒たちを守るためとはいえ、正面きっての戦闘は苦手とするところだろう。

 

「おれはこのまま最速で相澤先生のところまで向かう。3人は最大の注意を払って追ってきてくれ」

 

本来は賛成などしたくないのだろう。不承不承と言った様子で上鳴が返事をする。

 

「…わかった。ただ、ひとつだけ約束してくれ」

 

「どうした?」

 

「…絶対に死ぬなよ!連れ去られんのも無しだぞ!おれはもっと円城と仲良くなりたいんだよ!」

 

上鳴の言葉に八百万と耳郎も頷く。

 

「必ず後で駆けつけますわ!」

 

「絶対援護しに行くから!」

 

円は胸と目頭が熱くなるのを感じた。さっきは泣くのを堪えたが、今は堪えられないかもしれない。

 

「…ああ、わかった…。相澤先生を助けて、おれも無事でお前らが助けにくんの待ってるよ…」

 

「おう!任しとけ!!」

 

3人を代表して上鳴が答えてくれる。一佳や拳藤夫妻以外にもこんなにも信頼できる友人ができた。

円はその事実が嬉しい、そして守りたいと思う。必ず。

 

「八百万、刃を潰した刀を作れるか?」

 

「え、ええ、作れますが、円城さん刀も使えますの?」

 

「ああ、おれは実は徒手空拳よりも刀を使う方が性に合ってるんだ」

 

円の母である楓は刀の扱いに長けていた。それこそ、個性を用いずに刀一本で戦えるほどに。

幼い頃に母から教わったこと、母がいなくなった後も母が残してくれたノートを元に円なりに訓練を積んできた。

その結果として、円は刀の方が自分には合っていると判断した。

 

「わかりましたわ。形状はどういたしますか?」

 

「鍔はつけなくていい。柄が15㎝の刀身が75㎝で頼む」

 

「わかりましたわ」

 

円の要求に答え、八百万が手のひらから個性『創造』を用いて刀を作り出してくれる。

 

「これでいかがでしょう?」

 

受け取り数度刀を振るう。

 

「要求通りだ、ありがとう。それじゃあ先に行く。お前らが来るの待ってるぞ!」

 

一歩、踏み込んだ衝撃を増幅して高速で移動した円を見送りながら上鳴たちは円と相澤の無事を祈りながら、走り出すのを再開した。

 

▽ ▽ ▽

 

「対 平和の象徴、怪人“脳無”」

 

脳みそが剥き出しの大男の名をそう語る、手がたくさんくっついた敵はさらに続ける。

 

「“個性”を消せる。素敵だけどなんてことはないね。圧倒的な力の前ではつまりただの“無個性”だもの」

 

脳無が相澤を押さえつけたまま無事なもう片方の腕に手を伸ばす。

 

ぐしゃっ!っとゆう音とともにまるで小枝のように相澤の腕がひしゃげた。

 

次の瞬間だった。

 

ずがんっ!!とゆう音と共に脳無が吹き飛ばされる。

 

「なんだ…」

 

「なんだじゃねぇよ敵。お前らの狙いはおれなんだろ。こっからはおれが相手をしてやる!」

 

脳無を飛び蹴りで吹き飛ばして相澤の横に立ち円が宣言した。

 

状況はかなり悪い。相澤は両腕が間違いなく折れている。“個性を消せる相澤をここまでにしたとゆうことは、脳無の素の力がやばいとゆうことだ。

 

さて、どうするかと円が考えていると手がたくさんくっついた敵の後ろに黒いモヤが現れた。

 

「死柄木 弔」

 

なるほど手のくっついた敵は死柄木と言うらしい。

 

「黒霧、13号はやったのか」

 

「行動不能にはできたものの散らし損ねた生徒がおりまして…。一名、逃げられました」

 

13号は行動不能になったが、生徒が一名逃げたらしい。恐らくは飯田だろう。飯田の機動力ならば逃げることも可能なはずだ。

 

電気的な妨害をしてた敵は円達が行動不能にした。その上で飯田が助けを呼びに行ったなら間違いなくそう遠くないうちにオールマイトだけでなく他の教師も駆けつけるはず。

 

これは敵にとっては最悪の状況のはずだ。

 

「は?はー…はぁー。黒霧おまえ…おまえがワープゲートじゃなかったら粉々にしたよ…」

 

まるで極度のストレスを与えられたかのようにガリガリガリガリと首を引っ掻きながら喋っていた死柄木だが、ぴたと動きを止めてこう言った。

 

「さすがに何十人ものプロ相手じゃ敵わない。ゲームオーバーだあーあ…。今回はゲームオーバーだ」

 

でも、と続ける。

 

「せっかく円城 円くんが来てくれたんだ。プロが来るまで遊んで行こう。脳無、やれ」

 

一気に、吹き飛んだはずの脳無が円に迫る。

 

「また吹っ飛ばされたいのか?」

 

脳無の大振りの一撃を避けて懐に入り込む。そこに全力の拳を打ち込んだ!

 

しかし、また同じように吹っ飛ぶはずだった脳無は健在だ。

 

「な、なんで…。効いてないのか…」

 

円の一撃を食らったにもかかわらず脳無は微動だにもしない。

敵とはいえ人に放つ以上ある程度の手加減はした。それでもさっき脳無を吹き飛ばしたときと同じ程度の威力はあったはずだ。

 

「ショック吸収、オールマイト用の“個性”だったんだけど…。すごいなぁ、すごいなぁ円城 円くん。脳無じゃなかったら間違いなくゲームオーバーだったよ」

 

フラフラと揺れながら死柄木は不気味に笑う。

 

「でもなぁ、そいつは対 平和の象徴なんだよ。おまえ程度じゃ及ばない…」

 

反応がギリギリで追いつくような速さで脳無の連撃が迫る。

それを紙一重で避け続けるが、円の攻撃が効果がない以上そう簡単に攻撃に移ることができない。

 

脳無に攻撃が効かない理由がショック吸収である以上打撃は効果がない。ならば刃を潰した刀でも効果は薄いだろう。

 

なら今まで拡散させてきた衝撃を一点に集中する。ショック吸収ならばいずれは限界がくるはずだ。

 

「シッ!!」

 

脳無の大振りの一撃を体を限界まで伏せて避ける。そしてそのまま腰に挿してある刀を一気に振り切った!

 

そしてそのまま斬撃を叩き込み続ける!

 

驚嘆することにその斬撃は攻撃の合間を縫っているにも関わらず寸分たがわず同じ場所を攻撃し続ける。

 

ゴキャ!!

 

円の攻撃はついに脳無のショック吸収を打ち破り嫌な音が響いた。

 

「….これなら、どうにかなりそうだな…」

 

一瞬。どうにかなると思った円の気が少し緩んだ。

 

「なるほど、これがブラッディの忘れ形見。相当な実力だ」

 

「ああ…だけどゲームオーバーだよ。円城 円」

 

ガシッ!!

 

「な、なんで…。確かに折れたはずだ…」

 

一瞬の油断をついて、円の腕を掴んだのは脳無の折られたはずの腕だ。

 

「…超再生…。“個性”が1つだけとは言ってないだろ…。オールマイトは殺せなかったけど、まぁいいや。円城くんは捕まえたし、このまま帰ろっか」

 

敵たちの目的は1つがオールマイト、平和の象徴を殺すこと。そして2つ目が、円の誘拐。オールマイトがこの場にいない以上、円が捕まった時点で目的は達したと言っていい。

 

敵たちが撤収しようとした、その瞬間だった。

 

「帰らすわけないだろ!手ぇ、離せ!!」

 

SMASSH!!!の掛け声とともに緑谷が脳無に向けて殴りかかった!!

 

「いい動きするなぁ、スマッシュってオールマイトのフォロワーかい?まぁ、脳無に効果はないけどさ。…土産としてこの子殺して帰ろう」

 

一気に間を詰めた死柄木の手が緑谷に触れそうになった瞬間、

 

USJの入り口が吹き飛んだ!

 

敵に襲撃され、捕らえられたのにも関わらず、とてつもない安心感が場を包む。

 

「もう大丈夫。私がきた!!」

 

これが、平和の象徴。

 

「あぁ…、コンティニューだ」

 

そして、死柄木の不気味な声を円と緑谷だけが聞いた。




久しぶりすぎてキャラが迷子です…

特に円のキャラが定まらない!

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