教室に戻るとルキアが待っていたと言わんばかりの顔で待ち構えていた。
「一護、来い!」
「えっ、あっ、おいっ!」
いきなり手を渡り廊下まで引っ張って来られた。
「虚が出たぞ。」
と手に手袋をはめながらルキアは言う。そして俺が何か言おうと口を開きかけたその時、ルキアの手袋をはめた手が目の前に迫っていた。
急なことだったため避けることもかなわず、そのまま後ろへと突き抜ける。
(突き抜ける?)
触れられた感覚がおかしいことに気がつき、そして開けた目の前には自分の体があった。
「へっ?俺の体?」
「そうだ、今の貴様は霊体だ。」
一護の今の体は以前に死神になった時と変わらない、死に装束に2本の刀を携えていた。そして2人は虚が出たと言う指令が出た公園についた。
「ここか?ルキア。」
「ああ、間違いない。」
確かめあっていると、大きなものが崩れる音がした。音がした方を見ると、霊の少年が虚に襲われていた。
一護は少年を助けるため飛び出し、背中の大剣を掴んで勢いよく顔の仮面に向かって降り下ろした。
「うおおおおぉぉぉぉ!!」
不意を突かれたからか、一護が速かったからかこの一撃は虚に当たり消滅した。
そして霊の少年に近づくとさっきまで襲われていたからか、一護が刀を持っていて怖かったのか怯えていた。
「大丈夫か?おいガキ、またこんな怖い思いしたくなかったらさっさと成仏しろよな。」
「一護、斬魄刀の柄の先の部分を少年の額に当てろ。そうすれば尸魂界に送ることができる。つまり成仏と同じだ。」
「ああ、わかった。」
一護は柄の先を軽く少年の額に当てた。すると少年の体が青白くひかり、少年は怯えていた顔が嘘のように安らかな顔をしながら消えていった。消えた後には黒揚羽が一匹飛んでいた。
「これで魂送は完了だ。」
一護の初仕事はこれで終わった。
「じゃあ帰るか。」
「ああ」
一護とルキアは帰路についた。
「帰る前にお前の夕飯買って帰るか。」
「何!何故だ!」
「何故って…お前は押し入れに住んでんだから一緒に飯が食えねぇだろ?」
「!!」
と言うやり取りがあった。
夕飯とお風呂を済ませ、部屋でのんびりと過ごしていると携帯に電話がかかってきた。画面を見ると石田の名前が表示されている。
「ん?もしもし、どうした?石田。」
「ああ、今日言っていた父の予定を伝えようと思ってね。」
「え、もうわかったのか。すげえな。」
石田の父、竜玄は空座総合病院を営んでいるのでとても多忙だ。そのため一護は予定がわかるのはもう少し後になると思っていた。
「んで、いつなんだ?」
「明日だ。」
「は?」
聞き間違いだろうか、と一護は思い少し間抜けな声をに出してしまうが石田は予想していたのか冷静に返してくる。
「いや、俺もこんなに早く予定が空いてあるとは思っていなかったんだが、たまたま明日は予定が空いていると言っていてな。それに明日は学校は休みだしね。」
「まあ、確かに…。早いにこしたことはないから別にいいけどな。じゃあまた明日な。」
「ああ、おやすみ。」
切れた電話を見ていると
「一護、今の電話は何だ?」
とルキアに聞かれる。
「ああ、友達の石田だよ。明日あいつの家に行くけどお前も来るか?」
「良いのか?」
「別にいいぜ。それに明日は俺があいつの親父さんに用事かあるんだしな。」
「親父殿に?」
明日になればわかるさ、と一護は布団に入って寝る体制になった。ルキアもこれ以上は無駄と、押し入れの中へと入って行った。
おまけ
「って、ちょっと待てー!お前その寝間着遊子のじゃねぇか!」
「ん?あぁ、ちょっと借りている。」
「借りてるじゃねえよ!」
「仕方なかろう。ないのだから。」
「お兄ちゃん、私の寝間着知らない?」
「うおっ!遊子、いきなり開けるなよ!」
「それより寝間着。」
「知らねえよ。何でも俺に聞くな。」
「おかしいなー。」ガチャ
「行ったか?」
「おい、今度新しいの買え!」ゴゴゴゴゴ
「あ、あぁ。わかった…。」
最後何がしたかったんだろ。
寝間着の下りをいれたかった。