Emilio   作:つな*

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数年後の時間軸
沢田綱吉視点


Emilio番外編 5

「京子ちゃん…お、俺と!俺と…け、結婚してください!」

 

人生最大に緊張していた俺は、自分が今どんな顔してるかだなんて気にしてる余裕なんてなくて、ただ目の前の一人の女性の口元を凝視していた。

ああ、顔が熱い。

体の中で血が沸騰しているみたいだ。

断られたらど、どうしよう、あ、ヤバイ、緊張と不安で泣きそう。

瞳に薄い膜が張りつめ今にも零れ落ちるというところで、綺麗で滑らかな指が俺の頬を包む。

心臓の鼓動がこれでもかというほど煩い。

 

「ツナ君…」

 

未だかつてない程俺は目を見開いた。

ふと唇に柔らかいものがあたり、それが彼女の口付けであることに気付くまでどれほど時間を有しただろうか。

もう何が何だか分からずにパニックに陥りそうな心を必死に押さえつけ、握りしめていた汗だくな拳を開いて、彼女を背中に手を回す。

 

ドクン ドクン

 

心臓が……うるさい

 

唇が離れ、目線が交差する。

頬を赤らめた彼女は微笑み、その綺麗な瞳に薄い水の膜を張りながら口を開く。

 

「末永く……よろしくお願いします」

 

 

その言葉を聞いた瞬間に、俺は心臓が浮かんだような感覚のまま彼女の腰に手を回して思い切り抱きしめた。

ダメだ…堪え切れない……

じわりと眼尻に涙が滲むのもお構いなしに、胸の内に広がる言い知れぬ幸福感を噛み締める。

 

「フフ…ツナ君の心臓の音……私にも聞こえるよ」

 

ドクン ドクン

 

ああ…心臓が、うるさくてたまらない―――――――…

 

 

 

雪が少しずつ積もってきた冬の頃

いつもと変わらぬ並盛で俺は笹川京子にプロポーズをして、永遠の愛を誓った。

 

この瞬間を何年先でも俺は絶対に忘れないって思ったんだ。

 

 

 

 

 

「結婚おめでとう!」

 

何度目になるか分からないその言葉で、何度目になるか分からない幸福感に顔がニヤける。

一昨日リボーンに顔がうぜぇと言われてお尻を蹴られたのも忘れるほど今の俺は幸せだ。

 

「ありがとうございます、エミーリオさん。」

「いやぁ、あんなちっさかった綱吉君もとうとう結婚しちゃうのかぁ」

「アハハ」

「最初の告白なんて上半身全裸だろ?あれは実らねーなって思ってたのに人生何が起こるか分かんねーな」

「そんなこと思ってたんですか!?」

「それよか酒飲め酒!祝い事には酒って決まってんだ!」

「わわ、ちょ、ちゃんと飲みますって!それよりもエミーリオさんに頼みたいことが!」

「頼み?」

 

本来の目的を忘れそうになったが、ちゃんと酒を飲む前にエミーリオさんに告げる。

 

「4か月後、結婚式を挙げるんですけど、出す料理をエミーリオさんに一任したいんです」

「俺に?結婚式って結構大事な行事じゃん、俺なんかで大丈夫か?」

「エミーリオさんじゃなきゃ嫌なんです!ていうかエミーリオさん以上に料理美味い人見たことないですよ」

「そりゃ嬉しいね、分かった、引き受けよう」

「ありがとうございます!」

 

俺はエミーリオさんに感謝する。

ああ、楽しみで仕方ないよ。

ボンゴレのボスとして、昔のような自警団に戻そうと奮闘する毎日に、俺の地位は確立し周りからの態度も畏まっていった。

守護者の人達や身近な人の態度に変化はなかったけれど、やっぱりボンゴレのボスとしての面子を守る時はそれなりに敬語を使って来たりする時がある。

だけどエミーリオさんはいつでもどんな時でも俺に対して態度も口調も変えない。

それを見ていると俺はいつでも安心するんだ。

時間と共に変わっていく俺らの姿形をすぐ側で見守ってくれるエミーリオさんに。

いつだって変わらずにいることが本人にとってどうあるのかは今の俺でも分からない。

本人が悲観してはいないことくらい分かっているけど、たまに凄く不安にもなる。

だから頻繁に彼の顔を見に、この店に訪れてる。

まぁ高確率でバミューダか白蘭かチェッカーフェイスがいるんだけど。

白蘭に至っては仕事ほったらかしてエミーリオさんの所に行くから困りものだ。

 

「本当はエミーリオさんにも裏方じゃなく客として参加して欲しかったんですけど、皆がエミーリオさんの料理を強く希望してて…リボーンまで……」

「別にいいよ、俺もそっちのが性に合ってる」

「それならいいんですけど…」

「参加人数とかは後日俺の携帯に送ってくれ」

「分かりました」

 

この時の俺は、エミーリオさんをシェフとして雇うことがどんな惨事を招くか分かっていなかった。

 

 

 

 

結婚式当日

 

ウェディングドレスの京子ちゃんを一目見るために、彼女の待機室へ向かっていると何やら外が慌ただしいことに気付いた。

何かハプニングでもあったのかなと思って、不安になっていると獄寺君が俺の元に近寄って来た。

 

「十代目!」

「どうしたの、獄寺君」

「それが……」

「?」

「ザンザスと雲雀が喧嘩おっぱじめそうになってるんです」

「はぁああ!?」

「今、山本とスクアーロがザンザスを、笹川とランボが雲雀を押しとどめてます」

「え、え、ちょっと待って!何であの二人が来てるの!?招待はしたけど絶対に来ないと思ってた!」

「そ、それが…どこから漏れたのか知りませんが、今回の披露宴での料理担当がエミーリオってことが耳に入っちまったようで…」

「うわぁぁぁ、どどどどうしよう!」

 

まさに大惨事になる予感しかしないであろう人物達の鉢合わせに冷や汗をかく。

今すぐ止めようとグローブを持って今にも戦いだしそうな二人の元へ向かおうとした時に声を掛けられる。

 

「綱吉君?どうしたの、そんな慌てて」

「エ、エミーリオさん!」

「それにグローブまで…」

「あ、あの、えっと、ザンザスと雲雀さんが今にも喧嘩しそうな勢いで…」

「あんの二人は全く……」

 

片手で顔を覆いだすエミーリオさんに俺は申し訳なく思い始めるも、早く止めなきゃと思って足を進めようとした時に、エミーリオさんに肩を掴まれる。

 

「あいつらは俺が何とかするから、新郎は待機室で待ってろ」

「え!?でもっ」

「その高い服が焦げちまうぞ」

「うっ」

「ほれほれ、戻った戻った」

「あの!本当に危なくなったら逃げて下さいよ!?」

「はいはい」

 

エミーリオさんが裾を捲りながら一触即発だろう二人の元へ向かっていくのを、俺はただ見送るしか出来なかった。

エミーリオさんなら絶対に傷を負ったりしないことは分かる。

分かるんだけど、もしものことがあればバミューダや白蘭、チェッカーフェイスまで巻き込みかねない火種であることも忘れてはいない。

いやエミーリオさんに何かある前にあの二人が殴られて気絶させられる光景しか思い浮かばないけれど。

焦る気持ちをどうにか落ち着かせてぎこちない動作で待機室に戻ろうとした時だった。

 

「お前ら人様に迷惑かけてまで暴れてんじゃねーよ!馬鹿野郎ども!」

 

怒鳴るような、諫めるような声が聞こえたと共に鈍い音がこちらまで聞こえてきた。

それから静かになった向こう側からカツカツと足音が聞こえる。

そこには冷や汗を掻いている守護者達だった。

 

「やっぱあいつらはエミーリオに丸投げした方が早かったな」

「あ奴はいつまでも極限に強いな」

「もう疲れたもんね」

「アハハ、エミーリオには頭が上がらないぜ…あ、ツナ」

「み、皆大丈夫だった!?」

「はい、エミーリオが二人の仲裁に入ったので誰も怪我人は出ていません」

「そっか…良かった」

「十代目、待機室へお戻りください」

「う、うん」

 

俺は披露宴まであまり時間がないのもあって、京子ちゃんのウェディングドレス姿を見ることなく待機室に戻る。

その後もちゃんと披露宴は始まり、色んな人達が来てくれた。

雲雀さんとザンザスは予想外だったけど。

あれ?でもあの二人の姿が会場のどこにも見当たらない。

さっき獄寺君の言葉じゃヴァリアーも一緒に来てるらしいけど、ルッスーリアくらいしかいない…し。

あ、ユニも来てる。

渋滞で遅れるって言ってたからどうなるかと思ったけど、ちゃんと来れたんだ。

披露宴が始まって数十分後、ケーキ入刀の時間がきて、俺は心臓が破裂しそうなくらい緊張していた。

あ、ヤバイ、手汗が…

京子ちゃんの両手に包み込むように手を乗せて、ケーキに刃を通していく。

昔ビアンキの勘違いでリボーンと結婚式を挙げようとした時を思い出して、リボーンの妨害を警戒していたけれど、杞憂だった。

そもそもあいつはもう赤ちゃんの姿じゃないからこんなこと出来ないか、と思い直す。

歓談と食事が始まり、各々が食べ始めるのを眺めていた。

ボンゴレと関わりのある同盟ファミリーは勿論、表で取引をしている有数の大企業も招いた大規模な結婚式。

最初は一般的な規模でいいとリボーンに言ったけど、即却下された。

ボンゴレボスともあろう男が重大な祝い事にちゃっちい式典を挙げるなんぞ言語道断だ、とキッパリと言われて俺は皆の後押しもあって規模の大きい式を挙げた。

京子ちゃんが大きな会場での結婚式に目を輝かせていたから、これで良かったかもしれないと思う。

まあ未だにボンゴレの敵対組織がいないわけでもないので、警護はしっかりと付けている。

友人のスピーチに移り、京子ちゃんは黒川花にお願いしていたらしく、黒川花がスピーチを始める。

あ、隣で京子ちゃんが涙目になってる…可愛いなぁ。

新郎新婦のお色直しの時間に移り、俺達は一度退席する。

ずっと座ってるのも疲れるなぁ。

会場を出て漸く一息ついていると、目の前に人影が現れる。

 

「やぁ、綱吉君」

「白蘭!いつから来てたんだ?全然気が付かなかった」

「最初からいたよ、まぁ会場の中にはいなかったけど」

「は?それどういう………エミーリオさんのところか…」

「正解、ま、これからはちゃんと会場に行くけど」

「お前あんまりエミーリオさんに迷惑は掛けるなよ」

「僕がそんなことするわけないじゃないか、ていうか問題児達は皆あっちの方行ってると思うよ」

「問題児…って、もしかして」

「もしかしなくてもザンザス君と雲雀君だよ、あとヴァリアー達かな、彼らあっちが目的だろうし」

「だからさっきから見当たらないわけだ…」

「ま、エミーリオの隣だからこれ以上問題は起こさないでしょ」

「そうだといいけど…」

「あ、そうだ、結婚おめでとう綱吉君」

「ありがとう…お前から言われるなんて思ってもみなかったよ」

「僕だって祝い事はちゃんと祝うさ、じゃあまた後でね」

「え、ああ」

 

何だか白蘭ってここ数年で一気に丸くなったような。

いや元々バトルジャンキーな性格でもなかったけど、こう…落ち着いてるっていうか。

心に余裕が出来たって感じがしっくりくるなぁ。

やっぱりエミーリオさんのお陰なのかな。

白蘭と別れて、俺は手洗い場を過ぎ去って待機室へ行こうとした。

あ、エミーリオさんだ。

エミーリオさんがお手洗いから出てくるところをバッタリと鉢合わせする。

 

「エミーリオさん!」

「綱吉君、ああ、今お色直しの時間か」

「はい、また30分くらいで行くんですけどね」

「そっか」

「あ、そういえばザンザスと雲雀さんがそっちに居座ってるって聞いたんですけど……」

「ああ、あいつらならいるぞ、厨房の休憩室にだけど」

「あああ、やっぱり…本当にすいません」

「別にいいけど、式は順調か?」

「はい!」

「それならいいや、数名こっちにいるけど気にせずに式に集中してな」

「本当にすいません!後日ちゃんとお礼に行きます」

「いらねーから、そら、行ってこい」

「は、はい!」

 

式で緊張してた分、エミーリオさんと会話してて一気に脱力する。

直ぐに服を変えて、新婦の準備が終わるのを待っていた。

ぐぅ、とお腹の音が小さく鳴り、そういえば会場では緊張して何も食べてなかったなと思い出す。

少しつまめるものをと獄寺君に頼もうとしたけど、皆丁度出払っていた。

仕方ない、少し外すだけだし直ぐに戻るから大丈夫だよな。

俺はエミーリオさんから何か貰えないかと思って、厨房に行く。

そこでは忙しく動いているエミーリオがいた。

俺は忙しい中話しかけるのが気まずくなって、やっぱり帰ろうと思っていたらエミーリオさんと目が合う。

 

「あれ、綱吉君、何でここに」

「え、あ…あの、少しつまめるものないかなーって…」

「ああ、会場じゃ食べにくいもんな、ちょっと待ってろ」

「忙しい中本当にすみません」

「いいって、はい」

 

残り物の中でさっぱりとして服に付きにくいものを選んで更に盛り付けてくれた。

お礼を言って待機室へ戻ろうとしたら、厨房の休憩室から大きな怒鳴り声が聞こえた。

 

「う"ぉおおおい!ボス!あんたそろそろ会場に行きやがれぇぇぇ!本気で式中ずっとここにいるつもりかぁあああ"!」

「っるせぇカス!」

 

怒鳴り声は聞き慣れたもので、俺はつい遠い目をしてしまう。

ああ、あいつら本当にこっちに行ってたのか。

いや会場にこられてドンパチやられるよりはマシだけど。

 

「ちょっと君たちうるさいんだけど…食事も静かに食べられない野蛮人かい?」

「んだとぉ"!」

「行儀も悪過ぎでしょ、エミーリオも付き合う人間くらい選べばいいのに」

「ドカスが、カッ消す!」

「おいお前らここでドンパチしたら二度と飯作んねーからな!」

「「「………」」」

 

エミーリオさんの声で一気に静かになる彼らの様子に、直接見てはいないものの容易に想像がつくと思い、重いため息を吐く。

休憩室を覗く気力もなくて、厨房から今度こそ離れようと思って扉を開けようとすれば、反対側から開いて扉が俺の顔面に当たる。

 

「いってぇ!」

「あれ?ボンゴレじゃん、何でここにいんだよ」

「ベル、もう忘れたのかい?今回の式の主役はそいつだよ」

「ベ、ベルフェゴール!マーモン!」

「シシッ、そういえばこいつの結婚式だった」

 

ほ、本当にエミーリオさんの料理目当てだけで来てる…

俺は内心呆れながら二人を見やる。

 

「結婚っつったら、あれだ、ボスはしねーのかな」

「ボスが?するわけないだろう…考えられないね」

「だよなー」

 

二人は会話しながら厨房の隣の休憩室に入っていく。

ダメだ、早く休んで披露宴の後半の為に体力温存しておかなきゃ。

新郎の待機室へ戻ると、獄寺君が俺を見て焦ったように近寄って来た。

 

「じゅ、十代目!どこに行ってらっしゃたんですか!?」

「あ、ごめん、ちょっと小腹が空いちゃって、エミーリオさんの所で少しつまめるもの貰って来たんだ」

「そうだったんですか…いきなりいなくなってたので焦りました」

「ごめんね」

 

それから時間が経つと、新婦の方の準備が終わったので、披露宴の後半へと移る。

俺は京子ちゃんの綺麗なドレス姿に目を奪われながら、会場を進んでいく。

そしてそのあとキャンドルサービスや、祝辞、余興などが一気に来た。

何ごともなく着々と終わりに近づいていく披露宴を眺める。

 

何だか色んなことがあったなぁ…

中学生の時にいきなりマフィアのボス候補にされて、襲われて、戦わされて。

一度だって望んで戦ったことなんてなかったけれど、どれも後悔したことなんてなかった。

リボーンに会ったことで俺の人生は波乱万丈だよ、全く。

それでも…リボーンに会わなきゃ京子ちゃんと結ばれることも考えられなかったもんな。

やっぱり…こんな慌ただしい人生でも幸せなことが沢山あった。

リボーンと出会って本当に良かった。

 

そんなこと考えていると、新婦による親への手紙と花束贈呈が終わる。

そして新郎の謝辞の番となり、俺は立ち上がり会場を見渡す。

 

「本日お忙しい中―――――」

 

昨日まで散々獄寺君や他の守護者の前で練習してきたんだ、ちゃんと言い切らなきゃ!

緊張がMaxで周りの音が何も聞こえない中、沢山のヒトの前で喉が一瞬詰まりそうになる。

裏返りそうな声に苦戦していると、視界の端で会場の扉が遠慮がちに開いた。

エミーリオさん……

忙しいハズなのに、ザンザスと雲雀さんを引っ張ってきてまで会場に顔をだした彼を見て笑いが込み上げる。

特にザンザスと雲雀さんの顔…物凄く不本意って顔してるよ。

ああ、おかしい。

先ほどの緊張が吹っ飛び、俺は謝辞を言い淀むことなく喋り続ける。

 

「―――――――これからも今までと変わらず、ご指導ご鞭撻をいただきますよう、お願い申し上げます。

本日はありがとうございます。」

 

盛大な拍手の中、俺と京子ちゃんの結婚式は閉会した。

ゲストを見送り終えると、関係者にはお礼を言って俺達は着替える。

暑苦しいタキシードを脱ぎ捨て、椅子にどっさりと座る。

あ、そういえばエミーリオさんにもお礼を言わなきゃ。

俺はエミーリオさんのいるであろう厨房へ向かえば、皿洗いを会場の裏方のスタッフとやっていた。

 

「エミーリオさん!」

「綱吉君、お疲れさん」

「はい!お疲れ様です!片づけは従業員さんにお願いするのでエミーリオさんはもう下がってもらって大丈夫ですよ!」

「あー…ならお言葉に甘えようかな」

 

エミーリオさんはエプロンを取ると、厨房の休憩室に入っていく。

俺もそれについて行き入っていくと、休憩室は若干散らかっているものの綺麗なままで、誰もいなかった。

 

「あれ?ザンザス達は…」

「ああ、披露宴の謝辞の後そのまま帰らせた」

「何から何まですみません!」

「いや別に苦でもないからいいけど、ほんと今日はお疲れさん」

「ハハ…ありがとうございます。」

 

エミーリオさんが休憩室の窓を開けると、涼しい風が部屋の中に入ってくる。

 

「君の謝辞を聞いてて、人間の成長って早いなーって思ったよ」

「え、あはは…恥ずかしいなぁ」

 

俺の前髪が、入って来た風で後ろに靡く。

風が顔に当たり、目を細める。

 

「本当に、人間の成長って早いな…そう思わないか?綱吉君」

「え、あ、はい…」

「って言っても、君はまだ二十代か…分かんないよね」

 

何だか少しエミーリオさんが寂しそうな、嬉しそうな顔をしている気がした。

 

「少し前までジョットが君くらいの年だったのに」

 

哀愁のある音色で呟いたその言葉に、俺はエミーリオさんの顔を覗こうとしたけれど、窓から差し込む夕陽の逆光で見ることが出来なかった。

 

 

「時が過ぎるのはいつだって一瞬だなぁ…」

 

 

 

俺は何十年先もその言葉を 

 

 

忘れたことはなかった

 

 

 

 




笹川涼子:天然もの。玉の輿、やったね!
沢田綱吉:最初の上半身全裸での告白から約十年、結婚までこぎつけた勇者。
エミーリオ:ただ純粋に子供の成長ってくっそ早いなぁとしか思っていない。
ヴァリアー:エミーリオの料理目的で参加。唯一ルッスーリアだけ会場にいた。
雲雀:エミーリオの(ry


最後にしんみりでした。
中々書き辛いですね…結婚式(ギリイ…
私も結婚したいわぁぁぁぁぁぁああああああ!
ウェディングドレス着たいわぁぁぁああああああああ!
おっと失礼。

流派西方不敗 的場楓 こうや 様のリクエストでした。
※リクエストの順番はランダムで書いてます。

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