連続投稿です。
思ったより書けました。
「じゃあ、行ってくる。」
「行ってらっしゃい、お兄ちゃん。」
「行ってらっしゃい、一兄。」
遊子と夏梨が挨拶を返す。黒崎家にとって石田の家に遊びに行くことはよくあることである。
「一護、私が行くことを伝えなくても良いのか?」
ルキアは事前に石田に自分が行くことを伝えていないことを心配する。
「まあ、別に大丈夫だろ。」
なんとも曖昧な答えだった。
2人が石田の家に向かっていると、途中の横断歩道で少女が車に引かれたような形で倒れていた。そしてその少女は一護の知り合いだった。
「井上!大丈夫か!」
一護は駆けつけて声をかけると、井上は何事もなかったかのように立ち上がった。
「なんともないよ、大丈夫、大丈夫。」
えへへ、とニッコリ笑い腕を降って元気ですアピールをする井上だが一護に「車はどうした?」と聞かれると少し困り顔で
「んー、いっちゃた。」
「お前なぁ、ハァー。とりあえずお前が無事で良かったよ。」
「一護、彼女は?」
一護に小声で聞くルキア。どうやらまだ顔と名前が覚えられていないようだ。
「ああ、ルキアは転校してきたばっかでまだ覚えてないよな。一緒のクラスの井上織姫だ。んで井上、こっちが朽木ルキア。」
「よろしくですわ。」
「あ、えっと、こちらこそよろしく。」
ルキアがスカートのすそを上げて挨拶をしたものだから井上もスカートのすそを上げて挨拶を返す。それによりルキアの視線が下に下がる。
「その足のアザは?」
そう言ったルキアの視線の先には、痛々しい捕まれた後のようなアザがあった。
「へ?何だろ、車にはねなれた時かなぁ?」
「痛むのか?」
「少しだけ。でも大丈夫。」
それだけ言い、井上は帰って行った。ルキアは相変わらず何か考えるようなしぐさをしていた。
「今考えても仕方ないぜ。とりあえず石田の家に行くぞ。」
「ああ。」
そこで一度思考を中断した。
そして今石田の家に着いた。
「大きいな。」
「そうだな。とりあえず入るぞ。」
と言ってチャイムを押すと中のメイドが「どなたですか?」と質問してきた。
「一護です。」
すると門が勝手に開いた。ルキアはそれを見て唖然としていたが、一護は平然としていて門の中へと進んで行くのでルキアもそれに続いて行く。
「やぁ、黒崎。そこの彼女は死神だろう?何故連れて来たんだい?」
「お前も俺が死神代行やってんの知ってるだろ。ならこの事もいつか話さないといけなくなる。」
「彼女は信用できるのかい?」
「少なくとも、俺の家族を救うために自分の力をなくす覚悟はあった。だから今俺が死神代行なんだ。」
石田はハァ、とため息をつき降参だとでも言うように手を上に上げ、首をふった。
「僕の負けだよ。彼女は信じよう。」
「い、一護。どういう…?」
ルキアはとても話しについていけれなかった。
3人は客間へ移動し、説明を始めた。
「ルキアは滅却師って知っているか?」
「ああ、虚を尸魂界に送らず完全に消滅させる力を持っているものたちのこと、と言うぐらいには。」
「石田は滅却師なんだ。」
「な!」
ルキアが驚くのも無理はない。尸魂界では滅却師は滅んだものだと言われていた。いたとしても本当にごく少数だ。
「僕には師匠がいた。師匠の夢は死神と滅却師が手を取り合って、共に戦うことだった。けれどある日師匠が虚に襲わた時、死神は現場に遅れてやって来た。ほんとならもっと早く来ることも出来たはずなのにわざと、師匠が殺されたタイミングで死神のやつらはやって来たんだ!」
「そんな…何かの間違いでは…。」
「いいや。石田は見ちまったんだ。」
ルキアの顔が暗くなる。
「とはいえ昔よりはよくなったもんだ。」
「黒崎のおかげだよ。」
2人のやり取りで少しだけ明るくなる。ここでルキアは思い出したとばかりに一護に問う。
「それで一護。いつかは言わなくてはいけないことというのはなんだ?」
「ん?ああ、俺も滅却師の力が使えるんだよ。いや使えるって言ったらあれだな。持ってるっていう方が正しいか。」
「は?」
今日一番のびっくりかもしれないと言うくらい。言葉が出ていないルキアだった。何しろ今は死神代行なのだ。死神と滅却師の力を同時に持っている人間など聞いたことがない。
「俺のお袋が滅却師でよ。その力を俺も継いでたんだけど、今はちょっと封印してあるんだよ。今日はその事でここに来たんだ。」
「封印したのが僕の父らしいからね。」
「そう…なのか。」
いろいろありすぎてまだ少し頭がついていっていないようだが、とりあえずは納得したルキアだった。
「じゃあ俺は竜玄さんのところに行って来る。」
「ああ。」
客間には真顔の石田と今だ混乱して頭を整理しているルキアが残された。
次はどうしよう…。
展開がオリジナルすぎてわからなくなってきてる。