双剣使いの一護(更新停止)   作:ポケモン大好きクラブ

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やっと更新出来ました。

またなかなか更新出来ないと思います。
主にやる気の問題で


一護と井上織姫

封印をといた日の夜、一護は自室のベッドで横になりながら滅却師の力について考えていた。

 

 

「思ったよりも難しいな」

 

 

そう呟いていると一護は虚の霊圧を感じ取った。

 

 

「何だ?近い…?」

 

 

次の瞬間、目の前の壁から虚が出て一護を襲った。

 

 

「なっ!」

 

 

一護は驚きながらも死神の姿になり、攻撃を防いだ。そして追撃をするが自分の部屋をあまり壊したくないため無意識に手加減してしまっていた。

その結果、狙っていた仮面にはかすったが破壊し浄化するまでは至らなかった。

 

 

「チッ!」

 

 

もう一度攻撃しようと虚を見ると、見覚えのある顔をしていた。その姿に衝撃を感じ一護はボーッとしてしまい虚は顔を押さえながら逃げて行った。

 

 

「おい一護!追うぞ!」

「…あの虚…井上の兄貴だった…」

「何!」

 

 

2人は走りながら話していた。

そもそも虚とは、現世に漂っている霊が悪霊になったものだ。つまり死んだものなら知り合いが虚になっていても何ら不思議なことはない。

 

尸魂界では仮面を攻撃する際、必ず一撃で倒さなければならないとされている。それは元になった魂を見ないためである。

見てしまうと、今回の一護のように知り合いであれば動揺しまうこともあるのだ。

 

そしてさっきの虚は一護に返り討ちにされ、無くした心を埋めるため、唯一の肉親である井上を狙う可能性が高いので井上のもとへ急いで向かっていた。

 

 

「くそっ!」

 

 

一護は一撃で倒せなかったことを後悔した。

 

 

「悔やむのはあとだ、まずは倒すことに集中しろ」

「あぁ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃井上織姫は友人の有沢竜貴と夕飯を食べていた。

 

 

「竜貴ちゃんちの肉じゃが美味しいから大好き~」

「ほっとくとあんたワケわかんないものばっか食べてるからね~」

 

 

どうやらほっとけない織姫のために肉じゃがを持って来たようだ。

楽しく話をしながら食事をしていると、いきなり棚の上にあった熊のぬいぐるみが裂けて棚から落ちた。

 

 

「何だ?」

「ひどーい!えんらくが…」

 

 

裂けたぬいぐるみを見た織姫は今にも泣きそうな顔をしていた。

ぬいぐるみを見ていると巨大な足音のような、不気味な音が聞こえてきた。

 

竜貴が不気味な音に警戒し、辺りを見回していると呆然としていた織姫に異変が起こった。

 

 

「えっ?」

 

 

視線を再びぬいぐるみへ落とすと、ぬいぐるみを持っていた手のひらに真っ赤な液体がついていた。

状況を理解できずに手のひらを見ていると、腹部へと衝撃がはしった。その瞬間、織姫の体は倒れていた。

 

 

「織姫!」

 

 

竜貴が織姫へと駆け寄ろうとすると何かに吹き飛ばされた。痛みのはしった肩へと視線を向けると血が出ていた。

 

 

「何だよこれ…何で…うっ!」

 

 

再び見えない何かに殴られ、床へ仰向けに転がった時何かに覆われている感覚を竜貴は覚えた。

そして、そんな竜貴と覆っている存在を見ている者がいた。

 

 

(何がどうなって…あのお化けみたいなのは何?)

 

 

怯えている織姫だった。

さっき気絶したかのように見えた織姫だったが意識はしっかりと残っていた。何故かというと…

 

 

(あれは…私?何で…)

 

 

遠くに横たわっている織姫が見えた。正確には織姫の体である。

その体から1本の鎖がのびていた。織姫は鎖ののびている先…つまり自分の胸元を見た。

 

 

(な、何?この鎖…苦しい)

 

 

取ろうとするが全くびくともしなかった。

そうこうしている内に竜貴が虚に襲われているのを見て

 

 

(こんなことしてる場合じゃない!助けないと!)

 

 

織姫が虚の腕に体当たりをして竜貴を解放する。

解放された竜貴に織姫が声をかけるが竜貴は怯えた様子で「来るな!」と叫んでいた。

 

 

「どうしたの?竜貴ちゃん!」

「無駄だよ、織姫」

「えっ?」

「彼女には俺たちの声はおろか、姿を見ることも出来ない」

 

 

織姫は虚をキッとにらみつける。

 

 

「どうして私の名前…」

「織姫、俺の声を忘れたのかい?」

 

 

と生前の兄の声で虚は話すが

 

 

「いやっ!来ないで!」

 

 

近づいてきた虚へ織姫は拒絶を見せる。

 

 

「悲しい!悲しい!悲しい!」

 

 

と何度も繰り返し、織姫を攻撃した。

腕が織姫にあたる前に誰かが間に割って入った。黒い服にオレンジ色の頭をしている人は大きな斬魄刀で攻撃を受け止めていた。

斬魄刀を降り虚を追い返した後、周りを見て

 

 

(くそっ、竜貴も巻き込まれたのか)

「黒崎くん?やっぱり黒崎くんだよね?」

「井上?何で俺の姿が見えて…」

 

 

言いかけて胸の鎖を見た。鎖の先に織姫の体が繋がっているのを見て、ルキアに死神は同じ霊体にしか見えないと言う話を思い出した。

 

 

「まさか…霊体?」

「そうだ、つまりそいつは魂だ。死んだんだよ、織姫は」

 

 

ゆっくりと言い聞かせるように言ってくる虚に一護は苛立ちを隠せず切りかかった。

しかし虚はあっさりとかわし、織姫の繋がっている鎖を掴んで動き回る。その最中に一撃をしっぽのような部分へいれるが意外と固く、刃が立たなかった。

刃が立たないまま、窓から外へ吹っ飛ばされ、一護は霊子を踏んで空へたった。再び虚を見ると

 

 

「動くなぁ」

「んあぁ!」

 

 

握られた織姫を見て一護の動きが止まった瞬間、しっぽのような部分で地面へと叩き落とされた。

 

 

「一護!」

 

 

心配したルキアが駆けつけてきた。

 

 

「大丈夫か?一護」

「うっ、あ、あぁ…」

 

 

頭から出血しながらもなんとか起き上がった一護にルキアは

 

 

「行けそうか?」

「あぁ、大丈夫だ」

「そうか…一護、あいつが井上の兄上だったとしても今は化け物だ。人間の心など持っておらん。ためらわずに切れ」

 

 

 

織姫の家では虚が織姫の兄だと伝えていた。

 

 

「ほんとにお兄ちゃん?」

「あぁ、そうだよ織姫」

「嘘!私のお兄ちゃんはこんなことする人じゃあであ…」

「寂しかったんだ!お前が俺のことを忘れていくのが」

 

 

織姫は兄が死んだ日から毎日欠かさず拝んでいた。

虚はその姿を救いにしていたが、友達が増えるたびに拝む回数が減り、忘れていかれるのが悲しいと言った。

 

 

「お兄ちゃん!違うの!私は…」

「いいか!織姫!お前は俺のものだ!俺を大切に思っているなら俺を二度と裏切るな!」

 

 

虚は織姫の言葉を遮り、叫んだ。

 

 

「まあまずはあの死神からだ、あいつを食らっておしまいにしてやる」

「待って!黒崎くんは関係ないの!お願いあの人をこれ以上傷つけないで!」

「黙れ!誰のせいでこうなったと思っているんだ!お前だ!」

 

 

織姫に掴みかかり、喉を締めた。

 

 

「お前は俺の言うことを聞くんだ、さもなければお前から殺してやる!」

 

 

さらに手に力が入った時。

 

 

「止めろ!」

 

 

言葉と同時に斬魄斬魄刀を突き刺し、虚が痛みに叫び、その隙に追撃を入れていくと織姫を離した。再び織姫を掴もうと伸ばした腕は、一護によって切り捨てられる。

織姫が無事なのを確認した一護は

 

 

「てめぇ、兄貴が何で先に生まれて来るのか知ってるか?後から生まれて来る妹や弟を守るためだろうが!」

 

 

妹を持つ同じ兄である一護はどうしても許せなかった。

 

 

「それを妹に向かって殺してやるなんて…死んでも言うんじゃねぇ!」

「うるさい!織姫は俺のものなんだ!両親が死んでから俺が親代わりに育てて来たんだ!織姫が3歳の時から俺が守って来たんだ!」

 

 

悲しそうな、寂しそうな顔でうつむいていると「織姫!」と強く呼ばれ虚を見ると「こっちへ来い」と手を出していた。「他の奴へは手を出さない」と言う言葉を聞くと、織姫が立ち上がり虚の方へ行くのをルキアが罠だと止める。

 

ルキアの説得で戸惑っている織姫の髪には雪の結晶をかたどった綺麗な髪留めが着けてあった。

その髪留めを見た瞬間、虚の頭に織姫との思い出が駆け巡った。

虚の目が変わった時、虚は叫び声をあげ、壁に頭をぶつけ出した。

 

理解不能な行動に3人は呆然としていると、頭の痛みを誤魔化すかのように一護へ襲いかかった。

外へ出た虚の顔へ攻撃しようと斬魄斬魄刀を振り上げるが一瞬、ためらってしまい、その隙に酸のような液体を手にかけられ、斬魄刀を落としてしまい、しっぽで地面に叩きつけられた。

 

 

「ぐっ!」

 

 

食われそうになった次の瞬間、間に織姫が入って来て、その体に攻撃を受け入れた。

 

 

「いの…うえ…?」

「おり…ひめ…」

 

 

痛む体に鞭を打って織姫は話し出した。

 

 

「ごめんね、お兄ちゃん…。私のせいだ。私があの時、1人にしないでって言ったから…」

 

 

織姫は兄の死んだ日を思い出していた。

死にそうな兄に「1人にしないで!」と織姫は叫んだ。

 

 

「だから天国に行けなかったんだよね…。私、気づいてた。お兄ちゃんが近くで見守ってくれてたこと。」

 

 

足にアザが出来ていた時、織姫は確かに車に引かれるところだった。

 

 

「危ないって足を引っ張ってくれて…」

「そうだったのか」

 

 

ルキアと一護は納得した。

 

 

「だからね、私が頼ってばかりじゃあ眠れないって思って、伝えようと思ったの。私は幸せです、心配しないでねって。でもそれが、お兄ちゃんを…寂しく…させて…」

 

 

まで言い、織姫は倒れた。それを見た虚がぶつぶつと何言か話した後、また叫び出した。

 

 

「どうなってんだ?何が起きて…」

「今、奴は己の中にいる虚に抗っているのだ。奴とて望んで虚になったわけではない。おそらく虚に取り込まれたのだろう。」

「何で、そんな」

「わからぬか?目的はお前だ」

 

 

一護の池巨大な霊力を食らうために、一護の攻撃しにくい、身近な人物を取り込み、操っていたのだ。

 

 

「織姫~!」

 

 

虚が叫んだ次の瞬間、仮面が割れて顔が見えた。

その姿に安心したのか、織姫は意識を失った。

 

 

「織姫!」

「井上!」

「うろたえるな!まだ胸の因果の鎖が切れていない。まだ私の鬼道で助けられる。」

 

 

2人が胸を撫で下ろした。

ルキアが織姫を治療していると

 

 

「俺を斬ってくれ」

「なっ!」

「理性を保っていられるのも今のうちだ。また暴れださないうちに、頼む」

 

 

一護が戸惑っているとルキアが

 

 

「一護、斬れ。虚になったものは斬ることでしか助からない」

「くっ…」

 

 

一護は眉間にしわを寄せながら(いつもだが)織姫の兄をを斬った。

 

 

「あぁ、これでやっと眠ることが出来る」

「お兄ちゃん!」

 

 

少し回復して、意識が戻った織姫は消えそうな兄を見て、思わず声をかけた。

 

 

「大丈夫だよ、織姫」

「うん、お兄ちゃんお休みなさい」

 

 

笑顔で大丈夫と言う兄の姿を見て安心する。

完全に消えるまで無言で見つめ、消えてもしばらくボーッとしていた。

するとルキアが

 

 

「おい、井上。これを見ろ」ぽんっ

 

 

織姫が見るとボタンが押され、人形のようなもの(頭のみ)が飛び出し気絶した。

 

 

「おいおい…」

「覚えておかれてはまずいだろう」

 

 

「特に貴様が」とつけ加えられ、一護は何も言えなかった。織姫を体へ戻し、家へと帰路につく。

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

次の日、一護が教室へ入ると

 

 

「ほんとに横綱が部屋に来て鉄砲で壁に穴を開けたんだって!」

 

 

と言う話を聞き、もっと常識的な記憶置換はなかったのかと突っ込みたかった一護であった。




最近、原作に沿いすぎて悩んでます。
しばらくはこんな感じで進んで行こうと思います。

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